ペットボトルの形状を維持したまま小さくする方法
ペットボトルを均一に熱収縮しようと試みたことはありませんか?しかし、ペットボトルを熱湯・ガスコンロ・ヒートガンなどでそのまま熱収縮させると、形が歪んだり、偏った縮み方をしてしまいます。しかし、適切な方法を使えば、元の形を崩さずに、均一かつ左右対称に小さくすることが可能です。
本記事では、ペットボトルを均一に縮めるためのコツや、左右対称に仕上げるテクニックを詳しく解説します。変形を防ぎながら縮められると、工作やDIYで使える「部品の代用品」「保護・補強材」から「アウトドア・キャンプ用品」や「趣味・アート作品」などにも役立つので、ぜひ試してみてください。
電動ドラでペットボトルを回転させる準備
ペットボトルを左右対称に収縮させるには、ペットボトルを安定させた状態で、一定のスピードで回転させながら熱風に当てる必要があります。そこで電動ドライバーでペットボトルを回転できるように、ペットボトルのキャップの中心に全ネジボルトを固定し、ドリルチャックにくわえさせられるようにします。
ペットボトルのキャップの中心に印をつけます。[センターファインダー]を使うと、円や正多角形の中心測定が簡単に行えます。
ペットボトルのキャップの中心にマーキングをしたら、ドリルの位置ズレを防ぐために、予め錐などで下穴をあけます。ドリルは穴のサイズを調整したり、穴の面取りができるステップドリルを使い、⌀6mmの穴をあけました。
次に、あけた穴にM6の全ネジボルトを通します。ボルトがしっかり固定されるように、同サイズのワッシャーを両側に挟み込み、M6のナットで締めつけます。
ボルトを固定したキャップをペットボトルにしっかり締めつけ、ドリルチャックにボルトをくわえさせます。これで、電動ドライバーを使用してペットボトルを一定のスピードで回転させながら熱収縮する準備が整いました。
ペットボトルを変形させずに熱収縮するポイント
吹出口から5cm以上離す
ヒートガンの吹出口を上に向けた状態で作業台に置き、ノズルを取りつけた吹出口の5cm以上離した状態でペットボトルを[低速モード]で回転させながら加熱します。
中央部分から収縮させる
最初に加熱する部分は、中央部分から[弱モード]で加熱すると、変形や破裂のリスクを抑えやすくなります。
左手で底部を支持する
また、左手で底部を支えながら回転させると、大きく偏心回転しにくくなるため、収縮時に曲がりにくくなります。 支持する手には、火傷を防ぐため、滑りやすい生地の軍手を二重に着用するのが安全です。
中央部を収縮させたら飲口側を同じプロセスで均一に加熱収縮させます。ボトル内の空気が膨張すると、1回の加熱・冷却では希望のサイズ・形状に収縮しないため、「加熱→冷却→圧力調整」 を繰り返します。
ペットボトルの底部を加熱すると、中心部が盛り上がるため、不安定になり自立しなくなります。そのため、自立させて使う用途で使用する場合は、底部の加熱は避け、中央部と飲み口側の加熱に留めることをおすすめします。
注意してても、底部の中心が盛り上がってしまった場合は、底部が熱で柔らかいうちに玄能などで盛り上がったところを平らに押しつぶすと、安定して自立しやすくなります。
注意点
体積が小さくなったら放圧させる
密閉された状態で加熱を続けると、ボトル内の空気が膨張し、圧力が上昇します。そのため、目視でわかるほどペットボトルの体積が小さくなったら、キャップを開けて内部の空気を逃がす必要があります。
ペットボトルを白くさせない
また、ペットボトル表面を加熱しすぎると、ペットボトルが溶けはじめて白く変化します。圧力が上昇している状態だと、この白化したところに穴があいた瞬間に破裂するため、加熱部分が白くならないように注意します。
冷却してからキャップを開ける
この際、ペットボトルを1分ほど冷却させてから、キャップをゆっくり開けたほうが形状が安定しやすかったです。ペットボトルが柔らかいままキャップを開けたり、キャップを緩めたまま加熱すると、急激に形状が変化する可能性があるため、冷却後に開けることが均一に収縮させるポイントです。
放圧頻度で形状が変わる
ちなみに内部の膨張した空気を頻繁に逃がすと、外部からの熱収縮の力が直接ペットボトルに働くため、より内側へ縮みやすかったです。ペットボトルの中央部分は収縮しやすいため、胴径が細くなりやすい傾向がありました。ただし、内部圧力による均一な張力がなくなることで、加熱のムラや材質のわずかな厚みの違いが影響し、左右で微妙な差が生じやすくなり、均一に収縮するとは限らなかったです。
一方、内部の膨張した空気を逃がす頻度を下げると、ペットボトル内部の圧力がさらに上昇し、ペットボトルの表面全体に均等な強い圧力がかかるため、左右の収縮が均一になりやすかったです。その結果、左右対称の形状になりやすいものの、内部の圧力によって膨張する力が強く働くため、胴径は頻繁に空気を逃がした場合よりも細くならず、高さ方向に押しつぶされるように縮む傾向がありました。
体積の変化率
容量500mLのペットボトルをヒートガンで約5分間加熱すると、水を入れられる量が約200mLまで減少しました。これは、元の容量の40%のサイズに縮小したことを示しており、全体の60%が収縮してコンパクトになったことを意味します。また、収縮によって壁の厚みが増し、全体の強度が向上しました。このように、適切な加熱方法を用いることで、ペットボトルのサイズを大幅に小さくしつつ、耐久性を高めることが可能です。
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