回転バレル研磨機:レジンの面取りと光沢仕上の検証備忘録

レジン1液(回転バレル研磨-鏡面-斜め) ブログ

回転バレル研磨機:レジンの面取りと光沢仕上の検証備忘録

工程 メディア 研磨剤 研磨時間
粗仕上 三角形状(10~12mm) 褐色溶融アルミナ #120 ④以上の透明度にする必要あり
光沢仕上 球状(Φ6mm前後) FX-06 2~3日
鏡面仕上 竹チップ ピカールネオ 3日
管理人
管理人

YouTubeにアップロードした動画(小型の回転バレル研磨機でアクリル樹脂の面取り→光沢仕上げ)に「回転バレル研磨機でエポキシ樹脂を透明にすることができない。」というコメントを頂いたので、自分が持っているメディアやコンパウンドの組み合わせで最適なレシピを模索してみました(現在進行系)。

検証の結果、面取りから鏡面仕上げに加工する場合は、上記のメディアと研磨剤の組み合わせが最適でした(アクリルも同じレシピで面取りから鏡面にすることができます)。マス量・水量・スピード・時間も仕上がり状態に大きく左右するので、備忘録のレシピを参考にしてください。

荒仕上げの工程で、工作物の角に丸みがつきすぎる場合は、中仕上げ用メディアの使用をオススメします。

現在は、バフ研磨の透明度に匹敵するレシピを模索しており、さらによい組み合わせがあれば追記したいです。時間と手間がかかるので、すぐに更新できないかもしれません(申し訳ありません)。

KT-2000:仕上がりの記録とレシピ(2022年5月)備忘録

鏡面仕上げ

KT-2000(鏡面仕上/竹チップ緑色炭化けい素 #10,000)

メディア 竹チップ(椿油添加)
マス量 1/2
研磨剤 緑色炭化けい素 #10,000
10g
研磨時間 1~4日
回転速度 1

さらなる高い透明度を求めるため、竹チップに新潟精機のポリッシングパウダー(#10,000) +椿油を添加した自作メディアで実施したところ、竹チップに#4,000相当のピカールネオを添加して作った鏡面用メディアの仕上げより曇ってしまう結果となった。

ピカールの研磨剤がアルミナなのに対して、新潟精機のポリッシングパウダーの研磨剤は緑色炭化けい素(グリーンカーボランダム)が使用されているので、研磨剤の硬度に原因があったのかもしれない。ちなみに柔らかい銅も同様に表面が曇ったが、硬いステンレスは鏡面になったので、硬い素材のワークに適しているかもしれない。

KT-2000:仕上がりの記録とレシピ(2022年5月)備忘録

粗仕上-中仕上

KT-2000(レジンキューブ/光沢仕上)

メディア 粗研磨用(三角形状)
10×10×8(mm)
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 褐色溶融アルミナ #120
大さじ2
研磨時間 1~7
回転速度 1

KT2000で研磨剤の量以外は「KT-6808:仕上がりの記録とレシピ(2022年4月)」と同じレシピで実施。やはり、マス表層部に形成される流動層が長いので、小型のKT6808より研磨能率が早い結果となった。

水や研磨剤を交換せずに7日間回してみたが、4日目の透明度で次の工程(光沢仕上)に進めそうな感じ。①:1日目/②:2日目/③:3日目/④:4日目/⑤:5日目/⑥:6日目/⑦:7日目/一番右:研磨前

光沢仕上げ

メディア 光沢仕上用(球状)
Φ5(mm)
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 FX-06
大さじ2
研磨時間 2
回転速度 0.8

写真を撮り忘れたが、透明度は前工程の7日目の表面アラサとあまり変わらなかった。

鏡面仕上げ

KT-2000(レジンキューブ/鏡面仕上/くるみ&竹チップ)

 

メディア くるみの外殻(ビバリア)
竹チップ(竹割箸)
割合:1:1
マス量 1/2
研磨剤 ピカールネオ #4,000
内壁に張りつかない程度
研磨時間 3日
回転速度 0.8

