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木のノブボルトやノブナットを効率的に作る治具をつくるまき


電動工具や木工機械を使って作業をする際に効率・精度・安全性等を求める際に使われる治具。ネット上でも個人が作った便利な治具がたくさん公開されている。そんな治具に高確率で備わっているものがノブ部が星の形をした「ノブボルト」や「ノブナット」である。固定したい材料をスムーズに着脱することができることから、トグルクランプなどに次いで使用頻度の高い金具である。

自分も年をとってから、DIYで効率・精度・安全性を求めることが多くなったため、今後は治具を作る機会も増えると予想。しかし、治具で使用頻度の高い「ノブボルト」は呼び長さが長くなるほど割高になっておりお財布に優しくない。例えば、現在M6/40mmのノブボルトはアマゾンで1つ約200円ほどで販売されており、数を揃えるとブラックサンダー7個に匹敵する実勢価格となっている。

そこで今回はノブボルトやノブナットのノブ部分を効率よく作る治具を作ることに。大量にノブを作っておけば、各サイズのノブナットやノブボルトが必要になったときに経済的に揃えることが可能。

ホールソー

ノブボルトのノブを作るために、円形の端材を効率よく生産してくれる「ホールソー」を用意。注意しなければいけないのは、35mmのホールソーを購入しても直径35mmの円にはくり抜かれず、刃の厚み分すこし小さくなることだ。一昔前はバイメタルホールソーのセット品は割高であったが、最近は隣の大国製の安価なものが出回ってるので一式揃えておくと便利だった。当サイトで紹介している鋸歯を交換するタイプは耐久性が低く壊れやすいので、おすすめできないものであった。

1×4(端材)

1×4材をボール盤のテーブルと同じ幅で切断。

円を印刷で5等分

市販のノブボルトは握りやすいように5つのくぼみがついているため、コンパスで円を描いて72°で5等分した直線をそれぞれ円周まで引けばよかったのだが、家にはコンパスがなかったのでネット上にある歯車を作る無料のソフトを利用して円を5等分した。非常に興味をそそるソフトになっており、今度木で歯車も使った木工品も作ってみたいと思ったほど。
Making wooden gears out of plywood

円を印刷で5等分

印刷したものを切断した1×4材の中央にセロテープで貼り付ける(全面に貼り付けないと次の工程で破れるので注意)。赤丸の部分に座ぐりドリルで穴をあける作業がメインなので、印刷した紙の中心が真ん中にくるように貼ったのはミスであった。赤丸部分が中央になるように貼らないと、ボール盤のテーブルの幅と同じ寸法で切断した意味がなくなるといううっかり。

ポンチで印

穴をあける箇所にドリルを正確に誘導するためポンチや先の尖った物で印をつける。少しでもくるうとノブのくぼみが非対称となり不細工な仕上がりになるので、ここが治具づくりで一番重要なポイントであった。ちなみに自分は穴の中心を決めたにもかかわらず穴をあける位置がズレたという。

穴あけ

中心にM6ボルトが入る6mmの穴、円周の外にくぼみのガイドとなる21mmの座ぐり穴をあけた。

M6 ボルト

裏面の中心にボルトの頭が飛び出さないように座ぐり穴をあけてM6ボルトを通す。M6のボルトが抜け落ちたり回転しないように座ぐり穴に「グルーガン」で溶かしたスティックを流し込む。グルーガンは100円ショップにも販売されているようだ。

ストッパー

21mmの座ぐり穴に入る丸棒かパイプを切断する。20mmの丸棒しかなくスカスカの状態になったのでテープを巻きつけて動かないようにした。この丸棒はストッパーと位置合わせの役割を担っているが、なくても問題とならなかった。これでノブを作る治具は完成。

木を丸く切り抜く

1×4材の端材からノブとなる丸い材を最初に紹介したホールソーで切り抜いていく。

M6 蝶ネジ

切り抜いた丸い木を治具のボルトに差し込んでワッシャーと蝶ネジで動かないように締め付ける。このとき木が動かないかどうか手で力をいれて回して回転しないかどうか確かめる。ここで木が回転するようであれば、100%座ぐりドリルでくぼみをつける際に動いて失敗するので、しっかり蝶ネジで締め付けたい。

