スポンサーリンク

ボール盤の選び方

ボール盤とは?

卓上ボール盤の各部名称
リョービ(RYOBI) 卓上ボール盤 TB-2131-各部名称

作業場に置けば「穴開けマイスター!」

DIYでは材料に色々な加工を施しますが、プロアマに関わらず1番多い加工工程が穴あけ加工になります。それだけ何かを作る際に穴をあける加工の需要が多いので、効率よく垂直の正確な穴をあける作業では「卓上ボール盤」有効な機械です。

ボール盤の基本構造は、『ベース』『コラム』『ヘッド』『主軸』『テーブル』の5種類から成り立っています。精度はこのサイトで紹介している電気ドリルやドリルスタンドより高いので、必ず工房に置きたい木工機の1つです。

ボール盤(主軸・ドリルチャック)

金属や木材にも穴を開けられる

一般的な卓上ボール盤の主軸には、13mmのドリル径まで固定できるドリルチャックが備わっているので、加工する素材に合わせて先端工具(ドリルビット)を取り付けることができるので、木材、金属、樹脂など様々な素材に所望の深さの穴をあけることができます。

.

ボール盤の使い方

ドリルチャックの取り付け方

ドリルチャックの取り付け方

新品で購入したボール盤は主軸にドリルチャックついていないので、自分で取り付ける必要があります。
はじめにドリルチャックをボール盤の主軸に挿入し手で軽く打撃を与えて仮固定させ、ドリルチャックのリング部を回すと爪が開閉するので、ツメを収納させた状態にします。次にテーブルの上に分厚い角材などを置いて、切込ハンドルを軽く送り込み、主軸を角材の頭まで降ろしてチャックに圧入します。

.

ドリルビットの取り付け方

ドリルビットの取り付け方

使用するドリルビット(キリ)の径に合わせてドリルチャックのツメを開いてください。ドリルビットをドリルチャックを挿入した後、ドリルチャックのリングを部を手で回し、仮締めをおこないます。ドリルチャックの穴にチャックハンドルを差込み、均等な力で締め付けて固定します。
ドリルビットを取り外す際はドリルビットが熱くなっているので十分注意してください。

.

穴あけ加工方法

ボール盤は材料をワークテーブルに固定し、主軸にドリルビットを取り付けます。そして、スイッチを入れてドリルビットの回転が安定したのを確認してから穴あけ作業を開始します。
本体の右にあるハンドルを回すことにより、主軸を垂直に直進運動させることができます。

また、深い穴をあける場合は、切削油が加工中の穴の奥まで浸透しにくく、切り屑の排出も悪くなります。
なので、ドリルをステップ送り(時々ドリルを穴の口元まであげる)して、切り屑を排出させて、金属加工の場合は切削油が加工穴の奥まで浸透させやすくするようにします。

ボール盤で作業をするときは、巻き込みの原因となるので、軍手を着用はやめましょう。また、服装も袖が締まったものを身につけます。
ボール盤はトルクが強く自力で止めることができないので、軍手がドリルビットに巻き込まれると指が骨折してしまう場合があります。工場などに置かれているパワーが強い直立ボール盤などだと、腕ごともっていかれることもあります。

.

切り込み深さの調整方法

切り込み深さの調整

ボール盤はドリルのストローク幅を調整することができるので、あらかじめ設定したの穴の深さを開けることができます。同じ深さの穴を複数あけたい工程で活躍する機能です。

切り込み深さの調整方法は、本体前面の銘板に切込深目盛りが付いているので、切り込む深さに合わせて、指針柱のダブルナットをゆるめ、位置調整を行います。
先に上側のナットを緩め、下側のナットを切込みたい深さの目盛り合わせ移動させます。深さの設定が完了したら、下側のナットが動いてしまわないように上側のナットを締め付けます。

.

テーブルの位置を調整する方法

テーブルの位置を調整する方法

テーブルの左側にあるテーブル固定用レバーを緩め、テーブルの昇降ハンドルを回して任意の高さにテーブルを移動させます。テーブルの位置が決まったら、最初に緩めたテーブル固定用レバーをしっかりと締め付けて動かないように固定します。テーブルを左右に動かしたい場合もテーブル固定用レバーを緩めるてから、手で左右に振ります。

上記はリョービ(TB-2131)のテーブル位置の調整手順です。(TB-1131K)には昇降ハンドルがついていないので、テーブル一固定用レバーを緩めた後、手で高さを調整しなければいけません。昇降ハンドルがついているとテーブルの高さを片手でラクラク簡単に調整できるメリットがあります。


回転速度の調整方法

回転速度の調整方法
卓上ボール盤はプーリーにかかっているベルトの上下位置を変えることにより、主軸の回転スピードの調整が行えます。ドリルビットや素材によって適した回転数があるので、適した回転数に調整して穴あけ作業を行いましょう。

.

ベルトカバー

1.ベルトカバーを開く

回転速度を調整する場合、まずはじめにスイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜きます。プーリーとベルトが収まっているベルトカバーのノブを持ち上げ開きます。

.

