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砂壁や繊維壁にネジを効かせる方法

石膏ボードだけじゃなく砂壁にもビスを揉みたい

砂壁や繊維壁にネジを効かせる方法
ネット上では石膏ボードにビスを打つ方法が記載された記事は無数に存在する一方、和室にある砂壁や繊維壁などの土壁にビスを打つ方法を紹介した記事が1つもないようだ。

代わりにヒットするページは「砂壁に棚をつけたいというトピック」が掲載されたQ&Aサイトで質問者が望んでいる回答は得られていないようであった。

今回、自分も実家の砂壁に棚を設けて収納場所を増やそうと考えているので、砂壁にビスを効かせられる方法を模索してみた。

砂壁の厚み
まず砂壁の破片を見るとラスボードの上にモルタルを塗って、その上に砂壁を薄く塗っているようだ。壁と壁のあいだは空洞になっており、奥行きは55~65mmほどあった。中には石膏ボードの壁と同じように木の下地が見られたが、ビスを打ちたい場所には下地がなかった。

当初、石膏ボード用のアンカーを使用してビスを打とうかと思ったが、砂壁があまりにもろいので失敗すると思い断念した。また、一般的な石膏ボード用のアンカーは振動に弱いため、衝撃や振動が加わるようなものを取り付けると周りの壁が崩れやすい欠点も存在する。

砂壁にも対応しそうな商品(どこでも下地シリーズ-スピードミニ)を見つけるまき

どこでも下地 スピードミニ10 パッケージ

スピードミニの特徴
  • 石膏ボード用アンカーと違いビスが効く壁を作れる
  • 石膏ボード用アンカーと違い吸湿性がある材料すべてに対応
  • 石膏ボード用アンカーと違い壁と一体化するから重さや振動に強い
  • 石膏ボード用アンカーと違いネジの太さを選ばない
  • 石膏ボード用アンカーと違い穴が大きくなっても修正できる
  • 欠点:ビスを打てるまでに時間がかかる(最長2時間)

色々な種類の石膏ボード用のアンカーを調べていて、いちばん気になったものが高島株式会社さんが販売しているどこでも下地シリーズの[スピード・ミニ]という商品。

この商品は水と反応して硬化する「湿気硬化形一液性ポリウレタン」を染み込ませたスポンジを穴に差し込むとカチカチに固まるため、失敗する可能性が低い+穴が広がって失敗してもやり直しができる優れもの。

さらには、石膏ボードに含んでいるようなわずかな水分にも反応して硬化するため、カチカチに固まったスポンジと壁が一体化することで、金属や樹脂製の石膏ボード用アンカーが苦手な振動にも強い特長を持つ。

もちろん砂壁や下に隠れている土・モルタル・ラスボードといった原料も吸湿性を持ち水分を含んでいるため、石膏ボードと同じようにスポンジと壁が一体化して強固にビスを揉むことができると確信したのだ。

どこでも下地シリーズのラインナップと選び方

どこでも下地シリーズ スピードミニの種類と選び方

どこでも下地シリーズの種類

どこでも下地シリーズには現在上記の5種類の商品がラインナップされている。

各「スピード・ミニ」の違いは液(1液湿気硬化型ポリウレタン)の量に違いがあり、6mlと15mlと30mlの3種類が用意されており、穴をあける必要数に応じた量のものを選びたい。今回使用したスピードミニ10はガラスの容器に入っており長期保管することが可能。10枚のスポンジが付属されているがキッチンスポンジでも代用することもできるので失敗しても安心。

スピード・ミニはポリウレタンを使用しており、石膏ボード用アンカーと違いスポンジが硬化するの時間がかかるため、すぐにビスを打つことができない欠点が存在する。納期がないDIYであればスピードミニが適しているが、例えば一日に何台もエアコンを部屋に取りつける仕事だと石膏ボードアンカーと1液湿気硬化型ポリウレタンを併用した「完璧ネジロック」のほうが最適。

どこでも「下地 標準セット」は壁にホールソーで大きな穴をあけて、壁の中空部分に大きなスポンジを配置して1液湿気硬化型ポリウレタンで固めるため、強度を必要とする長い手すりや大型のTVの固定に向いている。「スピード・ミニ」や「完璧ネジロック」でも手すりやTVの固定はできるが、強度の弱い壁だったり、高い重量や負荷があるものを取り付ける場合は最強度を誇る「下地 標準セット」が最適。

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失敗しないスピードミニの使用方法

錐で下穴

1.プラスドライバーで穴をあけるため(後述)、印をした場所にあらかじめ下穴をあけておく。下穴をあけておかないと穴をあける際に位置ずれが起こりやすいからだ。ドリルドライバー等にドリルビットをつければ手より簡単にあけることが可能。砂壁の下地はもろいため振動ドリルは不要であった。

ドライバーで穴開け

2.プラスドライバーで穴をあける。パッケージには8mm~10mmの穴をあけると記載されているが、手で穴をあけると周りがボロボロと崩れて少し広い穴が開くため、プラスドライバーを使用したほうがよい(一般的なプラスドライバーの軸経は6mmである)。ドリルドライバー等を使用する場合は8mmのコンクリート用ドリルビットで穴をあけるとよいだろう。8mm前後が最適なのは、ここに3.3のスリムビスや3.8mmのコーススレッドを打つからである。また最低穴経が8mmないとスポンジをうまく差し込めないからでもある。
スピードミニは少々穴が大きくなっても壁を固めることができるうえ、キッチンスポンジで代用することができる。このため、一般的な石膏ボード用のアンカーの取り付けで失敗をして広がった穴にも対応する。