KT-6808(2022年4月)の鏡面仕上げと同等の透明度に仕上がった。しかし、加工前の表面と比べると、若干曇りがある表面アラサとなった。

KT-2000(鏡面仕上/竹チップ)1

メディア 竹チップ(竹割箸)
マス量 1/2
研磨剤 ピカールネオ #4,000
内壁に張りつかない程度
研磨時間 3日
回転速度 0.8

さらに竹チップのみで磨いたところ、写真ではわかりにくいが、くるみと竹チップを混合したものより、透明度が少し増した。ただし、未加工の透明度にはまだとどかない状態。

管理人
管理人

追記:研磨剤の粒度を5桁にあげても、透明度をあげることはできませんでした。傷が消せないということは、粗仕上~中仕上で選定しているメディアや研磨剤に問題があるのかもしれませぬ(なにかわかれば追記したい)。

KT-6808:仕上がりの記録とレシピ(2022年4月)備忘録

KT-6808(バレル研磨機)

粗仕上-中仕上

レジン-バレル研磨(粗仕上-中仕上)

Youtube-動画アイコン動画で視聴
⑪:1日目/⑫:2日目/⑬:3日目/⑭:4日目/⑮:5日目

メディア 粗研磨用(三角形状)
10×10×8(mm)
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 褐色溶融アルミナ #120
大さじ1
研磨時間 1~5
回転速度 0.8

KT6808を使って上のレシピで実施すると、寒天や氷砂糖のように曇っていたレジンが、4日目から氷のような透き通った感じとなる(⑭)。さらにもう1日走らせると、方眼紙の升目がはっきりと見えるほど透明度が増した(⑮)。この期間は研磨槽の大きさだけでなく、メディアとワークのサイズや装入量でも変わるので、失敗を防ぐために比較用として⑮のサンプルを作っておきたい。

この⑮の表面アラサからカーボランダム(#1,000/大さじ1)を添加した中仕上げを実施すると、1日目はワークの表面が曇り、透明度をだすまでに粗仕上と同様に数日かかった。つまり、粗仕上のレシピで4~5日走らせたことにより、#120のアルミナが摺り潰れて、#1,000以上(中仕上)の表面アラサになったと考えられる。

粗研磨用のセラミックメディアで5日も走らせると、想定以上に面が取れすぎることもあるので、角の丸みづけを抑えたい場合は、研磨剤の番手をあげたり、中研磨用のメディアで実施するとよいだろう。また、角を削る研削力は三角形状より球状のほうが小さいです。

光沢仕上

バレル研磨(レジン/光沢仕上)1

Youtube-動画アイコン動画で視聴

メディア 光沢仕上用(球状)
Φ5(mm)
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 FX-06
大さじ1
研磨時間 2~3
回転速度 0.8

そこで、これまで光沢仕上前に実施していた中仕上の工程を飛ばして、光沢仕上の工程に進むと、今までにない透明感のある表面粗さに仕上げることができた(⑯)。

バレル研磨(レジン/光沢仕上1~3日目)

1~3日目のワークの透明度は目視では分かりにくいが、ワークを傾けて背景を反射させると、3日目のものは背景が1~2日目に比べるとくっきりと映った。KT6808で光沢度を重要視したい場合は3日走らせたほうがよいだろう。

鏡面仕上

バレル研磨(レジン/鏡面仕上)

 

メディア くるみの外殻(ビバリア)
竹チップ(竹割箸)
マス量 1/2
研磨剤 ピカールネオ #4,000
内壁に張りつかない程度
研磨時間 3日
回転速度 0.5

⑰鏡面仕上げでは3日間走らせてみたが、未加工の⑱と同等の透明度にすることはできなかった。しかし、双方を同時に比較しないとわからないくらい透明度が高い仕上がりとなった。

これ以上の透明度を求める場合は、ピカールネオ以上のコンパウンドを使うか、バフ研磨が必要となりそうなので、模索して何か分かれば追記したい。

⑰の比較しないとわからないくらいの曇りが、粗研磨の工程で残った傷によるものであれば、粗仕上で実施する日数を増やせばまた違う結果になったかもしれない。

面の窪みは粗仕上げで平面にすることができなかった。レジンを硬化させる度に各面にできる窪みの深さが増したことから、無理やりモールドから硬化したレジンを押し出したことでモールドにダメージを与えていたようだ。メーカーはモールドへの負荷を軽減させるため、硬化後に5分ほど冷まして、レジンクリーナーやエタノールを流し込んでから、ゆっくり静かに剥すことを推奨。

