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円柱形バレル槽で流動層を作る条件とクッション効果を高めるマス装入量-回転バレル研磨機

量産性を向上させたバレル槽

塩ビ素材の特殊継手を使用して自作した円柱状のバレル槽は内部が見えないため、バレル槽を回転させたときに、流動層が形成されているかどうか不安であった。流動層が形成されない自作バレル槽の作り方を紹介するわけにはいかないので、透明な円柱形の梅酒瓶を使って、流動層が形成されているのか確かめてみた。

マス装入量(10%)

マスの装入量が少ないと、バレル槽を回転させたときに、マス全体が持ち上がりにくく、メディアやワークは下で延々と転がり続けた。回転バレル研磨機は滑り層を利用した研磨方法のため、マス装入量が少ないと研磨能率が顕著に低下するだろう。また、ワークに見立てたビー玉同士が常に接触しているため、打痕や変形が発生しやすい原因にもなるだろう。

マス装入量(30%)

マス装入量を30%に増やすと、マス全体が持ち上がりやすくなり、ある角度までいくとマスが雪崩落ち、常にマスの上層部に流動層が発生している状態にった。しかし、よく見るとワークに見立てたビー玉同士が接触するシーンが多く見られたり、ビー玉が一番上まで持ち上がらずに途中で滑り落ちる様子も見られた。

マス装入量(50%)

マス装入量が30%のときに形成された流動層に比べて、流動層の深さと長さが大幅に増加した。その結果、ビー玉はマスの重みによって容易に一番上まで持ち上がりやすくなり、長い流動層から滑落することで、ワークとメディアが接触する範囲や時間が増加。相対運動の差が生じる時間も長くなるため、研磨効率が向上すると考えられる。

また、メディアの装入量が増えると、ワーク同士の衝突を和らげるクッションの役割も担うようになり、ビー玉同士がぶつかるシーンも30%のときに比べると少なくなった。

自分も含め自作のバレル槽を作っている人の動画を見ると、マス全体が持ち上がりやすいようにブレードをつけているが、容器が円柱形でもマスの量を容器の容積に対して50%装入すると、流動層が発生するので、わざわざブレードをバレル槽の内壁に接着しなくても問題ないだろう。

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