壊れたRTX 2060とGTX 650 Tiの動画エンコード時間の差を痛感した日【Premier pro】

初めてグラボが壊れる経験をする

RTX 2060が故障し、GTX 650 Tiを一時的に使用

デスクトップPCに搭載していたRTX 2060に接続しているモニタが全て映らなくなった。色々と試してみたけれど、どうやら故障したようだ。新しいグラフィックボードを買うまでの間、家にあった古いGTX 650 Tiを一時的に使うことにしたけれど、グラボの性能で動画のエンコード時間がここまで変わるのかと驚かされた。

古いGTX 650 Tiでのエンコードに苦戦

Premier Proで動画のエンコードを試してみたのだけど、10分の動画のエンコードに30~40分もかかってしまった。RTX 2060を使っていた時には、同じような動画のエンコードが10分程度で終わっていたので、その差に改めて驚かされた。ゲームのグラフィック以外にこんなに違いが出るとは。正直、時間の長さやエンコード中に他の作業が遅くなることに少しイライラしてしまったけど、改めてグラフィックボードの性能がどれだけ重要なのかを実感する良い機会にもなった。

GPUの並列処理能力がエンコード速度に与える影響

調べてみたところ、動画エンコード時間にグラフィックボードの性能が大きく影響を与える理由は、GPUが動画処理において非常に効率的な並列処理を行えるからだということがわかった。エンコード作業には大量のデータを同時に処理することが求められるけれど、GPUは数千個のコアを使ってこれらを並列で処理するのに対して、CPUは並列処理に限界がある。最新のRTXシリーズには高度なコアが多数搭載されており、特にNVIDIAのNVENCエンコーダーというハードウェアエンコーディング機能が、動画エンコードの時間を劇的に短縮する役割を果たしているようだ。

GTX 650 TiではCPUに依存するエンコード処理に限界がある

対して、GTX 650 Tiのような古いGPUには、現代のエンコード作業を効率的に処理するための最新技術やパフォーマンスが備わっていない。結果として、CPUに頼りがちで、全体的に処理が遅くなるようだ。これを体感すると、RTX 2060のような新しいGPUがいかに日々の作業効率を上げてくれていたかを改めて感じる。早く新しいグラフィックボードを手に入れて、もう一度快適な作業環境に戻りたい。

グラフィックボードの性能とエンコード時間の関係

グラフィックボードの性能によって、動画エンコードの速度には大きな差が出るものである。特に、GTX 650 TiRTX 2060のように世代が大きく異なる場合、エンコード時間の違いが顕著であった。

「具体的には、Premier Proから10分の長さの動画(YouTube用 フルHD/H.264/1920×1080/29.97fps)をエンコードするのに約10分で書き出していたのが、約30分ほどかかるようになった。同じ動画の長さで4K画質だと約2時間もかかり、そのあいだにPremierを使用することができないので、作業効率が大幅に低下してしまう。

なぜグラフィックボードでエンコード時間が変わるのか?

GPUでのエンコードがCPUより速い理由

1. 並列処理能力が高い

  • GPU(グラフィック処理装置)は、数千個のコアを持っており、同時に多数の処理を並列で行えるように設計されている。
    • エンコードでは、映像の各フレームを細かく分割し、同時に処理することが可能である。
    • 一方、CPUは高度なシングルタスク処理には優れるものの、同時に扱える処理の数は限られている(通常、数コア~十数コア)。

1. NVIDIA NVENC(ハードウェアエンコード)の進化

NVIDIAのグラフィックボードには、NVENC(NVIDIA Encoder)と呼ばれるハードウェアエンコードエンジンが搭載されている。GTX 650 Tiに搭載されたのは初期のNVENCであるが、最新のNVENCに比べ性能が大幅に劣る。

一方、RTX 2060は、より新しい第7世代NVENCを搭載しており、エンコード速度や画質の向上が実現されている。

2. 世代の違いによる性能差

  • GTX 650 Ti(Kepler世代)は、NVENCが初期段階のものであるため、高負荷な動画フォーマット(4K、HEVC/H.265など)には対応が不十分である。
  • RTX 2060(Turing世代)は、HEVC(H.265)や4Kエンコードに対応しており、エンコード速度が速く、プレビューや他の処理もスムーズである。