KT-6808の研磨槽に研磨剤を大さじ2杯も添加すると弾力の強い泡が発生し、マス表層部の流動層が円滑にならないので、大さじ1杯に減量したほうがよかった。

発泡作用が強い研磨剤を使用した場合、中仕上用で使用していた円錐形のプラスチックメディアも流動層が円滑にならない原因となっていたので取り除いた(質量が軽いため?)。

KT-6808は流動層の幅が小さく研磨能率が低下するため、メディア仕様は下が理想だが、KT-6808にの研磨槽に15mmは大きすぎるような。
・粗研磨(三角形状15mm)
・中研磨(球状Φ5mm前後)
・光沢仕上(球状Φ5mm前後)

KT-6808:仕上がりの記録とレシピ(2022年3月)備忘録

KT-6808(バレル研磨機)

研磨前

レジン(キューブ状)のバレル研磨前

透明度の高いレジン、モデル、メディア、ワークサイズを変更して再検証。

ワーク:レジン
ワークサイズ:12mm/14mm/20mm(正六面体)
使用モデル:KT-6808(小型)
各工程で研磨したものを同時に比較できるように各サイズのレジン(キューブ状)5個ずつ作る。モールドに原因があるのか、上面以外の面にも窪みが発生した。

粗仕上げ

レジン(キューブ状)のバレル研磨-粗仕上/面取り

メディア HGT(セラミックメディア)10mm
GRP(セラミックメディア)Φ6mm
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 褐色溶融アルミナ #120
大さじ2
研磨時間 2日
回転速度 1日目:1
2日目:0.5
KT-2000に比べると面を取るスピードが遅い。また、面にできた窪みも48時間では平面にすることができなかった。研磨能率が低下した要因は、以下の2点だと考えられる。
▽研磨能率が低下した要因
・流動層の長さと深さが小さい
・メディアのサイズが小さい
KT-6808は研磨槽のサイズを変更できないため、KT-6808で大きいサイズの研磨槽を回せるように改造しないかぎり、流動層の幅をこれ以上大きくできない。KT-6808の研磨槽を使って研磨能率を高める場合は、以下の3点を試したい。
▽研磨槽を変えずに研磨力を向上させる方法
・メディアのサイズを大きくする
・メディアの形状を三角形にする
・水位をマス面より数センチ下げる
・回転スピードを早くする

中仕上げ

レジン(キューブ状)のバレル研磨-中仕上

 

メディア BB(セラミックメディア)Φ5.5mm
PMC(プラスチックメディア)10mm
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 黒色炭化ケイ素#1,000
大さじ2
研磨時間 2日
回転速度 1日目:1
2日目:0.5
[粗仕上]と[中仕上]でバレル研磨したワーク表面の仕上がりを同時に見比べても違いがわからなかった。おそらくこのまま次の工程(光沢仕上)にいくと、最終工程で鏡面にならないと思うが、今回はこのまま光沢仕上げの工程に進みたい。鏡面仕上げに失敗した場合、[中仕上げ]の工程に戻り、粗仕上げの工程でついた傷を早く除去する方法を模索したい。
当時、所持しているメディアを使用したため、(球状のセラミックメディア-Φ5.5mm)と(円錐形のプラスチックメディア-10mm)を使用しているが、このサイズの正多面体を効率よく研磨する場合は、15mmほどの三角形のセラミックメディア(中仕上)をしようしたほうがよいかもしれない。
粗仕上げ(48時間)で平面にできなかった面の窪みは、中仕上げ(48時間)でも平面にできなかった。このため、面に窪みがある場合は、粗仕上げの工程で平面をだしておきたい。