スポンジを固く絞る

3.付属されているスポンジを水に浸して固く絞る。スピードミニで使用されている1液湿気硬化型ポリウレタンはわずかな湿気で硬化するため、スポンジは水滴が落ちないくらいに固く絞って問題ない。逆に水をきちんと絞らないと1液湿気硬化型ポリウレタンがスポンジ全体に染み込まないうえ、硬化時間が遅れるので失敗に繋がりやすい。

スポンジを差し込む

パッケージ裏には爪楊枝にスポンジを巻き穴に入れると記載されているが、その方法だと8mmの穴ではスカスカになるうえ、液を奥に注入しづらいので、スポンジを2つに折って爪楊枝を使って穴に入れたほうが失敗がなかった。ただし、壁の中空部分にも壁を作ったほうが強度が高まるので、図①のようにスポンジをまっすぐの状態にして差し込むことと、少しでも奥に差し込むためにスポンジの頭②は10mmではなく5mmほどだしたほうがよいだろう。

1液湿気硬化型ポリウレタンの注入

液(1液湿気硬化型ポリウレタン)を付属されているスポイトを使って、スポンジの奥と手間に液を注入する。注入後、穴の外周に沿ってスポイトをぐるぐると回すとスポンジ全体に液が浸透し、スポンジ全体がきちんと硬化しやすい。
付属されている樹脂製のスポイトを使いまわしてると中で液が硬化したり詰まったりするため使い物にならなくなった。1~2回の使用で液を使い切る場合は問題ないが、日を改めて何度も使用する場合は、硬化して詰まったノズルを貫通させる1mmくらいの針が必要である。ちなみに、電動ドライバーにビットを取り付けて穴をあけてたら熱でノズルがもげて予備のスポイトを買う羽目にあった。

液を左右に注入

1液湿気硬化型ポリウレタンは砂壁が吸っている水分にも反応して硬化するため、スポンジをよせて穴の周りにも液を注入することでスポンジと壁が一体化して強度が向上する。また、金属や樹脂の石膏ボードアンカーだと周りの壁がボロボロと崩れやすいため、振動に弱く壁に衝撃が加わるような物の固定は不向きだが、スピードミニは壁と一体化するため振動にも強いコピーを打っている。パッケージでは1本で35kgの重さでも大丈夫と記載されているが、実際の試験では60kg以上まで耐えたという。

スポンジ頭の切断

40分後に壁からでているスポンジの頭をカッターで切断する。カッターは壁に沿わせながら切るとまっすぐに切りやすい。傷がついてしまうような壁の場合は、紙を壁の上に敷いて切るとよいだろう。完全に硬化してもカッターで切断することは可能だが、カチカチに固まるのでまっすぐに切りにくい。

ビスを揉む

スポンジが硬化したら壁に取り付けたいものビスで固定する。ポリウレタンが硬化する時間は気温によって左右し、スポンジをカットしてから夏で40分以上・冬で90分以上を要する。ポリウレタンにして硬化時間が早いものの、不安であれば1日放置させて完全に硬化させたほうがよいだろう。硬化したスポンジは樫木のようにカチカチに硬くなるが、スリムビス(呼び経3.3mm)やコーススレッド(呼び経3.8mm)を打つ場合下穴はあけなくても問題なかった。

スピードミニの強度ってどれくらいあるの?

スピードミニ 耐荷重

壁と一体化してるから10歳の子供の重さに耐える耐荷重

パッケージには「最大引き抜き加重」と「せん断」を記載しており、最大引き抜き加重は一般的な石膏ボード用アンカーと同等であるが、「せん断」に関しては2倍以上の強度がある。せん断とはざっくりまとめると下方向に力を加えた場合の負荷なので、ビス一本で35kgの錘をぶらさげても耐えられる強度となる。
ただし、せん断試験35kgとは余裕を持った数値であり、メーカーのせん断試験では60kgまで耐えたとのこと。この試験では恐らく石膏ボードを使用しており、石膏ボードより脆そうな砂壁だと同等の負荷に耐えられないかもしれないので、硬化したスポンジにビスを10kgの錘をぶらさげたがスポンジはびくともしなかった。

スピードミニ 振動

壁と一体化してるから振動や衝撃にも強い

一般的な石膏ボード用アンカーは樹脂や金属製のアンカーを壁に差し込んでいるだけなので、掛け時や額縁のような静荷重には適しているが、頻繁に振動や衝撃が加わる動荷重を固定した場合、どうしても周りの壁がボロボロと崩れてくる欠点が存在。
スピードミニは壁と一体化して硬化するため、頻繁に物を置いたり・取ったりするような頻度の高い棚にも最適。シリーズ最強度のどこでも下地 標準セットを使用すれば、長い手すりや大型のテレビなどもしっかり固定できるという。
振動して木を研磨するサンダーをぶらさげてスイッチを入れてみたが、壁と硬化して一体化しているため、スポンジが動いて抜けたり、穴の周りの壁が崩れることはなかった。家で頻繁に使用するコードレスクリナーの壁掛けブラケットの固定にもアンカーよりスピードミニのほうが適していると感じた。

砂壁に収納できる棚をつくるまき

どこでも下地で砂壁に棚を作る

ちなみに自分は廊下の砂壁の両サイドに板を打ちつけて棚板を設置できるようにし、収納スペースを増やす用途でスピードミニを利用。棚板は100円ショップに販売されているワイヤーメッシュだと少しでも重たいものを置くとしなるので、家にあった1,000円ほどで購入したつっぱり棚をのせているが、数を揃えると予算がかかるので端材でしならない棚を作ろうと考えている。

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