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ホイールサンダの選び方

ホイールサンダーの各部名称

 主要機能

 機種:9740・9741SP1

電圧単相交流100V
電流11A
消費電力1,100W
回転数3,500min-1(回転/分)
ホイール幅120mm
質量4.2kg

特徴

ホイールサンダとは、ワイヤー線やナイロン線がついたホイールを高速回転させて、木材や金属を研削する電動工具です。
主にワイヤー線は金属のケレン作業。ナイロン線は木材の浮造(うづくり)仕上げをするときに使われています。
サンダーといっても、オービタルサンダーなどのように、サンドペーパーを取り付けて研磨するのではなく、ホイール状になったブラシを回転させながら材料を研削していきます。

注意点

回転数が3,500-min1(分)と速いスピードで大きなホイールが回転するので、衣類やコードがホイールに巻き込まれないように気をつけて作業をしましょう。
金属疲労を起こして、ホイールの線材が飛来することがあるので安全メガネを装着します。
本体に集塵機に繋げることもできますが、粉塵が大量に発生する場合は防じんマスクが必要になります。

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ブラシホイールの種類

ワイヤーホイールブラシワイヤーブラシホイール
ナイロンブラシ-木目出し用ワイヤーホイールブラシ-ケレン作業用
イメージ機種名付属されてるブラシホイール取り付けられるブラシホイール
Makita(マキタ)
9741SP1
ワイヤーブラシA-23341 (ワイヤーブラシ)
A-23363 (ナイロンブラシ: #80)
A-23313 (ナイロンブラシ:#100)
A-23357 (ナイロンブラシ:#240)
Makita(マキタ)
9740
ナイロンブラシ

用途にあったブラシ

ブラシホイールには、ワイヤーブラシとナイロンブラシの2種類があります。
ブラシの種類によって用途が異なるので、用途にあったブラシホイールが付属されているモデルを選びましょう。
どちらのモデルを選んでも、違う種類のホイールを取り付けることができます。
ナイロンブラシホイールには〔荒仕上げ用〕と〔仕上げ用〕がありますが、浮造の仕上げ方は製作者の感性で変わるので、ヤスリがけのように、荒目から細目へと細かくしていく必要はありません。
ホイールの交換方法は、〔アーバー〕と〔スピンドル〕を付属されている六角棒で緩めれば、ホイールをはずして交換することができます。

ナイロンブラシホイール

ナイロンブラシホイールは、研磨材入りのナイロンブラシです。
主に木材の木目出し(浮造:うづくり)仕上げをするために使用されます。

ワイヤブラシホイール

ワイヤブラシホイールは、金属製の線材でつくられおり、非常に硬く針金のようなブラシになっています。
ナイロンブラシより耐熱性に優れているので、メタルフォーム(コンクリート鋼製型枠)や鉄骨についた、コンクリートの汚れ、錆、黒皮(酸化皮膜)などのケレン作業に使います。
管理人は硬い素材や用途によっては、木材に使用することもあります。

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浮造仕上げ

浮造-比較

柔らかい春目だけが削れていく

浮造(うづくり)は、〔ワイヤーブラシ〕・〔動物の毛〕・植物の〔刈萱(かるかや)の根〕や〔つぐ〕を紐で束ねて、木の表面を削ぎ落とします。木には冬目と春目があり、硬い冬目は削れずに、柔らかい春目だけが削り落ちていくので、冬目だけがくっきりと浮き出て木目が立体的になり引き立ちます。このような仕上げかたを浮造仕上げといいます。

浮造り仕上げをする木材は、柔らかい針葉樹(杉、桐)などでよく施されています。杉のような柔らかい木は、爪で押すと跡が残るくらい柔らかいので、すぐに傷がついてしまいますが、浮造りをすると柔らかい部分だけが削ぎ落とされるので、木目が引き立ち見た目が美しくなるだけでなく、表面に傷がつきにくくなる利点もあります。

浮造用の天然から作られた道具にもヤスリと同じように目(番手)があり、〔刈萱の根〕が荒目になり〔つぐ〕が細目になります。ブラシホイールと同じように、仕上げ方は製作者の感性により変わるため、ヤスリがけの様に荒目から細目へと細かくしていく必要はありません。

