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球体レジンのバリ取り研磨とポリッシングを自動化(レジン自動研磨機)

球体のワークの研磨自動化

以前の作ったものは机の脚にポリッシャーをクランプで固定していたため、サンドペーパーの交換にちょっとした一手間がかかったり、使用中に本体が傾いたりすることがありました。また、塩ビ管も机の脚にネジ止めしていたため、塩ビ管の交換がうんざりするほど面倒くさかったです。
質問:木球のバリ取りと研磨を自動化する方法
木を球状にくり抜く先端ビット(佛珠刀)で、硬い樹脂や柔らかい樹脂を加工した際に発生するバリやカエリを1つひとつ除去していると手間がかかるため、以前ブログで紹介した「バレル研磨機で木の面取り・バリ取り・研磨ができるのか検証してみた」の方法でバ...

レジン自動研磨機(土台)

今回はポリッシャー(PE-201)と塩ビ管を簡単に固定できる土台を作ってみました。上に固定している塩ビ管を簡単に取り外すことができるようになったため、サンドペーパーや塩ビ管の交換がストレスフリーになりました。使用頻度が高い場合は土台を作ることをおすすめします。
土台に使用している材料は2×4材(38mm x 89mm)の廃材です。ホームセンターですと、長さが6フィートのものが300円前後で販売されています。インパクトドライバーを使い、木材同士をコーススレッドで接合していますが、電動工具がない場合は玄能や金槌があれば釘で接合することも可能です。

125mm 丸形サンドペーパー

ポリッシャーにはファスナー付きラバーパットの125mm経を装着しています。60mm~150mmのパットもありますが、125mmは一般的なサイズなので、色んな番手のサンドペーパーが入手しやすいです。丸形のサンドペーパー(125mm)は色々な番手がセットになったものを購入し、用途にあった番手を見つけ出し、同じ番手がセットになったものを購入したほうが経済的です。

塩ビ管

ドラムは内径100mmの「換気用 塩ビパイプ」を利用しています。モノタロウで購入したもを半分に切断して使用しています。バリを除去する工程では研磨効率を向上させるために、塩ビ管の内壁部にサンドペーパーを両面テープで貼り付けます。番手を上げて磨く工程では周りにサンドペーパーを貼らなくても問題ありませんでした。用途に応じて塩ビ管を交換するので、2~3個あると便利でした。

球体レジンのバリ除去

シリコンの型を利用し、添付された写真と同じ様なバリのあるレジンの球体を作りました。左右の2つは傘のみ、真ん中の2つは傘の下に円柱状の足がついています。下の2つは表面の仕上がりの比較用として用意しています。

レジンのバリ取り(#400)

回転速度スピード2(900min-1)、#400のサンドペーパーでバリ取りした場合、傘の部分は30分程度で全て除去することができました。#100以下の研磨でついた傷を消すのに手間と時間がかかるため、#240以上のサンドペーパーでバリを研削することをおすすめします。脆いバリであれば#400から始めても問題なさそうでした。
レジンのバリ取り(#400)
傘の部分は約30分ほどであらかた研削することができましたが、足の部分を研削して平らにするのに約200分もかかりました。このため、時間がかかるような頑固なバリの場合、#240から始めたほうがよいでしょう。ちなみに、#60だと全てのバリを除去するのに1時間もかかりませんでした。

レジンの研磨(#1000)

バリが除去できたら番手を徐々にあげていき、前工程でついた傷を除去していきます。#1,000以上からは2,000ずつほど上げても問題ないのではないでしょうか。今回はバリ取り(#400)→#800→#1500→#2000→#3000→#5000→#7000→#10000→まで研磨しましたが、無加工のものに比べると表面が曇った状態となりました。目詰まりしやすいので、水研ぎできれば仕上げ状態が変わっていたかもしれません。
バリ取り後の磨きの工程ではサンドペーパーを貼りつけていない塩ビ管を使用しました。スピード1(600min-1)で約10分ほど研磨しながら、番手を上げていきました。

ウールバフ 125mm(レジン光沢/鏡面磨き)

#10,000のサンドペーパーでは透明感や光沢感を出すことができなかったため、ウールバフ(125mm)を装着して磨くことにしました。ここで使用する塩ビ管の内壁部にはフェルトを貼り付けています。家具や床を保護するシール付きのフェルトシートを使用すれば、簡単に貼り付けることができました。

ピカールとウィルソンの番手

コンパウンドは家にあった鏡面仕上げ用のウィルソンを使いました。ウィルソンの研磨剤の粒度は0.5µmなので#10,000相当の番手になります。ちなみにピカールに添加されている研磨剤は3µmなので#4,000相当になります。
コンパウンドには青棒のような粘土状のタイプがありますが、固形の研磨剤ですとうまく磨くことができませんでした。油・水・溶剤等で溶いてある液体コンパウンドのほうが最適なようです。

