ドリルスタンド 選び方 |
ドリルスタンドの機能 | ドリルスタンド比較表 | 電気ドリル |
ドリルスタンドの特徴
電気ドリルがボール盤に早変わり
『ドリルスタンド』は、電気ドリルなどを固定する補助具です。『ドリルガイド』は、電気ドリル以外にドリルドライバーやインパクトドライバーを固定することも可能です。メーカーによって称呼が変わりますが、このページでは左のタイプを『ドリルガイド』、右のタイプ『ドリルスタンド』として説明します。
まっすぐに穴をあけられる
真っ直ぐに穴を開ける方法は色々ありますが、ドリルスタンドで電気ドリルを固定することにより、穴あけ作業中も手ブレや刃の逃げ(ズレ)が生じにくくなるので、手に持って穴をあけるより、正確に垂直な穴や傾穴をあけることができます。
ボール盤のデメリット
垂直に穴をあける木工機で卓上ボール盤という機械があります。この機械は、大型のものだと質量が20kgほどあり場所をとるので、一般の家庭では設置するのが難しくなります。卓上ボール盤を置けない環境の場合や、移動しながら使用する場合は、小型で質量の軽いドリルスタンドが活躍します。
使い方
使い方はホルダーを上下にスライドさせるだけなので、とくに難しいことはありません。電気ドリルに負担をかけないようにするため、回転数が下がらないように無理に押し付けず、ゆっくりスライドさせていくことを心がけましょう。
金属に穴をあける場合は切削油や石鹸水を使用します。
ドリルの先端が逃げないように、穴をあける箇所にセンターポンチなどでくぼみをつくっておきましょう。
ドリルガイドにしっかり固定されていないと、昇降中に電気ドリルが上に浮き上がることがあります。
※ベースや材料を抑えている手に軍手(手袋)をつけていると、ビットに巻き込まれて大怪我をすることがあるので、軍手ははずしてから作業を行いましょう。
左:25716 右:No.50A
スターエムの埋木錐を使用して端材からダボ(木栓)を作っています。
穴あけ作業が正確
電気ドリルなどを手に持って穴を開けた場合、垂直な穴を開けようと思っても、手ぶれや電動工具の力に負けてしまい真っ直ぐに穴をあけることが難しくなります。素材が木の場合でも、木には硬い部分があるので、木目の具合によっては芯が逃げてしまったりすることがあります。ビスの下穴などであれば多少斜めに入っても大した問題はないのですが、作る物によっては垂直な穴を開けなければいけないことがあります。
上の木栓の写真は、ドリルスタンドを利用して作ったものと、手持ちでつくった木栓です。木栓は手持ちで作ったものでも使用することはできますが、手持ちで作った木栓はブレがおこっているので、ナイフマークのような段差になった跡が顕著に残っています。
手持ち以上 ボール盤未満
1万円以下の安価なドリルスタンドやドリルガイドには、ほとんどの物にドリルホルダーやベース(土台)にガタツキがあると思っていたほうがよいでしょう。このガタツキが精度を落とす1つの要因となるので、手で穴をあけるより精度はあがりますが、ボール盤ほどの正確・精密さはありません。
小型のボール盤には、軽いもので10kg以下のコンパクトなタイプもあるので、使用する切削ビットや用途によっては、精度の高い小型のボール盤を選ぶ選択肢もあります。
癖を知って精度を向上
がたつく原因がわかれば、がたつきを改善させられることができます。がたつきを自作で対処できない場合は、ドリルスタンドの癖を把握して、墨の位置にきっちり合わせてから、重心をたもちながら、慎重にスライドさせていきましょう。スライドバーや金属部がこすれあう場所には、グリスを塗っておきましょう。
ドリルスタンドの種類
three axis-垂直型ドリルスタンド |
垂直タイプ-ドリルスタンド
ドリルスタンドは、電気ドリルの首部分をドリルホルダーに差しこみ固定します。レバー操作で電気ドリルを昇降させることができます。インパクトドライバーやドリルドライバーを固定することはできません。