このページで紹介しているホイールサンダーでかけていくと、効率よく浮造をすることができます。風化した古材も春目だけが削り落ちている状態になっているので、アンティーク調の家具などのエイジング目的で使用されることもあります。

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春目と冬目の違い

冬目と春目の違い

四季が木の年輪に現れる

丸太を切断すると、木口(切断面)に年輪が現れますが、この年輪の数で木の年齢が分かります。なぜ木の年齢が年輪で分かるのかというと、年輪には春目と冬目があり、色の茶色い部分は日差しが弱くなる寒い時期を現しています。
木は外側が成長していき幹が太くなっていくので、茶色い年輪の数だけ冬を越したことになります。日本の木は四季がはっきりと年輪に現れていますが、冬がなく1年中同じ気候の国で育った木には年輪が薄かったり無いものもあります。

春目は色が薄く柔らかい

春目は、暖かくなる春から夏にかけて成長した部分のことをさし、冬目に比べると色が薄く白っぽくなっています。暖かい時期(春~夏)になると日差しが強くなり、木は盛んに成長するので、冬目に比べると身が詰まっておらず柔らかくなっています。浮造した場合は、この柔らかい春目の部分だけが削れていきます。

冬目は色が濃く硬い

冬目は、寒くなる夏の終わりから秋に成長した部分をさし、春目に比べると色が濃く茶色くなっています。寒くなる時期(夏の終わりから秋)になると、日差しが弱くなり、木の生長スピードが遅くなるので、春目に比べると身が密になるので非常に硬くなっています。浮造した場合は、この硬い冬目の部分だけが削れずに残ります。同じ種類の木でも、寒い地域で長く育った木は密になっているので強度もあり、年輪も非常に細かく美しいものになっています。

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他の電動工具で代用も可能

グラインダーや電気ドリルで浮作り(木目だし)

  • 電気ドリルなどには、軸付きのホイルブラシを取り付けます。
  • グラインダーには、グリッド線のベベルブラシを取り付けます。
  • 予算の都合や作業量が少ない場合は、安価で耐久性のあるワイヤーブラシ(金ブラシ)や、電気ドリルやディスクグラインダーなどの電動工具で代用することも可能です。(作業効率は落ちます。)先端工具の線材は、腰の柔らかいグリッド線や真鍮線のほうがが木目だしに向いています。金属線の場合、ワイヤーが太くて腰が強い線材ですと、浮造とはかけ離れた荒い仕上がりになってしまうので、選ぶ際に注意が必要です。

    線材の腰の柔らかさは、グリッド線>真鍮線>鋼線・真鍮メッキ線の順になります。電気ドリルやグラインダー用のカップブラシは、木目の方向だけを研削することができないので、円を描くような研磨跡がつくので向いていません。必ず木目の方向を研削できるホイルブラシやベベルブラシを選びましょう。

    作業能率がおちますが、手で使用する木柄のワイヤーブラシやD型ワイヤーブラシでも代用することも可能です。浮作り用の刈萱は、鉋や寸八さんのショップで販売されています。

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    焼杉

    焼杉-浮造

    美しいコントラスト

    木の表面をバーナーなどで焦がして浮造をすると、炭化して色のついた冬目だけが残るので、普通に浮造した物とは違い、春目と冬目の部分のコントラストの差が大きくなり、木目がさらに引き立ちます。また、焦げて炭化した春目はもろくなるので、浮造をしたときに削ぎとりやすくなります。その他に、希釈した塩酸を表面を散布して柔らかくする方法もあります。

    焼杉-浮造の様子
    上の写真は、杉を浮造り加工した写真です。
    コチラの写真はパイン材を浮造りしたものです。

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    ホイールサンダーの騒音値


    スピードコントローラーはK-15Sを使用しています。

    ホイールサンダは、スピードコントローラーで回転スピードを下げても90dBを超えるのでかなり五月蝿い部類にはいると思います。一般家庭にある静音タイプでないキャニスター掃除機の騒音値が約80dBほどです。騒音値は10dBも変わると、かなり大きな音になります。

    90dBは他の電動工具ですと、丸ノコの騒音に匹敵するくらいです。私はホイールサンダを使用する作業では、耳栓を装着して作業しています。

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