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水平回転型卓上研磨機を自作してみた

第一弾目

ビーズ・木球・レジン球体を研磨できる研磨機

佛珠刀で作ったゴム製のビーズを自動研磨したいという質問をいただいて提案したもの。当初、ポリッシャーやビーズを入れる塩ビ管を机の脚にクランプやネジで固定していたため、それらを取り付けたり、取り外したりするのに手間がかかるのがネックだった。
質問:木球のバリ取りと研磨を自動化する方法
木を球状にくり抜く先端ビット(佛珠刀)で、硬い樹脂や柔らかい樹脂を加工した際に発生するバリやカエリを1つひとつ除去していると手間がかかるため、以前ブログで紹介した「バレル研磨機で木の面取り・バリ取り・研磨ができるのか検証してみた」の方法でバ...

第二弾目

ビーズ・木球・レジン球体を研磨できる研磨機2

前述したもので「球体のレジンを研磨することができるか?」という質問をいただいたので検証を行っていたが、ポリッシャーを垂直にした状態で机の脚に固定したり、ネジ止めしている塩ビ管の着脱する手間にうんざりしたので、それぞれを簡単にセットできる土台をつくるまき。
球体レジンのバリ取り研磨とポリッシングを自動化(レジン自動研磨機)
以前の作ったものは机の脚にポリッシャーをクランプで固定していたため、サンドペーパーの交換にちょっとした一手間がかかったり、使用中に本体が傾いたりすることがありました。また、塩ビ管も机の脚にネジ止めしていたため、塩ビ管の交換がうんざりするほど...

第三弾目

ビーズ・木球・レジン球体を研磨できる研磨機3

レジンの球体を研磨する検証を行っていたところ、研磨する際に発生した粉じんが部屋に飛散。舞い上がった粉じんで周辺の物は真っ白となり、毎回、研磨後の掃除が大変だったため、粉じんが飛散しにくい土台をつくるまき。ポリッシャーとパットを板で隔てることで、ポリッシャーの排気で粉じんが吹き飛ぶことはなくなった。
木球 自動研磨機の土台を改良-粉塵対策版(ビーズ/レジン 球体/ひのきチップ)
先月、作った土台にポリッシャーを固定して、一度に大量のウッドチップを研磨すると粉じんが大 量に拡散されてしまう問題が発生したため、粉じんが飛散しないようにポリッシャー本体とパットを隔離した土台に改良した。粉じんが飛散すると、床だけでなく周辺...

第四弾目

ビーズ・木球・レジン球体を研磨できる水平回転型卓上研磨機

バレル研磨機で木製のメディアを試してみたくなったため、代わりになるものがないかAmazonで調べていると、正方形の木片の角を落とした「ひのきキューブ」という商品を見つける。しかし、量を揃えると出費がかさむ価格だったため、前述した「第三弾目」の研磨機で作っていた。作っている途中でひのきキューブは色々な用途で使えることを知り、もっと大量に作ろうと考えたが、ポリッシャーが土台にずっと束縛されてしまうので、12VのDCモーターを動力源とした研磨装置をつくるまき。

管理人
管理人

大手電動工具メーカーのプロ用ポリッシャーは高額なため、木やレジンなどの球体を研磨・磨いたり、ひのきキューブを作りたい人には、第四弾目となる水平回転型卓上研磨機をおすすめしたい。

 

このページではその装置の作り方をYouTubeにあげた動画より分かりやすく解説。はんだ付けができない人のために、はんだごてを使わずに作ったので、参考にしていただけば幸いです。ただし、爆発しても責任は問いかねます。

水平回転型卓上研磨機の作り方

木枠

まずはじめにMDFのような反りにくい4枚の板を接合して木枠を作ります。わたしは幅が狭い檜の端材で作ったので、2列に並べたつまを縦桟で補強しています。縦×横の寸法は使いたいマジックパットの大きさより、ある程度広くする必要があります。今回は一般的なサイズ(125mm)のマジックパットを使用するので、枠の寸法は縦200×横200×幅130(mm)しています。

天板

天板の中心に穴をあける。この穴を通るアーバーの直径は9.7mmなので、精度の高い組付けができる自信があるなら(10mm)の穴経にするとよいでしょう。わたしはへっぽこで干渉しそう不安があったので、アーバーの太さより約3mm大きい12mmの穴経にしました。

底板

底板に2×4材のような厚板をガッチリと固定します。この厚板にモーターを固定するため、モーター軸が枠の中心にくる位置に接合する必要があります。

775モーター(マウント/Lブラケット)

底板に固定した2×4材に775用のモーターブラケットをネジ止めします。ネジは頭が材料にめりこまない「なべ頭」のネジを使用する必要があります。775モーター用のLブラケットは500円前後で販売されており、Amazonや楽天市場でも販売されているため、誰でも簡単に入手することができます。


