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おがくずからオガライト作りに挑戦!コーキングガンを使った大鋸屑圧縮成形薪

オガライトの作り方 ブログ

コーキングガンでオガクズ成形薪を自作してみた

オガライトの作り方

ダンボール圧縮成形薪を作ったコーキングガンの動画で複数の視聴者の方々から「おがくずでも成形薪を作れるのか?」というご質問をいただきました。

確かに、木材加工時に発生するオガクズをうまく活用できれば、日常的に火を使う人やBBQを楽しむ人にとって、ちょっとした節約や資源の有効利用につながります。実際、市販されている成形薪の中には、大鋸屑やもみ殻を圧縮して作られた製品もあり、その有用性は広く知られています。

そこで今回は、DIYで使うコーキングガンを使って、オガクズから成形薪を自作する方法を試してみました。果たしてうまくいくのか?準備した材料や作り方、そして燃焼テストの結果まで、詳しくご紹介します。

オガクズのみで圧縮成形

無料+割安で入手できるオガクズ

オガクズ

検証では、材料としてマルノコで杉材を切断した際に発生したオガクズを使用しました。使用するオガクズは微小なタイプでありますが、粒径が不揃いであり、微粉末状の粒子や木片を含んでいましたが、選別やふるい分けは行わずにそのまま使用しました。

オガクズは丸太を加工する製材所において副産物として大量に発生し、会社によっては無料で入手可能な場合も多いです。実際、製材所の多くはこれを畜産業者などに提供している事例も一般的であり、入手性はもみ殻や米ぬかなどと同様に比較的高いといえます。

オガクズ単体での成形の課題

オガクズ圧縮成形薪(乾燥時)

成形時の結着性を維持するため、これに水道水を加えて材料が均一な湿潤状態となるまで混練しました。加水量は定量的に測定せず、手で握った際に崩れない程度の含水状態を目安としました。具体的には、握った際にある程度の形状を保ちつつも、水分が手から少し滴下する状態です。

オガクズのみだと圧縮自体は可能であったものの、成形後の取り出し時に形状が崩れやすく、さらに乾燥過程においてもひび割れが発生しやすかったです。乾燥後も脆弱な状態は改善されず、使用に耐える強度を得ることは難しかったです。

結着力を高める液体の選択肢と可能性

結着力を高める液体

ただし、今回は加水に水道水を使用しましたが、水道水ではなく、結着力を高める性質を持った別の液体を使用した場合には、成形物の安定性や強度に顕著な違いが生じる可能性があります。

たとえば、デンプンを溶かした溶液や接着剤の成分を含む液体など、素材により強固な結着性をもたらす液体を利用することで、乾燥後の成形物がより丈夫になり、取り扱い時の破損リスクを抑える効果が期待できます。

強い加圧力で成形密度や強度が向上する可能性

工具 加圧力
コーキングガン 1.2kN~?
電動コーキングガン 3~5kN
パンタグラフジャッキ 10 kN〜20 kN
油圧ジャッキ 20 kN〜40 kN

その他に、今回使用したコーキングガンはTajima製ですが、押出力(加圧力)はメーカーから公表されていません。ただし、構造はバークランプと同様で、金属製プレートがバーを噛み、レバーを引くたびに押し棒が前進する送り機構になっています。

他社のDIY向けコーキングガンでは押出力が1.2〜1.5kNと開示されている製品があります。この1.2〜1.5kNは、体重およそ120〜150kgの人が真上から乗ったときにかかる力に相当し、手動工具としてはあなどれない力を持っています。

マキタ製の電動コーキングガンには押出力5kNのモデルもあり、約500kgの荷重に匹敵します。さらに、パンタグラフジャッキは多くが1t(約10kN)を超える荷重に対応しています。これら強い加圧力を発生させられる道具や装置を使えば、成形密度や強度が大きく向上する可能性があります。

ただし、今回の型枠としている塩ビ管は、軸方向(真っ直ぐ)の圧縮荷重には比較的耐えられるものの、わずかでも力が斜め方向にずれると曲げ応力が発生し、破損や割れが生じるおそれがあります。高い押出力のものを試す際は、荷重が常に軸方向にかかる設計とともに、型枠の強度と安全性を十分に確認する必要があります。

小麦粉つなぎの効果と添加割合

小麦粉を添加したオガクズ圧縮成形薪

手動のコーキングガンで成形を行った際、成形後の取り出し時や乾燥後に形状が崩れやすいという問題を解消するため、食品のつなぎ材(結着剤)として一般に知られる小麦粉を、おがくず全体の1〜2割程度添加して圧縮を行いました。

おがくず:小麦粉=10:1

その結果、おがくずと小麦粉を10:1の割合で混合した場合、圧縮直後はやや脆く、乱雑に扱うと破損するおそれがありましたが、丁重に取り扱えば問題なく型から取り出すことができました。乾燥後はひび割れが若干見られるものの、腰の高さから落下させたり、ハンマーで軽く叩いても形が崩れない程度の強度が得られました。