ボール盤のベルトの調整方法

2.ベルトをゆるめる

モーターの手前にあるベルト張り固定用ノブをゆるめ、モーターを手前の方に寄せます。モーターを手前に寄せることでベルトがゆるみます。
TB-1131Kのベルト張り固定用ノブの位置はヘッドの右側にありますが、TB-2131はヘッドの両側面にあります。

.
TB-1131KTB-2131
50Hz60Hz50Hz60Hz
無負荷
回転数


2580310030003600
1950234021702610
1430172013301600
9151100730880
515620450540

回転数

3.ベルトのかける上下位置を変える

主軸側のプーリーとモーター側のプーリにかかっているベルトの上下位置を所望の回転速度の高さにかけなおします。この時に必ずベルトをかける位置は、ベルトが平行になるように同じ高さの位置にかけてください。
基本的にベルトの位置が高いほうが回転速度が速くなります。TB-1131KとTB-2131の各位置の回転速度は上記を参照してください。

.

ベルトの張り 調整方法

4.ベルトの張りの調整

ベルトをかけたらベルトの中央を手でつかみ、それぞれが約1cmくらいにたわむ程度のところまでモーターを後方に寄せてベルト張り固定用ノブで締め付けて固定します。長時間使用しないときは、ベルトの張りを緩めて休めておきましょう。


ボール盤の種類

卓上ボール盤小型卓上ボール盤直立ボール盤ラジアルボール盤

開けたい穴のサイズや材料の大きさでボール盤の種類を決める

ボール盤にはたくさんの種類があり、DIYで最も使われるタイプが「卓上ボール盤」や「小型の卓上ボール盤」です。どちらもほとんどの機種がドリル径13mmまでのドリルビットを取り付けられます。それ以上のドリルビットを取り付ける場合は、「直立ボール盤」を使用します。幅広い材料を加工する場合は「ラジアルボール盤」を使用します。一度にたくさんの穴を開けられる「多頭ボール盤」「多軸ボール盤」などもあります。「卓上ボール盤」以外のボール盤は大型タイプなのでしっかりと固定され据えつけされており、工房や工場などで使用されています。

卓上ボール盤

卓上ボール盤はこのページで紹介しているタイプです。重さが20kg~30kgあり、これ以上大型になると一般家庭に置くことが難しいのでDIYで一番利用される機種だと思います。ドリルドライバーや電気ドリルに備わっているドリルチャックがついているので、それらの電動工具を使用したことがある人ですと、迷わず簡単にドリルビットを取り付けられると思います。

小型 卓上ボール盤

上の卓上ボール盤でも家に設置するのが難しい場合は、この小型の卓上ボール盤がおすすめです。一般的な卓上ボール盤と比べると各パーツ『ベース』『コラム』『ヘッド』『主軸』がコンパクトになっているので、質量が5~10kgと軽くなっています。持ち運びにも便利ですし、手軽に出し入れすることができます。小型の卓上ボール盤にはテーブルがないのでベースがテーブルの役割も兼ねそなえています。
注意点としてストローク幅が短いので、卓上ボール盤のような深い穴を開けることが出来ません。

直立ボール盤

卓上ボール盤では10mm以下の穴開け作業が多いため、取り付け可能なドリル径が13mmまでの機種が多く存在します。この径までのドリルはシャンク部がストレート状ですが、これを超えるドリルはシャンク部がテーパー状になるので、取り付け方や機種が異なります。なので、ドリル径が13mm以上を超える場合は、スリーブとドリフトを用いてドリルを取り付けられる直立ボール盤を使用しなければいけません。
直立ボール盤、ラジアルボール盤でも主軸にドリルチャックをつけることにより、シャンクがストレート状のドリルを取り付けて穴を開けることもできます。

ラジアルボール盤

卓上ボール盤や直立ボール盤では、加工できる材料のサイズはフトコロ寸法やテーブルのサイズに制限されてしまします。
例えばフトコロ寸法が300mmも無ければ、600mmの幅の材料の中心に穴を開けることはできません。
そういった場合はラジアルボール盤を使用します。ラジアルボール盤はアームに主軸がついているので、主軸をアームの上を前後に移動させることができます。なので、幅広い材料の穴開けにも対応します。


自作 木工用テーブル

穴が開けやすくなるテーブル

卓上ボール盤は金工用に作られているので、標準付属されているバイスで材料をはさんで開けたい穴の位置に合わせるのは不便です。そこで、木工で穴開け作業を行う場合は、動画のように自作した木工用のテーブルを取り付けている方が多いです。
自作されたテーブルには、材料を押さえつけて固定できるフェンスやクランプが取り付けられてあるので、材料が固定しやすく穴を開けやすくなります。工夫されている方ですと穴の位置が決めやすく、すぐに固定できるように、フェンスやクランプが稼動するように作られています。また、フェンスにストッパーを取り付けることにより、複数の材料に同じ場所に穴を開けることができます。

テーブルの位置を自由に変えられる

同じ材料に複数の穴を開けなければいけない場合は、いちいちフェンスやクランプのネジを緩めなければいけないので手間がかかります。そこで、ボールバンのテーブルにクロステーブル(XYテーブル)をボルトやクランプなどで固定すると大変便利です。

クロステーブルには正面と横にハンドルがついており、ハンドルを回すことにより、縦軸(Y軸)と横軸(X軸)を自由に移動させることができるので、わざわざ材料の位置を変えて固定する手間が省けます。テーブルの上にクロステーブルを固定し、さらにクロステーブルの上に自作テーブルを固定されている方もいるようです。

ボール盤の性能比較表

タイトルとURLをコピーしました