金属製なので剛性が高いですが、ドリルガイドに遊びがあるので左右に若干ブレます。ハンドル操作を意識してグリースを消耗部に塗れば、ブレを軽減させることは可能です。金属製なのでホームセンターで販売されている数百円で販売されているシャーシグリースで十分です。
ブレる原因がわかれば、自分で軽減させることも出来る場合があります。
ドリルスタンドのメリット
- スタンドコラム(支柱)が太く、ベースやガイド金属製なので前後にブレる要素が少ない。
- ベースの上に材料を置くので、大口径の切削ビットも取り付けられます。
- 据え置きタイプで昇降させるレバーがついているので、ドリルガイドより墨(印)にあわせやすい。
- 材料の固定に便利なバイスがついているものがあります。
- レザークラフトの用途でも使用できる。(菱目打ちハト目抜きなど)
ドリルスタンドのデメリット
- 電気ドリルのスピード調整が必要な場合、左手で調整しなければいけません。
- ドリルドライバーやインパクトドライバーを取り付けることができません。
- キーレスチャックの電気ドリルだと、差しこみ口にチャックがあたり、すれてしまう場合があります。
- 取り付けられる電気ドリルは、ガイドのサイズにあった首経の電気ドリルのみとなります。
- 材料の幅が広いとスタンドコラム(支柱)が邪魔になり、ガイドが左右に回転させないと穴があけられない。
- 丸棒を安易に固定できるV溝がない。
※剛性が高くても、ドリルガイドがブレがひどいものもあるので、レビューを参考にして選びましょう。
スターエム ドリルスタンド |
多機能タイプ-ドリルガイド
このタイプは、「ドリルガイド」という商品名で販売されています。(一部の会社で例外あり)スライドホルダーに取り付けられているドリルチャックに、「電気ドリル」「インパクトドライバー」「ドリルドライバー」を取り付けることができます。
ベースやスライドホルダーがプラスチック(樹脂製)のものは、ブレがおこりやすいです。ブレを軽減させるためには、電気ドリルの重心を保ちながらゆっくりスライドさせなければいけません。スライドホルダーがプラスチック製のものは、プラスチックを痛めないシリコングリースを使用しましょう。ブレが少ないものや精度を求める場合は、スライドホルダーやベースがアルミダイキャストのものを選びましょう。
ドリルガイドのメリット
- 相手材が大きいと垂直型のドリルスタンドやボール盤では、「穴があけ難い・あけられない」場合があります。このドリルドリルガイドは材料の上にベースを固定するので、どこにでもスムーズに穴をあけることが可能です。
- スライドバーの角度調整が行えるタイプがあり、傾穴加工をすることができます。
- 角度調整が行えるものは、折りたたむことができるので収納性があります。
- 左右のスライドバーの間におさまるものであれば、電気ドリル以外に〔インパクトドライバー〕や〔ドリルドライバー〕が取り付けられます。
- 丸棒を安易に固定することができるV溝があるのもが多いです。
ドリルガイドのデメリット
- スライドホルダーがスライドバーに挟まれていて、ベースを材料の上にセットするので、大口径の切削ビット(ホールソーや自在錐など)は奥まではいらなかったり、取り付けられない場合があります。
- スライドバーの角度がかえられるタイプは、スライドホルダーやベースが金属のような色をしていても、プラスチック(樹脂)のものが多くあり、強度が弱く歪みやすいので、垂直穴で精度をあげたい場合は、スライドバーが固定型でアルミベースのものを選びレビューをよく見てから購入しましょう。
自作 ドリルスタンド
ドリルスタンドを自作する方法
このページは〔自作 ドリルスタンド〕というキーワードで検索してこられる方が多いので、ブログのほうでドリルスタンドを自作している人達の動画をまとめてみました。色々な方法や部品を使い作っているので、自作のヒントになれば幸いです。まとめているページは下記からどうぞ。
〔ドリルスタンド 自作のまとめ〕