レジン磨き(コンパウンド添加)

コンパウンドは最初に10~20滴ほどいれます。このまま放置して磨き続けてもすぐに乾いてしまって光沢を出すことができませんでした。5分ごとにコンパウンドを10滴ほど添加することで解消されました。そのうち研磨剤がバフやフェルトに付着するので、中盤から水を10滴ほど垂らしても問題ありませんでした。
水を垂らすのではなく効率よく噴霧できる「霧吹き」で吹き付けたほうが良かったかもしれません。水性のコンパウンドか同等の番手の研磨剤を混ぜておくとなお良いかもしれません。

レジン(コンパウンド/ピカール+ウィルソン)

1時間かけて#10,000相当の液体コンパウンドで磨くと、表面は透明度や光沢度のある仕上げになりました。青いものに関しては研磨していないものよりカメラがくっきり反射しているので、さらに時間をかけたり、番手の高いコンパウンドで磨くと仕上げ状態が向上するかもしれません。

ぶつかったトラブルと解決方法

サンドペーパーの目詰まり解消法

ベルトクリーナーの代用品

サンドペーパーの番手が高くなるほど目詰まりするスピードが早くなります。ベルトクリーナーを使えば回転するサンドペーパーの目詰まりを除去することができますが、研磨面の小さいディスクペーパー(125mm)だと消しゴムでも代用することができました。

ワークの形状が真円から楕円になる解消法

真円から楕円になる解決策

球状のレジンを回転させながら研磨していると、形が真円から楕円になることがありました。おそらくワークの量が少ないと、塩ビ管の底部(角)を延々と回転するため、同じところが研磨されることが原因かと考えられます。研磨するワークの量を増やすか、安価なウッドビーズなどを投入し、ランダムな動きをさせることで解消されると思います。(数回しか検証してないため確証が持てません)
球の軌道を変えるガイド
塩ビ管の内壁部に軌道を変えるガイドを固定することで、レジンの球が少量でも楕円形に変形させることなく研磨することができました。このガイドはワークの量が多い場合は不要です。

周辺の床や壁が汚れる解消法

囲い壁

ポリッシャーでレジンを研磨しているとポリッシャーの近くにある壁が粉塵で真っ白になり、研磨後の掃除が大変でした。粉塵が周辺の壁や床に飛散するのを防止するため、薄いベニア板などを土台の周りに貼り付けて囲いを作りました。

ワークに深い傷がつく解消法

クランプのアゴ

塩ビ管をビスで固定したり、アゴが金属製のクランプで塩ビ管を固定した場合、そこにワークがぶつかり深い傷がつくことがありました。アゴがゴム製のクランプで固定することで傷がつくことはなくなりました。ビスで固定する場合は皿取錐で皿取り加工したほうがよいでしょう。
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その他の質問

回転スピードは低速でバリを除去したり、磨いたりすることができたので、安価なDIY用の製品でも大丈夫です。ただし、安価なものは連続使用時間が短いモデルもあるので、選ぶ際に使用時間の仕様をご確認ください。個人的にはハードな使い方をしても耐久性が高いマキタ・ハイコーキ・リョービなどのプロ用モデルがおすすめです。記事で使用している「シングルアクションポリッシャー」の類似商品に「ダブルアクションポリッシャー」や「ランダムサンダー」という製品があるのでご注意ください。シングルアクションポリッシャーは回転運動のみで研磨しているのに対し、類似製品は回転運動と偏芯運動で研磨しているため、パットが回転しながら小刻みに振動します。


外径125mmのパット+内径100mmの塩ビ管の組み合わせで、10mmほどのワークを約100個ほど一度に研磨することができました。一度に200個ほどいけそうな感じですが、研磨時間が長くなるとワークが小さくなったり、変形することがああるので、荒削りする場合は注意が必要です。また、ワークの形状がキューブ状の場合、研磨量が多いとワークの流動が止まることがあったので、塩ビ管の内壁部に粗目のサンドペーパーを貼らないほうがよかったです。量産性を向上させたい場合は、150mmや180mmのパットを使用したほうがよいでしょう。
スピード123456
消費電力WWWWWW
電気代
1時間使用時

この記事の動画

管理人
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この記事の動画はこちらからどうぞ。なお、大量にワークを研磨した場合、粉じんの飛散が酷いので、防塵用の土台に改良しました(下記記事参照)。

木球 自動研磨機の土台を改良-粉塵対策版(ビーズ/レジン 球体/ひのきチップ)
先月、作った土台にポリッシャーを固定して、一度に大量のウッドチップを研磨すると粉じんが大 量に拡散されてしまう問題が発生したため、粉じんが飛散しないようにポリッシャー本体とパットを隔離した土台に改良した。粉じんが飛散すると、床だけでなく周辺...

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