おがくず:小麦粉=10:2

さらに、小麦粉の割合を10:2とした混合比では、湿潤状態でも粘着力と弾力性が高まり、成形後の取り出し時の崩れがほとんど発生しなくなりました。乾燥工程中もひび割れが発生しにくく、作業性・取り扱い性とともに大きく向上しました。

コスト面での課題

ただし、高騰している食品のつなぎ材はコストの面でも継続的な使用には適しません。また、本来の目的である「廃材を活用した成形薪の製作」という趣旨からも外れます。そこで今回は、ダンボールや新聞紙、そして、無料でもらえることが多い米ぬかを使って、つなぎとして試してみることにしました。

ダンボールをつなぎにした結果

ダンボールをつなぎにしたオガクズ圧縮成形薪

まず、ダンボールについては、シュレッダーで細かくした後にペイントミキサーでしっかり混ぜて、ドロドロの状態にしてから加えてみました。成形後の取り出し時も崩れにくく、何度か床に落としてみても、ある程度までは耐えてくれました。最終的にはひび割れましたが、つなぎとしての結着力や入手面を考えるとかなり優秀な材料だと感じました。

新聞紙をつなぎにした結果

新聞紙をつなぎにしたオガクズ圧縮成形薪

次に新聞紙です。こちらはシュレッダーで裁断したものを1日水につけた状態でおがくずと混ぜて使いましたが、成形後の取り出しでも大きく崩れることはありませんでした。高いところから何度か落とすと割れてしまいましたが、つなぎとしての機能は十分ありそうです。ダンボールと同じようにドロドロにしてから混ぜていれば、もう少し高い結合力が出たかもしれません。ただ、最近は新聞を取っていない家庭も増えていて、入手しづらくなっている点が少しネックです。

米ぬかをつなぎにした結果

米ぬかをつなぎにしたオガクズ圧縮成形薪

最後に米ぬかです。こちらは成形後の取り出し自体はスムーズで、見た目もそれなりに整っていましたが、少しの衝撃でもすぐに割れてしまうほど脆く、結着剤としては向いていませんでした。割合を増やしても結果は同じで、密着性や強度の改善にはつながりませんでした。

さらに、乾燥中にはぬか床のような臭いが発生し、それに引き寄せられたコバエが集まるという問題も見られました。

米ぬかで圧縮成形薪

米ぬかのみでも圧縮してみましたが、圧縮時に排水穴から水分がにじみ出るのではなく、水分を多く含んだ米ぬかそのものが押し出されるように排出されました。

つなぎ材の適性を判断するポイント

つなぎ材の適性を判断するポイント

つなぎ材として使えるかどうかは、少量の水を加えて十分に練った混合物を利き手で強く握ったときに崩れずにまとまるかどうかを確認することが有効だと感じました。このとき、ある程度固くなり、形を保てるようであれば、コーキングガンを用いた圧縮成形薪の製作においてつなぎ材として使える可能性が高いです。

つなぎ材に適さない特徴

一方、握った際にオガクズの様にボロボロと崩れやすい場合や、米ぬかの様に形が整いにくい場合は、結着力が不足してしまい、コーキングガンを用いた圧縮成形のつなぎ材としては適しませんでした。むしろコーキングガンでそのような素材を使い薪をつくる場合は、結着力を補うためのつなぎ材を加える必要がありました。

乾燥時間

ダンボールをつなぎとしたオガクズ圧縮成形薪

ダンボールをつなぎとしたオガクズ圧縮成形薪は、乾燥時間は天候や湿度によって変わりますが、7~10日ほどで乾燥しました。乾燥後の大鋸屑成形薪は、高いところから落としても割れないほど頑丈です。

手で割ることができる圧縮成形薪

しかし、手で割ることができる程度の硬さなので、使用するストーブのサイズに合わせて使いやすい長さに調整できるのも便利です。

燃焼テスト

有炎燃焼時間

七輪の炭の熾火状態に投入して燃焼を試したところ、約15分ほど炎をあげて燃え続けました。小型のストーブで使用した場合、新しい薪を15分間くべる必要がないメリットは大きいです。ちなみに、七輪用ゴトクの上に鉄板を敷けば、煤の付着を対策しながら鍋料理や湯沸かしが可能です。ちなみに、日常で火を使用すると効率重視になるので、送風式ストーブのほうが出番が多くなりました。

無炎燃焼時間

その後は炎が落ち着き、芯の部分が赤く燃え続ける状態が30分ほど続きました。木炭ほど熾き火の状態は長く続きませんが、毎日焚き火で調理をしていると、すぐにとろ火や鎮火させたいことがあるので、木と木炭のあいだのような特徴を持った燃焼をする圧縮成形薪は調理で使いやすいと感じました。

成形薪単体での焚き付けの難しさ

材料を強く圧縮すると、繊維の隙間がほとんどなくなり、内部まで空気が入りにくくなります。燃焼には酸素が必要ですが、それが届かないため単体では火がつきにくくなります。中止に穴をあけても単体で長時間燃やすことはできなかったので、成形薪単体ですぐに火をつけたい場合は、廃油で湿潤させてから圧縮させたほうがよいかもしれません。

また、廃油を加えて圧縮した成形薪の燃焼テストも試してみたいと考えています。

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