ノブのくぼみ(座ぐりドリル)

小さい蟻が進むようなスピードでゆっくりと座ぐりドリルでくぼみをつけていく。

ノブのくぼみ(座ぐりドリル)

くぼみをつけたら蝶ネジを緩める。そして、隣にある穴にくぼみを合わせて蝶ネジを締めつける。最初につくったものは、ノブを座ぐり穴に埋め込んでいたのだが、この位置合わせがスムーズに行えないため、板の上にぽんと置かれた状態になっている。

自作 ノブボルト

前述した工程を4回繰り返すとスターノブと同じ形状となる。

自作 ノブナット

ノブナットの場合、自作したノブに任意の爪付きTナットを玄翁で打ち込めば完成である。爪付きTナットを平坦なところに打ち込むと1mmほど浮くため、見た目が気になる場合は軽く座ぐっておくとよいだろう。

ノブにボルトを取り付ける

ノブボルトの場合は、ノブの中心に六角ボルトの対角寸法より1mm小さい座ぐり穴をあける(座ぐり穴の深さは六角頭部の厚さ)。次に六角ボルトをその穴に差し込み、反対側からナットをスパナ等で締めつけることにより、ボルトの頭部が座ぐった穴に埋め込まれていく。

自作ノブボルト(失敗例)

これは最初に作った自作のノブボルトである。裏面に木工ボンドを使って木のワッシャーを接着したのだがしかし!この状態で力を込めて締め付けると六角を埋めた穴がバカになって空回りしてしまったのだ。

自作ノブボルト2

そこで裏面にワッシャーを通してナットできつく締めつけることにより、力をいれてノブを締め付けても空回りしなくなった。これだとボルト頭部を埋め込んでいる穴がバカになったとしても、ナットで締め付けて固定されているためノブが空回りすることもなかった。空回ったとしても再度ナットを締めつければがっちり固定される。

自作ノブボルト3

ただし、前述したノブボルトはボルト先端で小さなものを固定する用途には最適だが、広いものを固定する用途では不向き。そこでナット部分をおおいかぶせるワッシャーを作って木工ボンドで接着。このタイプは押さえつけられる面が広いので、材料や治具などをしっかりと固定する用途に最適。ノブが空回ったりすると水につけて木のワッシャーを取り外す手間がかかるため、ナットはノブが割れない程度にきつめに締めつけたい。

自作ノブボルト3

ワッシャーより少し直径の広い座ぐり穴をあけて、小さいサイズのホールソー丸く切り抜いたもの(少々手間と時間がかかるのでスムーズにできる方法を模索中)。

自作ノブボルト3(圧着)

上で作ったワッシャーに木工ボンドを塗って、ナットとワッシャーでを締めつけて圧着しているところ。

自作 ノブボルト 研磨

ノブ部(つまみ)の表面と裏面の研磨はリョービのベルトジスクサンダ(BDS-1000)。リョービのベルトジスクサンダもいつのまにやらマイナーチェンジされたようで、最新モデルは白いボディーの(BDS-1010)となっていた。

自作 ノブボルト くぼみ研磨

くぼみ部分のバリ取りは、曲面や弧面の研磨に最適なSK11のスピンドルサンダー(SWS-330SP)。これは最近購入したものだが、回転運動に上下運動が加わるため、研磨力が高く作業効率アップ。

自作 ノブボルト 側面研磨

ノブの側面の角はボルトをドリルチャックにくわえさせて回転させながらヤスリがけ。

自作 ノブボルト 研磨後

ノブボルト 治具
自作 ノブボルト

M6×50:11円
M6ナット:3円
M6ワッシャー3円
1個数百円するノブボルトはブラックサンダー1個分より安価で作ることができた。
単品だと楽天市場に出店している「現場屋さん」で注文できた(メール便可)。

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