石を磨く回転タンブラーは回転スピードが遅い
海外Youtuberの動画で、Thumler’s Model B Rock Tumbler(RED回転タンブラー)を使って、その辺に転がっているような石を宝石のようにピカピカにする動画がいくつもあがっている。
このRED回転タンブラーは強力なモーターとファンを搭載しているため、最大研磨量(6.8kg)が大きいことと、長時間の使用にも対応する特長を持っているようだ。
また、メディアを入れるバレル(樽)の表面は金属製だが、内槽はラバーに覆われているため、樹脂製のバレルに比べると耐久性が高く、研磨音が静かなメリットも存在。
RED回転タンブラーはバレルが回転するスピードは遅く、デリケートな原石の研磨に最適なようだ。Youtubeでも天然石以外のものを磨いている人を見たことがない。
小型の卓上回転バレル研磨機はスピードが速すぎる
一方、樹脂製のバレルが採用された小型バレル研磨機は、バレルが小さいため最大研磨量が小さいうえ、モーターを冷やすファンが搭載されていないため、連続使用時間は1~2時間しか使うことができない。
また、回転スピードを一番低速モードにしても、RED回転タンブラーに比べるとだいぶ速く回転するため、石のようなデリケートな素材や、変形しやすい薄い工作物には研磨には使えないこともないが、最適とは言えないだろう。
ワークが破損しやすい素材や工作物の場合は、メディアの当たりが弱くソフトな仕上がりになる振動バレル研磨機のほうが向いているが、何日も研磨する必要があるため、騒音が大きい振動バレル研磨機は家庭では使いにくい。
パワーコントローラーで回転スピードを遅くすることができた
そこで家にあったハンダゴテ用の電圧を75~100(V)まで変動させることができる「パワーコントローラー(PC-11)」を回転バレル研磨機に接続して電圧を下げてみると、バレルの回転するスピードを下げることができた。
- ワーク表面がソフトな仕上がりになる
- デリケートな貴金属や石製品にも対応
- ワークとワークがぶつかっても深い傷がつきにくい
- 工作物に打痕がつきにくい
- セラミック/プラスチックメディアが消耗しにくい
- 容器にワークがぶつかる音が静になる
- オーバーヒートしにくい
3日ほどパワーコントローラーに接続して超低回転で金属を研磨してみたが、パワーコントローラーを使用することで上記の7つのメリットが得られた。
当初、強い衝撃で破損しやすいデリケートな物にも対応させる目的だったが、研削力が弱くなったことで打痕がつきにくくソフトな仕上がりになる効果も得られた。
また、スピード1に比べるとセラミックメディアが消耗しにくくなり、防音BOXにいれなくても騒音が気にならないほど研磨音が静かになる嬉しいメリットもあった。
回転スピードを落とすことで破損しやすい素材や工作物に対応するメリットが得られたものの、研磨速度が遅くなってしまうデメリットも存在する。
ファンのついていない小型のバレル研磨機は、連続使用時間が1~2時間で再運転させるまで最低20分の休憩が必要となる。
自動でON/OFFできるコンセントタイマーがあると便利
個人的に研磨スピードが落ちるのは問題ないが、いちいちバレル研磨機をON/OFFを手でするのが面倒なことと、寝ているときは操作できない問題があるため、自動で設定した時間にON/OFFできるコンセントタイマーに接続して解消。
しかし、このコンセントタイマーは精度が低いため、心配であれば1時間ごとに30分休憩させたり、15分ごとにON/OFFを繰り返す設定にしたほうがよいだろう。パッケージには(タイマー誤差:15分間で±5分)と記載されているが10分くらいずれることもあった。
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