3. エンコード速度の向上の理由

  1. 同時処理の能力が強化されており、RTX 2060では複数の動画ストリームを一度に処理することができる。
  2. 新しいコーデック対応により、H.264(AVC)のみならず、H.265(HEVC)も高速にエンコードできるようになっている。
  3. GPUのエンコード処理により、CPUへの負荷が軽減され、システム全体のパフォーマンスが向上する。

4. エンコード時間の違いの具体例

たとえば、GTX 650 TiではフルHD動画(H.264)のエンコードに30分かかる場合がある。しかし、RTX 2060では同じ条件下で10分程度に短縮されることがあり、約3倍の差が生じる。さらに、4K動画や高ビットレートのエンコードでは、RTX 2060の優位性が一層明確になる。

RTX 2060でエンコードを最適化する方法

  1. エンコードソフトがNVENCに対応しているか確認する
    Adobe Premiere Pro、DaVinci Resolve、OBSなどのエンコードソフトはNVENCをサポートしている。
  2. NVENCを有効にする
    エンコード設定で「ハードウェアエンコード(NVENC)」を選択することで、GPUによる高速なエンコードが可能となる。
  3. H.265(HEVC)コーデックを使う
    H.265はH.264より効率的なコーデックであり、ファイルサイズを小さくしつつ高画質を維持できる。

その他のモデルの選定

RTX 2060が生産中止なので市場で割高になっている場合、予算に余裕があれば最新世代の最上位モデルがおすすめである。しかし、予算を抑えたい場合は、RTX 2060の後継機であるRTX 3060やRTX 4060を選ぶを検討するのも一案である。それぞれ、より新しい技術と改善されたパフォーマンスを提供しており、コストパフォーマンスが向上しているからだ。

RTX 2060 vs RTX 3060 / RTX 4060:比較ポイント

  1. 性能の向上
    • RTX 3060は、RTX 2060より最大20~30%高速である。特に、VRAMが12GBに増えたことで、高解像度ゲームやクリエイティブ作業に強くなっているようだ。
    • RTX 4060は、さらに強化された性能を持ち、RTX 2060と比べて最大4.8倍のフレームレートを提供する場面もあるようだ。これにより、最新ゲームを1080pや1440pで快適にプレイできるという。
  2. 消費電力の違い
    • RTX 3060:170W程度のTDPが必要。RTX 2060とほぼ同等の電力を消費するが、性能は向上している。
    • RTX 4060:115Wと省電力性能に優れ、従来品より電源ユニットの負担が軽減されている。
  3. 技術面の進化
    • RTX 3060とRTX 4060は、共にDLSS(Deep Learning Super Sampling)に対応しており、RTX 4060ではさらに進化したDLSS 3を利用できる。これにより、フレーム生成機能を使った滑らかなゲーム体験が可能となる。
  4. 価格と在庫状況
    • RTX 2060の在庫が減少しているため、価格が高騰していることがあるようだ。その場合、RTX 3060やRTX 4060がよりお得な選択になる可能性があり。特にRTX 4060は、RTX 2060の価格と同等かそれ以下で入手できる場合もあるようだ。

結論:RTX 3060・RTX 4060へのアップグレードは賢明か?

  • RTX 2060が割高であれば、より新しいRTX 3060やRTX 4060にアップグレードするのは良い選択肢だと言える。どちらも性能、電力効率、技術サポートの面で優れており、長期的なコストパフォーマンスが向上すると考えられる。
  • 特に、RTX 4060は最新技術(DLSS 3、AV1エンコード)をサポートしており、将来的な3Dゲームや動画編集ソフトやAIなどの映像処理に備えた選択肢となる。

まとめ

RTX 2060はGTX 650 Tiに比べ、NVENCエンジンが大幅に強化されているため、エンコード時間の短縮に優れている。加えて、最新のフォーマット(4KやHEVC)にも対応しており、クリエイティブな作業において高いパフォーマンスを発揮する。頻繁に動画編集やエンコードを行うのであれば、RTX 2060のような最新のGPUを使用することが望ましい。ただし、RTX 2060が市場で割高になり、後継機が発売されている場合、比較的新しいGPUを検討するのも一案となる。

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