木製ケーブルドラムを分解
ケーブルドラムは、電線や通信ケーブルを巻き取るために使われる大型の巻き取り器です。今回は作業台にしていた木製のケーブルドラムを分解したので、その構造を観察して作り方を解説します。工場や倉庫で見かけることの多いこの道具は意外とシンプルな作りをしていました。
今回分解したのは、木製フランジ(円板部分)と木製ドラムコア(中央の筒部分)で構成された一般的なタイプです。全体は3本の長尺ボルトとナットで固定され、特寸の平ワッシャーがボルトの両端に使われていました。
丸い「つば板」は、松の無垢材で二段構造になっていました。合板のように強度を高めるためなのか、2層の繊維の方向を90度ずつ直交させ、鉄砲(釘打ち機)で打ち付けられて固定されています。
上下の繊維方向を90度変えることで、幅の揃った平たい角材(野地板・貫板など)を複数並べて作った板同士を、ビスや釘だけで容易に二層構造として固定できることがわかり、学ぶものもありました。
同じ構造の「つば板」を作る場合、いきなり円形にカットした板を何枚も重ねるのは効率が悪く、材料のロスも大きいため、おそらく長方形の板材を重ね合わせてから、円形状に切断されていると考えられます。
サイドの「つば板」の裏面には、ルーターで円形の溝が掘られていました。
この円形の溝に幅(60mm)が狭い厚さ15mmの桐角材がはめ込まれていました。
桐の角材は反らして溝にはめ込んでいるのではなく、幅の狭い角材の角を丸く、大げさに言えばかまぼこ状に加工し、溝にぴったり収まるように取り付けられていました。機械で加工されていると思いますが、鉋が使えればこの程度の加工は容易です。
ケーブルドラムの組み立て方(簡易)
つば板の作成
長方形の薄い角材を繊維方向を変えて二段に重ね、釘やビスなどで固定します。これをジグソーやトリマー・ルーターなどを使って円状に切り出し、トリマーやルーターなどで裏面に円形の溝を掘ります。
桐角材の取り付け
幅の狭い角材を角を丸く削って(かまぼこ状に)加工し、溝にぴったりはめ込みます。
ドラムコアの作成
中央の筒部分を板材で組み、強度を確保します。
組み立て
両側のつば板とドラムコアを合わせ、長尺ボルトを通して金属ワッシャーとナットでしっかり固定します。
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