光沢仕上げ

レジン(キューブ状)のバレル研磨-光沢仕上げ

メディア BBC(セラミックメディア)φ6mm
CRP(セラミックメディア)φ6mm
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 FX-06
大さじ2
研磨時間 2日
回転速度 1日目:1
2日目:0.5
予想以上に透明度は増し、カッターマットにプリントされた正方形に仕切られた線が透けて見えるようになる。この仕上がりだと、ピカールを添着させたクルミチップと竹割箸で2~3日バレル研磨すれば、透明度をさらに高めることはできるように思う。
コンパンドによる発泡作用が強くて、ワークが流動層の上をきちんと滑落しているのか怪しかった。回転しているメディアも浮き上がっている感じがした。
①コンパンドの量の調整
②泡切れの良いコンパウンドに変更
③メディアサイズの変更

鏡面仕上げ

2日目

レジン(キューブ状)のバレル研磨-鏡面仕上げ

 

メディア くるみの外殻(ビバリア)
竹チップ(竹割箸)
マス量 1/2
研磨剤 ピカールネオ #4,000
内壁に張りつかない程度
研磨時間 2日
回転速度 0.5
KT-2000で鏡面にしたレジンやアクリルに比べると、光沢度や透明度はかなり低い結果となった。光沢仕上げのときに予想していたより透明度は低い。1日目より透明度は増しているので、さらに数日間回して透明度が高くなるのか記録を取りたい。完全に曇りはとれなさそうなので、中仕上げから違うレシピでやり直す必要がありそうだ。

KT6808は回転スピードを一番遅い[1]にしても、マスの表層部に形成される流動層が宙に浮いた状態で落下していた。ソフトメディアはセラミックメディアより比重が小さいため、遠心力で内壁に張りつきやすいからだろう。このときレジンは中央でぐるぐる回転していたため、研磨能率が大幅に低下していると考えられる。また、装入しているレジンの量が多いとレジン同士がぶつかり合い傷がでてきてしまうデメリットも存在。回転バレル研磨はマス上層に発生している流動層にワークを滑落させることで効率よく研磨できるので、スピードコントローラーを利用して、回転スピードを調整する必要があった。

3日目

レジン(キューブ状)のバレル研磨-鏡面仕上げ(3日目)

2日目より少し透明度は増した。このスピードだと時間をかけても鏡面仕上げの工程で曇りを除去すること難しそうなのでここで中止。KT-2000と同じ研磨方法では、粗研磨から鏡面に仕上げることはできない結果となる。研磨能率が低下して前工程の傷が除去できてない思い当たる節を潰していき、なるべく早く鏡面にできる方法を模索して追記したい(3/15)。

KT-2000:仕上がりの記録とレシピ(2022年3月)備忘録

KT-2000(バレル研磨機)

レジン1液(バレル研磨前)

研磨前
ワーク:レジン
ワークサイズ:正六面体(20mm)/球(8mm)
使用モデル:KT-2000(中型)

粗仕上げ

レジン1液(回転バレル研磨-粗仕上げ)
レジン1液(回転バレル研磨-粗仕上げ)

メディア 粗研削用セラミック(三角形)
15×15(mm)
パーカーコーポレーション SGT-N
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 褐色溶融アルミナ #120
大さじ2
回転速度 ~1
研磨時間 48時間
バリ取りやエッジの面取りで使用される粗研削用セラミックで表面の肌触りは荒くなり、色は白く濁りました。24時間~48時間のあいだの回転スピードは、スピードコントローラーを使って0.5で回しました。ちなみにメディアのサイズが15×15mm↑だと24時間で面がキレイにとれるので、単純な形状の工作物の場合はある程度大きなメディアを使用したほうが効率的です。複雑な形状ですと小さいメディアでないと細部を研削することができません。

中仕上げ

レジン1液(回転バレル研磨-中仕上げ)

レジン1液(回転バレル研磨-中仕上げ)

メディア 中切削用セラミック(三角形)
15×12(mm)
MT-15×12
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 カーボランダム #1000
大さじ2
回転速度 ~1
研磨時間
48時間
重切削でついた傷を中仕上用セラミックとカーボランダム#1,000で除去。24時間~48時間のあいだの回転スピードは、スピードコントローラーを使って0.5で回したおかげなのか、以前、アクリルを研磨したときより透明度が増している気がします。中仕上用のセラミックメディアもそこそこ研削力があるので、工作物の表面を荒らしすぎたり、ちょっと面取りをしたいくらいであれば、粗仕上げの工程を飛ばして中仕上から始めるとよいかもしれません。