775DCモーター

2×4材に固定したモーターブラケットに12V用の775DCモーターをネジ止めします。775モーターには12V以外に24Vや36Vもありますが、回転数やトルクが高い12V専用のものを選びます。このクラス(12V)から冷却ファンが搭載されていたり、シャフト(軸)がベアリングで支持されているのは嬉しいポイントです。軸経もやや太くなっており、工作で使いやすい5mmなのも高ポイントです。色々な業者が販売しており、安いものだと約1,000円ほどで販売されています。


モーターシャフト カップリング接続コネクタ

モーターなどの駆動軸と先端工具などの被動軸を接続することができるカップリング(軸継手)を使い、モーターの軸とマジックパットのアーバーを接続します。775モーターの軸経は5mm、使用するSK11のマジックパットのアーバーの軸経は6mmなので、5mm⇔6mmのカップリングを介してつなぎました。
仕様ではアーバーの経は6mmですが、実際は6.1~6.2mmほどあったので、ヤスリで削って6mmにする必要がありました。コンマ1mmといえど、金属を手で削ると膨大な時間がかかるため、ボール盤のチャックにアーバーを取り付けて、回転させながら布ヤスリの#2桁を押さえつけて研磨しました。インパクトドライバ・ドリルドライバ・電気ドリルのチャックに挟むことも可能です。



775モーター用のスピードコントローラー

ビーズなどの研磨で775DCモーターを10,000prm付近で回転させるとオーバースペックとなるため、モーターの回転速度を調整するモジュールを使用します。プラスドライバーを使って配線を接続できるので、はんだ付けができない人でも難なく結線できます。

ELPA 丸型圧着端子 R1.25-3 PS-51NH

モジュール側に接続する配線はネジ止めするため、もしネジが緩んでも抜けないように丸型圧着端子(R1.25-3)でかしめます。推奨はしませんが、芯線のまま接続することも可能です。
端子をかしめるには電工ペンチ が必要となります。エーモンの電工ペンチであれば、後述する平型端子もかしめられるので、電工ペンチを購入する場合は、裸端子や差込端子をかしめられるタイプを選びましょう。


775モーターに合う平型端子

775モーターの端子の幅は4.8mmなので、187型の平型端子(メス)をモーターに接続する+と-の配線に電光ペンチでかしめます。芯線が細くて抜ける場合は、芯線を2つに折ってかしめるとよいでしょう。はんだごてがある場合は、モーターの端子に配線をはんだ付けします。


フェルール端子

電源側の配線には「フェルール端子」をかしめました。これは後述するAC/DCアダプターにDCジャック⇔スクリュー端子台が付属されているからです。同じようにスクリュー端子台に接続する場合は、前述した電光ペンチでかしめられる絶縁キャップ付きの「棒形端子」にするとよいでしょう。なぜなら、フェルール端子をかしめるのにフェルール専用の圧着工具が必要となるからです。

スクリュー端子台は芯線をそのまま接続することも可能です。その他に、はんだ付けが出来ない場合、アダプターの配線を切って「ギボシ端子」で接続したり、「ケーブル付きのDCジャック」を使って接続する方法もあります。

はんだごてがある場合は、「DCジャック」をはんだ付けして接続します。

12V 10A(AC/DC 電源アダプター)-B07XYZWS91

この装置で使用する12Vの775モーターは交流で動作するモーターなので、電気の流れ方がAC(直流)のコンセントから、DC(交流)に変換する[AC/DCアダプター]から電源をとりました。ビーズなどの研磨だとモーターに大きな負荷がかからないため、アダプターは定格は12V/5Aのものでも問題ないと思いますが、余裕をもって10Aのものを選ぶことをおすすめします。もし強い負荷がかかったときに5A以上の電流が流れるからです。また、定格が10Aもあると、また775モーターを利用した工作品を作ったときに使い回すこともできるからです。電子工作に興味があるなら、電圧を30Vまで調整できる安定化電源(10A)があればなお便利です。
12V/1~2Aのアダプターも持っていますが、定格電流が小さいと少し負荷がかかっただけでモーターが止まりやすいので避けましょう。基本的にモーターは負荷がかかると電流が大きくなるので、電流の高いアダプタに接続したほうが、高い負荷がかかってもモーターが停止しにくくなります。


速度 コントローラー モジュール(配線)

最初にかしめた「丸型圧着端子」4つをモジュールに接続します。

775DCモーター(平型端子接続)

775DCモーターに平型端子(メス)を接続します。ちなみにモーターの+と-を反対に接続すると逆回転するので、どちらに繋いでもモジュールとモーターは壊れません。ポリッシャーはパッドを締めるける方向(右)と逆方向にモーターを回転させているので、モーターの軸は左回転させたほうがパットが緩みにくいのかもしれません。

