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ボール盤や電気ドリルで木の球(ウッドビーズ)を作る方法

佛珠刀とはなに?

佛珠刀(SHINA New Arrival 6pcs Hardness Tungsten Steel Alloy Coated Cutter Drill Bit Tools)

ボール盤や電気ドリル等で木を球状に加工できる先端工具

以前、頂いた質問(球状の樹脂のバリ取りと研磨を自動化する方法)の回答をするため、「佛珠刀」を購入する機会があったのでレビューしたい。

佛珠刀とはアクセサリーなどに使う木製のビーズを作ることができる先端工具(ビット)である。中心にあるセンタードリルは着脱することができるため、ボール盤とガイドを使えば穴のない木の玉を作ることも可能だ。

これまで木を球状に加工する場合は旋盤が必要だと思っていたが、海外のDIYユーチューバーが佛珠刀を紹介しているのを見て、ボール盤電気ドリルドリルドライバーなどでも木の球を作ることが可能だと知った。

ちなみに、佛珠刀が加工できる形状は真球だけでなく、楕円・ひょうたん・指輪の形状などに加工することができる種も存在する。また色々なサイズが用意されており、木玉であれば6/8/10/12/14/15/18/20/22/25/23/30(mm)がラインナップ。

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どこで買えるの?なんて検索すればいいの?

木を球状に加工できるドリルビットは「SHINA Buddha Beads Drill」や「佛珠刀」で検索すると購入できるサイトがヒットするものの、海外でしか販売されていないために注文する難易度が高くなる。

しかし、日本のAmazon「ビーズ ドリルビット」と検索すると海外の出品者が販売している佛珠刀がヒットするため、英語や中国語がわからなくても購入することが可能となっている。

ただし、中国から発送されるため、配送されるまでに時間がかかると考えたほうがよいだろう。自分が注文した時期はコロナウィルスの影響により中国がロックダウン中だったため、配送に一ヶ月以上かかった。

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買う前に知っておきたい

佛珠刀 種類

刃が折れにくいSHINAの佛珠刀がおすすめ

佛珠刀には刃が着脱できるタイプと固定されている2種類に大別され、前者は刃の切れ味が悪いうえ、付加がかかると刃が折れやすかった。後者は刃の切れ味がよく、付加がかかっても刃が折れにくい設計になっているため、硬い木を加工する場合や慣れてない場合は、前者のタイプの佛珠刀の方がおすすめである。

佛珠刀(刃の破損)

刃の深さ調整を誤ると失敗する

基本的に佛珠刀で木を加工した場合、赤いラインより刃を材料に深くいれると、材料がブレて粉々に欠けてしまうことが多い。この際に材をしっかり固定していると刃に強い付加がかかり、刃を着脱するタイプは材が欠けるだけでなく、薄い刃も一緒に折れてしまうことがあった。


上の動画もおそらくボール盤の深さ調整を誤り刃が破損したと思われる。また、適切な深さで刃を止めても、刃が薄いので堅木などを何度も加工していると疲労して折れやすくなるのではないだろうか。ちなみに、自分も動画の方とおなじものを購入し、同じように刃が割れてしまった。

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佛珠刀(コツ)

木口面から加工すると失敗しにくい

杉や檜のような柔らかい針葉樹を加工すると、どんなに刃をゆっくり進めても材料が欠けることがあるので、当初は硬い広葉樹を使って加工していた。しかし、木口面に穴をあけた場合、バリやカエリがでないことを思い出し、木口面から加工してみると柔らかい材料でも欠ける失敗が劇的に減った。10mm以上の球状であれば9割以上欠けによる失敗はないが、それ以下のサイズになると欠ける確率は高まる。

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佛珠刀を使ってブレスレットを作ってみた

2×4材(SPF)

そのへんに転がっていた2×4材の端材を使ってΦ10mmの佛珠刀でブレスレットを作ってみるのまき。
Φ10mmの佛珠刀を使用した場合、2×4材の厚みは11mmにするのが最適だった(頭を少し平らな状態にしたまま、ひっくりかえすのがコツ)。12mmだとちょい長丸になった。また、板の厚さを10mm以下にすることでビーズの形状をそろばんのコマのような円盤状に加工することも可能であった。

佛珠刀(加工)

