お金(硬貨)を回転バレル研磨機で光沢を出す方法
最近、YouTubeで硬貨を磨く動画をあげている人が多く、自分もやってみたいところだがしかし…、自分の余命は厚生労働省が公開している平均寿命を参考にすると残り(15411日 20時間16分57秒)。そんなメリットのない作業に時間を費やすわけにはいかないうえ、MMOでは迷わず範囲魔法を取得する効率厨なので、家中にある10円硬貨をかき集めて回転バレル研磨機の研磨槽の中に放り込んでスッキリすることに。
家中にある10円玉硬貨をかき集めたところ、約100枚ほどの量がでてきた。新しい年号(令和)が発表されて記憶に新しいが、昭和・平成に製造された10円硬貨が多く、自分が生まれた年(昭和56年)より、年季の入ったシニア勢もぞろぞろいる。
ちなみに、10円玉の素材は銅95%、亜鉛3%、錫2%と国内の硬貨の中で一番銅が使われているそうだ。100円玉や500円玉も銅が70%以上含まれており、ニッケルなどの金属を混ぜることで白銅となるようだ。銅はステンレス並に錆びにくく、寛永通宝などの古銭も銅を多く含んでるから朽ちずに現代も多く残っているんだね。
お金(硬貨)を光沢仕上げにする適したメディア
硬貨に光沢出させるのに適したメディアは1kgのステンレスボール(Φ2.5~3mm)に、UFOのような形のスプートニックや釘の先端のように尖ったピン状のメディアを混ぜたもの。セラミック系のメディアでも可能だが耐久性はステンレスのほうが上なので経済的。
ワークが平面の場合は球状のメディアのみでよいが、アクセサリーのような細かい入り組んだ箇所がある場合はUFO形状やピン形状のメディアが最適。更に細かい場合は磁気バレル研磨用の研磨ピンも必要。
自分はメディアの形状を使い分けるのが面倒臭いので、貴金属のワークがどんな形状をしていようと、あらかじめステンレスボールに色々な形状をメディアを混ぜて使用している。
硬貨に適したコンパウンド
硬貨に光沢をだすのに最適な研磨剤は「NS ピンクコンパウンド」。他のバレル研磨用コンパウンドと違い、光沢感が段違いの仕上がりとなるベストセラー品。回転タンブラーや磁気バレル研磨機で貴金属を磨きたい場合は、迷わず「NS ピンクコンパウンド」も一緒に買いたい。コンパウンドを入れる量は水1000mlに対して20ml。水が少ないとメディアやワーク内壁に張り付いてモーターに負荷がかかり回転が止まることがあるので、研磨槽の2/3くらい入れたほうがよかった。
最初はケチって安いバレル研磨用コンパウンドや、家にある#4~5桁のコンパウンド+中性洗剤を混ぜたりしたが、ピンクコンパウンドほど光沢をだせるものはなかった。小さい傷が目立たなくなるので「鏡面仕上げじゃなくてもこれでいいか!?」というほど美しい仕上がりになる。
縦方向に回転させる研磨槽に[ステンレスメディア]+[NS ピンクコンパウンド]+[水]を入れて約1時間ほど回転させる。[KT6808]や[KT2000]のような小型の回転タンブラーだと、大型のものに比べると研磨層が小さいうえ、研磨槽を回転させるスピードも早いので、約1時間~2時間ほど回転させれば十分だろう。経験上、貴金属+ステンレスメディアの組み合わせだと、それ以上回転させても仕上がりに変化は起きないような気がする。
わずか一時間ほどの研磨時間でアラフォーやアラフィフと思えないほど肌艶となった。そして、銅とは思えないほどの輝きを放つ仕上がりに。いつも金属を研磨して思うことだが、NS ピンクコンパウンドの効果がすごすぎる。pH値1のサンポールなどの家庭用洗剤でお金をピカピカにする方法もあるが、比べ物にならないほどの光沢がでる。
お金(硬貨)を回転バレル研磨機で鏡面にする方法
回転バレル研磨機で金属を安価で鏡面にするメディアは、TIPTONのSMB(ソフトメディア)乾式用が最適であった。小さく砕いたクルミの外殻に研磨剤を油脂系コーティング材で添着したメディアで、3~4日ほど研磨槽に金属製のワークとメディアを入れて回転すれば、ワークの表面は物が鏡のように反射するような鏡面仕上がりとなる。動画で使用しているメディアのサイズは1.8mm(不定形)で、価格は1kg/2,365円であった。
100円玉を光沢→鏡面にしてみた
10円硬貨の次は白銅(銅 75% ニッケル 25%)が素材の100円玉硬貨を研磨してみた。ニッケルを25%混ぜただけで赤橙色の銅はこんなに白くなるもんなんだなーと。ちなみに、50円硬貨も500円硬貨も100円玉と同じ品位なので検証は100円玉だけでいいかな。
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ちなみに10ヶ月ほど使用して分かったことだが、現代で使われてる硬貨のように酷い錆や汚れがないワークの場合は、4時間以上回しても表面の仕上がりに違いがでない(ピンクコンパウンド+ステンレスボールを使用時)。磁気バレル研磨機だと1時間以上回しても表面の仕上がりに違いがでなかったことから、使用できるメディアは限られてしまうが、光沢に仕上げるスピードは磁気バレル研磨機のほうが上なのだろう。
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正直、10円玉のような感動は得られなかった。鏡面の100円玉が財布の小銭入れに入っていても新しい100円玉が入ってるくらいにしか感じないだろう。10円玉はメッキした偽物じゃないのかというほど輝いてて違和感があったが、50円100円500円の白銅はまじまじと見ないと鏡面だということに気づかないかも。
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硬貨に限らず、光沢仕上げのメディア→鏡面仕上げのソフトメディアで金属製ワークを研磨した場合、1~2日目は鏡面にはならず曇った表面になり、3日目頃から鏡面になっていくという結果になった。さらに期間を重ねていくと鏡面度が増していくが、一週間以上回すと目視では違いがわからなくなった。
コメント
1円玉や5円玉は同じステンレス+コンパウンドできれいになるのだろうか
アルミや黄銅は柔らかくて無理だったりするのかな
ゆどりっく様
コメントありがとうございます。
ステンレスのメディアとバレル研磨用のコンパンドを添加すれば数時間で光沢をだすことができます。
実際に試してみてYouTubeに結果をあげてみたいと思いますので、ご興味があればたまにオチしていただけると幸いです。
https://www.youtube.com/channel/UC0mTur_TH1_0EXpzMyJi0Qw