木を球状にくり抜く先端ビット(佛珠刀)で、硬い樹脂や柔らかい樹脂を加工した際に発生するバリやカエリを1つひとつ除去していると手間がかかるため、以前ブログで紹介した「バレル研磨機で木の面取り・バリ取り・研磨ができるのか検証してみた」の方法でバリ取りや研磨を自動化できないかというご質問をいただいた。
意図的にバリやカエリを発生させるため、樹脂に穴を開けたり切断加工を行い、同じようにサンドペーパーを貼り付けた研磨槽に入れて10時間ほど回転させてみたが手で簡単に取れそうなバリも除去できてないことから、残念ながら自動化は難しいと判断(質量が軽いのが原因か?)。特に弾性力のあるゴムのような素材のバリ取りが困難だと感じた。
その他に、番手の粗い重切削用のセラミックメディアを入れて回転させてみたが、樹脂は水に浮いてしまうため湿式だとうまく研磨できないなどのトラブルが発生。水量を減らすと研削力はアップしたものの、約10時間回しても真ん中に発生しているバリを除去すること困難だと判断。提案できるようなものではなかった。
思い入れのある物だけれど、廃棄されてしまう物をブレスレットにしていることから、作品作りのヒントになればと他の方法を模索。最初は底にサンドペーパーを貼りつけた丸形タッパーを横方向に回転させてみたものの、タッパーの中に投入した工作物は遠心力によって、容器の壁面に張り付いた状態で回転し、研磨することができなかった。
次に丸く切り抜いた円盤状の板にサンドペーパーを貼り付けて、その円盤状の板を筒で囲って回転させたところ、中に投入した工作物は壁面に反って勢いよく回転しはじめた。
さらに円盤状の板の回転速度を上げ、筒の壁面にもサンドペーパーを貼りつければ、もっと効率よく研磨+研削するがでように感じた。
そこで家にあるリョービのポリッシャー(PE-201)にサンドペーパーを貼り付けて、サンドペーパーを貼り付けた塩ビ管で囲ってみたところ、回転スピード3の場合、約30分で表面に発生したバリや真ん中にできた段差を除去することができた。
さらに回転スピードをあげるとバリを除去するスピードは向上したが、工作物が上から飛び出していくことがあったため、飛び出し防止用の蓋が必須となる。
当初、こんなに早くバリが取れると思っていなかったので、サンドペーパーの番手を粗い#40~60にしていたが、予想以上にバリを取るスピードが早いうえ、表面が粗い仕上げになっていることから、#100前後から始めたほうがよいと感じた。
ちなみに、ポリッシャーに取り付けるサンドペーパーやバフはマジックテープで固定する設計になっているため、手間をかけずに簡単に交換することができる。
木と同じようにサンドペーパーの番手を上げていくことで、樹脂の表面はつるつるとした仕上がりになったことから、さらに番手を上げていくことで写真以上に美しい仕上げにすることも可能だろう。
また、パッドに青棒を塗布したバフ+囲っている筒に青棒を塗布したセーム革を貼り付けることで光沢をだすことも可能かもしれない。この方法が難しい場合は、SMB(ソフトメディア)乾式用と一緒にバレル研磨機に投入したい。
今回の経験から、おそらく上のような装置を作れば球状の木や樹脂を研磨を自動化することができるだろう。また不定形な形状をしていても、角が取れて石ころのような形状になるのではないかと予想している。
この記事に記載した同じ方法で木の玉を研磨した動画は上のYouTubeからどうぞ。また、ポリッシャーを机の脚に固定するのが面倒なので専用の土台を作りました(下記記事参照)。
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