加工は木口面の表面からどんどんと半球を作っていき、最後に裏面からも半球状にくり抜けば真球状のビーズが完成。佛珠刀のセンタードリルが裏面に貫通するため、裏面に貫通した穴とセンタードリルの中心を合わせることで位置合わせは容易にできた。センタードリルは取り外すことができるため、ボール盤とガイドを使用すれば穴のない木玉をつくることも可能だろう。
動画ではボール盤を使用して加工しているが、ビットの軸経は10mmなので一般的な電気ドリルドリルドライバーに装着して加工することが可能。ただし、インパクトドライバーは打撃がくわわったときに木や刃が欠けたりするかもしれないので、避けたほうがよいだろう。

木のビーズ玉

佛珠刀で加工した木のビーズ。最初は失敗が多く上手く加工できなかったが、木口面から加工していることとと、刃を進める深さの調整に慣れたため失敗数は0であった。めくれたバリが発生しているが、この程度であれば次の工程(研磨)ですぐに平らにすることができるので問題なし。

木玉の研磨方法

木のビーズを手で研磨すると時間と労力がかかるため、アイスピック状のようなものをドリルドライバー等のチャックにくわえさせて、それをビーズの穴に差し込んで高速回転させながらサンドペーパーにあてがうと効率よく研磨することができた。ここでは釘の頭を飛ばしたものを使用。

木玉(ウッドビーズ) 研磨方法

家にあるもので最適だったのがテーパー状の下穴錐であった。佛珠刀で加工した木玉には直径2mmの穴があくため、テーパー状になった3mmの下穴錐が最適であった。また、各サイズの下穴錐を持っていると、既存の穴を綺麗に広げることも可能であった。
https://amzn.to/2XFLZfY

木玉研磨機

自動化したい場合は横回転するサンドペーパーを筒で囲い、その筒の中に木球を投入すると約1時間ほどで研磨することができた。筒の中にサンドペーパーを貼ることで研磨効率が大きく向上。動画ではポリッシャー(PE-201)に125mmのサンドペーパーを着脱できる(125mmのラバーパット-M16ネジ)を装着。筒は換気用塩ビパイプ(内径100mm)を利用。

研磨#60

上写真はサンドペーパー粒度#60、回転スピード3(1,150min-1)で約30分研磨したもの。目についたバリは一掃できている。
ぱっと見わかりにくいが、この段階の形状は真球と楕円に見えるが、微妙に左右対称でない形状になっているものが発生。投入量・回転スピード・部分的な硬さの違い・天井の高さのどれかが関係していると考えられる。個人的に気にならないが原因が分かれば追記したい。

研磨#400

上写真はサンドペーパー粒度#400、回転スピード3(1,150min-1)で約30分研磨したもの。#60で研磨した粗い表面はゆで卵のように滑らかになった。

ウッドビーズ 塗装

オイルステインで染めて乾燥させた後、ウレタンニスに漬けて塗膜を張ってみた。この工程は面倒なうえ手間がかかるため、着色したい場合はあらかじめ色のついた木(ウォールナット等)を加工したほうがよきかと思った。また、塗膜を張る場合も爪楊枝に刺した木球を一列に並べてスプレーで吹き付けたほうが手っ取り早かったと後悔。ナチュラルに仕上げたい場合は、蜜蝋や透明のオイル塗料のみでよいだろう。

追記:蜜蝋のようなワックスだけを塗ってナチュラルな仕上がりにする場合は、ニードルのようなものに差し込んで、凹凸のある食器スポンジで塗装すると効率的だった。動画ではドリルドライバーに取り付けた下穴錐(3mm)にビーズを差し込んで、高速回転させながら蜜蝋を塗布したスポンジで塗っている。
ワックス塗装を自動化する場合は、前述したポリッシャーにワックスを塗布したフェルトバフを装着して、その上で木玉を回転させて転がせればうまく塗れるかもしれない?

ウッドビーズ 手作り

ウレタンニスを3度塗りしたもの。さらに光沢をだす場合はコンパウンドやワックス等で磨くとよいだろう。

ブレスレット用のゴム紐(水晶の線)

ウッドビーズ同士を繋ぐ紐は伸び縮みするブレスレット用のゴム紐(水晶の線)を使用。小さくした結び目と紐の端を木の穴の中に入れれば、結び目が隠れて目立つことはない(手首より少し大きめに作ったほうが結び目がでにくかったです)。結び方はこちらのサイトを参考。

