電動工具と集塵機の接続問題をペットボトルで解決!
電動工具や木工機の使用中に発生する微細な塵や木くずを、そのまま排出すると掃除が大変なうえ、健康を害することもあります。集じん機を使えば解決できますが、集じん機の吸口と電動工具の集じんポートと口径がフィットしないため、そのままでは接続ができません。
そのため、異なるサイズの接続口をつなぐ方法として、「塩ビのTS異径ソケット」や「社外品の集じんアダプター」を購入するのが一般的です。その他に、3Dプリンターで造形したり、木材を加工してアダプターを作る方法もありますが、簡単かつ経済的に作れる方法として、ペットボトルを活用することも可能です。
この記事では、ヒートガンとドリルドライバを使い、ペットボトルを均一に収縮させ、集塵機と電動工具の集じん口を接続するアダプターを作る方法を紹介します。特別な技術がなくても、慣れると簡単に加工できるため、誰でも簡単かつ経済的に任意サイズの集じんアダプターをつくることができます。
ペットボトルで変換アダプターを作る手順
ペットボトルキャップに穴を開ける
まず、センターファインダーを使ってキャップの中心を取り、錐で下穴を開けたあと、ステップドリルで直径6mmの穴を開けます。
次に、その穴に全ネジボルトを通し、ナットでしっかり固定します。穴径は6mmなので、使用するのはM6のボルト・ナット・ワッシャーです。
ドリルドライバーに固定
キャップに固定したボルトをドリルドライバーのチャックにくわえさせ、しっかり締めつけます。これにより、ペットボトルを一定のスピードで回転させることができるので、後述する工程でペットボトルを均一に加熱することができます。
ヒートガンで加熱しながら成形
次にヒートガンでペットボトルを加熱収縮します。ヒートガンは小口径ノズルが付属されているものが適していました。もともと熱収縮チユーブを加工する用で所持していました。
ペットボトルの飲口に近い部分から加熱すると大きく偏心回転しやすいため、中央から[弱モード]で加熱し、胴径が集じん機ホースの接続口の内径と同じになるまで収縮させます。
飲口の成形が終わったら、底側を加熱し、電動工具や木工機の集じんポートの外径より数ミリほど大きくなるまで収縮させます。直径の測定にはノギスを使うと便利です。
破裂+変形対策
ペットボトルが熱で柔らかくなると、重みや遠心力の影響で曲がりやすくなります。そのため、ヤケドを防ぐために二重にした軍手を左手に着用し、ペットボトルの端を支持しながら回転させます。
ペットボトルを加熱すると体積減少と温度上昇の相乗効果で、内部圧力が急上昇します。空気を逃さずにペットボトルが白くなるまで加熱すると穴が開いて破裂するため危険です。
そのため、目視でわかるほどペットボトルの体積が小さくなったら、加熱を止めてキャップを緩めて空気を逃がす必要があります。
この際、30秒ほど冷やして、柔らかくなったペットボトルを固めてから、キャップをひらけたほうが変形しにくかったです
ちなみに、この工程が面倒で、キャップに空気が逃げる穴をあけた状態で加熱しましたが、ペットボトルがグニャグニャになり、円柱状に収縮できませんでした。
ペットボトルを接続口にフィットさせる
ペットボトルの両端を任意のサイズに収縮したら、ペットボトルの両端をカッターでカットし、ハサミで切断面を真っ直ぐに整えます。
カットしたペットボトルを開口部外径に差し込んだ状態でヒートガンで均一加熱すると、数ミリの隙間があっても、ペットボトルが縮んで接続部分に密着しやすくなります。
うまくフィットせず抜けやすい場合は、集塵ポートの外径にビニールテープを巻いて微調整するとシンデレラフィットします。
1.5L~2.0Lのペットボトルも円柱状に収縮可能
容量が1.5L~2.0Lのペットボトルも円柱状に加熱収縮できたので、自動カンナクラスの大きな集じんポート用のジョイントを作ることも可能しょう。
ペットボトルが収縮すると、その体積が小さくなる一方で壁の厚みが増し、強度が高くなるため、吸い口が目詰まりしても負圧でペットボトルが凹むことはありませんでした。
ペットボトルを回転させながら加熱収縮してる動画
記事の説明がわかりにくい場合は、動画で実際の加工工程をご覧いただくと、より分かりやすいかと思います。詳しくはYouTubeにて解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
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