細仕上げ(光沢)

レジン1液(回転バレル研磨-光沢仕上げ)

レジン1液(回転バレル研磨-光沢仕上げ)

メディア 仕上用セラミック
BBC φ6mm
CRP φ6mm
マス量 1/2
水量 1/2
研磨剤 FX-06
大さじ2
回転速度 ~1
研磨時間
48時間
中仕上げでついた傷を仕上用のセラミックメディアとFX-06で除去しました。24時間~48時間のあいだの回転スピードは、スピードコントローラーを使って0.5にしています。レジンは中の気泡が透けて見えるようになり、背景が反射するほど光沢がでています。

鏡面仕上げ

レジン1液(回転バレル研磨-鏡面)
レジン1液(回転バレル研磨-鏡面-斜め)

メディア くるみ+竹割箸(1:1)
マス量 1/2
大さじ5~
研磨剤 ピカール(#4000相当)
回転速度 1
研磨時間
48時間
光沢仕上げの工程では除去しきれなかった曇りを鏡面仕上用のくるみチップ+竹割箸にピカールを添加して除去しました。球体レジンに反射して写っている背景がさらにくっきりとして見えるので、表面の仕上がりは鏡面になっています。白く曇っているので傷が除去しきれてないように見えましたが、一緒に装入していたアクリル板が透明になっているので、光沢仕上の工程で除去できなかった傷は消えていると考えられます。また、研磨前のレジンも透明度が低く白く濁っているので、これ以上透明度を上げることはできないでしょう。

考えられる失敗の要因

マス量

マスとはワーク(工作物)とメディア(研磨石)のかたまりです。ワークはマス表面上に形成される流動層を滑落して研磨されるので、流動層の長さが大きいほど研磨効率が向上します。流動層の長さが大きくなるマス量は研磨槽の容積に対して50%です。

六角形の研磨槽はマス量が少なくても長い流動層を形成できますが、メディアはクッションの役割も担っているので、マス量は50~60%、ワークとメディアの混合比は1:3までにします。メディアの体積が増えるほど、ワーク同士が衝突した時の打痕の発生を抑えられるため、きれいに仕上がります。

このため、一度に研磨したいワークの量が多い場合は、研磨槽の大きいモデルのほうが最適です。ワークの量が少ない場合は、研磨槽が小さいモデルを使用したほうが、消耗品であるメディアや研磨剤が節約できるので経済的です。

水量

水量はマス表面に一致させています。粉末の研磨剤を添加した研磨では、水量で仕上がりが大きく変わります。特に水量が多いと研磨剤の効果が著しく低下するので注意が必要です。

水量は少ないと研磨力が高くなり、水量が多いと研磨力が低くなるので、目的によっては水位をマス表面より高くすることもありますが、多くしてもマス面より1~2cm程度です。

回転スピード

先述したマス量と水量を守り、研磨剤を添加した場合、研磨槽の回転スピードを極限まで落とすと仕上がりの状態が大きく向上します。つまり、回転スピードを落としたほうが仕上がりはきれいになるので、基本的にスピード1以外の回転速度で研磨槽を回すことはありません。

KTシリーズは小型になるほど研磨槽の回転する速度が速いので、電圧を下げるスピードコントローラーを使って回転速度を落としたほうがよいです。ただし、回転速度を落とすと研磨効率が低下するので、例えば48時間回す場合は、最初の24時間は0.8、残りの24時間を0.5の様な設定にしたほうがよいです(KT6808の場合)。

竹チップの割合

鏡面仕上げ用で使用する乾式メディアをソフトメディア(クルミの外殻)にすると、鏡面に仕上げるのに1週間以上かかりました。しかし、竹チップを混ぜることで透明になるスピードや仕上げ状態は向上しました。このため、わたしは混合比を1:1(くるみ/竹チップ)にしていますが、1:2~1:3にしたほうが鏡面になるスピードは早くなると考えられます。この工程ではあまりスピードを遅くしすぎる必要はありませんでした(回転スピード0.8~1)。

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