ウッドビーズ - ブレスレットのハンドメイド

ウッドビーズ - ブレスレットのハンドメイド

8~10mmの佛珠刀が1,000円以下で販売されているので、ウッド製品のブレスレットやネックレス等が好きな人にはおすすめのビットである。また、端材からでも作品を作ることができるので、端材がもったいなくて捨てられない人にぜひおすすめしたい。高価な堅木も端材だと価格がぐっと下がるため、いい木でブレスレットを1つ作れば簡単に元をとることもできるだろう。塗装が面倒だったので、次回は色のついたウォールナット等で作ってまた追記したい。
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追記で作ったもの

佛珠刀で作ったブナのブレスレット

ブナ(橅/椈)の端材でつくったウッドビーズ

ブナは硬いもの物にぶつけても凹まない硬さだけでなく、曲げても割れにくい粘りを兼ね備えた広葉樹。悟空が瞬間移動する際にでるエフェクトのような短い縞(語彙力)が入っているが、板目から加工して糸に通すと縞が目立たなくなった。好みによっては木口面から加工したほうがよいのかもしれない。

杉・檜・松のような針葉樹と違い、表面は硬くて傷が入りにくいため、硬化するような塗膜を張る必要はないと感じた。写真は蜜蝋を塗って木目を引き立てたのみでナチュラルな感じに仕上げている。

10mmの佛珠刀で9mmの板を加工したため、コケシさんの頭のような形状になった。ちなみに、ブナだとポリッシャーで自動研磨しても、歪な形状に変化しなかった。自動研磨で変形するのは木の硬さが原因なのかもしれない。
佛珠刀で作ったウォールナットのブレスレット(ハンドメイド)

ウォールナットの端材でつくったウッドビーズ

ウォールナットは塗装をしていないのにも関わらず、色が茶色に染まっており人気が非常に高い広葉樹。やはり、最初に染めた針葉樹(SPF)と違い、天然色で重量感があるため高級感が増した感じがした。白木、天然石、金属のビーズなどを混ぜるとおもしろい仕上がりになるかもしれない。

3つ目のブレスレットを作って気づいたことだが、自分が持っている10mmの数珠等で丸い球を作ろうとした場合、12mmの厚みが必要になるのだが、写真5番目のAように形が少し楕円形の仕上がりになってしまうようだ。そこで、厚みを10mmにして加工すると、Bのように上面と底面が平になった木球になるのだが、この形状を自動研磨機に放り込むと真球に近い状態となった。

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この記事の動画は上のYoutubeからどうぞ。ビーズの研磨を自動化したい場合は、下記の記事も参考にして頂ければ幸いです。

木球 自動研磨機の土台を改良-粉塵対策版(ビーズ/レジン 球体/ひのきチップ)
先月、作った土台にポリッシャーを固定して、一度に大量のウッドチップを研磨すると粉じんが大 量に拡散されてしまう問題が発生したため、粉じんが飛散しないようにポリッシャー本体とパットを隔離した土台に改良した。粉じんが飛散すると、床だけでなく周辺...

コメント

  1. R より:

    アクセサリー作家をしている者です。
    以前から球体を使いたく調べておりましたが筆者さんと同じく旋盤が必須でハードルが高く諦めておりました。
    今日たまたまブログに辿り着いた次第でとても喜んでいます。笑
    早速Amazonで注文し届き次第こちらを参考に作業してみたいと思います。ありがとうございます!

  2. R より:

    お返事ありがとうございます!
    ビットが届いたので動画も拝見し加工してみました。
    普通に球体を作るのは割と綺麗に出来たのですが穴なしで作ろうとした場合どうしても左右がずれてしまい失敗します…何か良い方法はありますでしょうか?

    ボール盤を使用しており中心のドリルを外すとセンターがわからなくなる為、押さえの板と木材に直線を引き、合わせることで位置決めをしていますが若干ずれてしまう感じです。(広葉樹が硬いせいでクランプで固定してもかなり衝撃が来るので刃が持っていかれてる可能性もあるかもしれませんが…)

    • diy_tool より:

      こんばんは、随分速い到着でしたね!
      ビットの位置を固定できるドリルスタンドやボール盤があれば、表からあけても裏からあけても同じ箇所に穴が開くガイドを作れば穴のない真球を作ることは可能です。
      明日か月曜日までに分かりやすく動画で説明したものをYoutubeにあげておきます!

    • diy_tool より:

      遅くなってしまい申し訳ありません。
      動画リンクです。
      また、ご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください!

      回答用動画
      https://youtu.be/nytXp1osHjY
      回答用記事
      https://diytool.biz/wooden-ball-without-hole.html

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