775モーターとスピードコントローラーの結線

このような結線になったのではないかなと思います。電源に接続するプラスとマイナスを逆接続だけ注意します。

速度 コントローラーのツマミの取り外し方

モジュールのツマミとナットを取り外します。ツマミは工具レスで取り外せますが、ナットは10番のスパナかペンチがないと取り外せませんでした。

775モーターを取り付けた底板の取り付け

モーターを取り付けた底板を木枠にセットします。

スピードコントローラーを木(板)に取り付け

モジュールのツマミを設置したい場所に穴をあけてツマミを固定します。厚さ10mmの板だとナットで締め付けられなかったので、あらかじめ底面が平らな座ぐり穴をあけられる座ぐりドリルで材の厚み薄くしたところに取り付けました。

電源に接続する配線を通す穴

アダプターに接続する配線もあらかじめあけておいた背板の穴に通して、アダプターのスクリュー端子台に接続します。端子の配線の接続にはプラスドライバーが必要となります。

底板と天板の取り付け

モジュールの固定と、電源側に繋ぐ配線を箱から出したら、底板と天板を接合します。

マジックパットの取り付け

125mmのパットを装着します。
理由はわからないが、パットを装着した状態で高速回転させると土台が振動で動くほど偏心しました。パットを装着していない状態だと振動は起きなかったので、「ラバー素材」か「真円になってない」ことが原因かもしれません。

塩ビ管を固定するストッパー

VU管 (VUパイプ)が動かないようにストッパー代わりの木片をネジ止めします。三弾目はVU管と同じ外形の穴をあけて固定していたが、大きなホールソーや研削する必要があるので却下して簡単なものにした。

ディスクペーパー

パットにマジック式のディスクペーパー(125mm)を取り付ける。ひのきキューブなら#100前後から研磨するとよいだろう。125mmのディスクペーパーは番手が豊富(#2桁~5桁)なので、研磨目的に合った番手を選定したい。

VU管 (VUパイプ) 径125

125mmのマジックパットのサイズに近似している塩ビ管「内径:131mmのVU管(呼び径125)」を用意します。内壁部に#100の布ヤスリを貼ることで研磨効率が大きく向上します。なぜなら、ワーク(ビーズ等)はパットを回転させると、遠心力によって内壁部に押し付けられながら回転するからです。わたしの検証では空研ぎヤスリより布ヤスリのほうが目詰まりしにくく耐久性も高かったです(強力両面テープで貼り付け)。


VU管 (VUパイプ) 径125

VU管を土台にセットします。微妙に隙間があいてガタつくようであれば、管の周りにビニールテープを巻いて太くするとよいでしょう・

フタ

このまま回転させるとワークが上から飛び出してくるためフタが必須となります。フタは前回作ったものをそのまま流用。このフタは円形板をボルトとナットを使って宙吊りにした状態になっており、円形板にサンドペーパーを貼ることでさらに研磨率が向上します。ナットを回すことで円形板の位置を調整することが可能となっています。

ひのき枕の素材をDIY(ひのきちっぷ)

従来と同様に30分ほどでウッドキューブを面取りすることができました(回転スピード1,000rpm前後)。パットと塩ビ管に貼り付けたサンドペーパーの番手をあげることで仕上げ状態を美しくすることも可能。またウールバフを使用すれば、鏡面仕上げにすることもできるという(こちらの記事を参照)。塩ビ管に貼ったサンドペーパーを交換するのは手間なので、予備の塩ビ管をいくつか用意しておくと便利であった。
775DCモーター(スイッチ&スピードコントローラーのつなぎ方)
モジュールのツマミを回すことでモーターの回転を停止させることができますが、ON/OFFできるスイッチをつけたい場合は、アダプターからモジュールの+間にスイッチを接続するとよいでしょう。775モーターに接続するスイッチは定格電圧/電流(12V↑10A)のものを使用ないとバカになることがあるので注意。
回転数(800~900min-1)で約3時間ほど連続回転させたこともあったが問題はなかった。

ミニベンチディスクサンダー

ミニベンチディスクサンダー
最近は多くの海外業者がAmazonで様々な種類の木工機を安価で小型のものを販売しており、この記事で自作したものに似た製品も市販されています。もし自作に自信がない方は、市販のミニベンチディスクサンダーを購入して、それをカスタマイズしたほうがより簡単で効果的な解決策となるかもしれません。

ミニディスクサンダーには、ディスクの直径が100mmと150mmのものが存在します。使用可能電圧がAC110-240Vである製品は、日本国内でも使用可能ですが、適切な電源変換プラグが必要になることがあります。購入する場合は、その製品が日本の電源コンセントに対応しているか、または変換プラグが必要かなど注意を要します。

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