バレル研磨用の竹チップを竹割箸で自作する

バレル研磨機用の竹チップを自作 ブログ

竹チップとは?

バレル研磨機用の竹チップを自作

装飾品やメガネフレームなどの合成樹脂(プラスチック/アクリル)の光沢仕上で用いられる竹チップ。クルミの殻と同じように油脂をつけてアルミナや酸化クロムなどの研磨材をコテーィングされたものが回転バレル研磨機の乾式メディアとして使用されている。

同じ有機質メディアであるクルミのソフトメディアは1kg単位で販売しているショップがあり、個人でも入手しやすい。しかし、竹チップを1kg単位で販売しているショップはないうえ、最小ロット数が(20~30kg)となるため、個人では買い求めにくい。

このため、竹を購入して竹チップを自作しようと考えたが、竹を乾燥させて角材に製材されたものは入手が難しかった。そこで、竹製の(わりばし)を利用して竹チップを作り、販売されている竹チップ同様に光沢をだせるのか検証を行ってることにした。

竹チップの作り方(割箸)

竹割箸で竹チップを作る

24cmの竹割箸を購入。竹製ならどこのメーカーのものでもよいと思う。しかし、凸凹とした工作物を磨く場合は、色々な形状のメディアが混ざっていたほうがいいと思うので、先が尖っていて、上部がフラットなものを選ぶとよいかもしれない。200本購入したが、KT6808/KT2000くらいのバレル槽であれば100本で十分であった。


バンドソーで竹割箸を切断

手鋸で切断すると時間と手間がかかるため卓上バンドソーで切断。チップトンが販売する円筒形のセラミックメディアには90°にストレートカットされたものと、60°にアングルカットされたものがあるので、磨きたい工作物に穴や凸凹した箇所がある場合は、竹を斜めにカットしたほうが効果的かもしれない。

竹割箸を固定

手鋸で切断する場合はアサリのないタイプを使用しないとスムーズに切断できなかった(ライフソークラフト使用)。切断中に割箸が動かないように2本の丸棒に噛ませながら切断すると便利だった。電動工具がなく丸棒が立てられない場合は、写真のようにビスで代用するとよいだろう。

竹割箸(鉛筆削り)

鉛筆削りで削れば先端をさらに細くすることもできた。

竹割箸(バリ)

このままでは切断面はバリがひどくて使い物にならないため、切断した割り箸を研磨槽に入れて、数日回せばバリが取れる。

竹割箸(バリ除去)

割箸同士がぶつかってバリがとれた。研磨槽の中には粉じんが溜まっているので掃除機で吸い取る。ハボキのようなノズルがあると、粉だけ吸われるので便利だった。

竹チップ+クルミチップ

樹脂製の眼鏡フレームをつくる工場のバレル研磨機を見ると竹チップのみで磨いているようだ。しかし、自分は細かい部分も磨けるようにクルミチップ+竹チップ(1:1)の割合で撹拌した。回転バレル研磨法は乾式も湿式と同様に工作物はマス表層部の流動層を滑落して磨かれるので、研磨槽の容積に対して50%の体積になる量を作ったほうがよいだろう。
クルミの外殻は爬虫類の床材として販売されている「ビバリア ウォールナッツサンド」を使用。おそらく、バレル研磨用のソフトメディアと同じ加工方法でチップにしており、見分けがつかないほどそっくりである。

竹割箸+クルミ殻(ピカールを添着)

母材(クルミ・竹)に研磨材としてピカールをコーティング。大さじ5杯入れて24時間バレル研磨をした。使用した計量スプーンの大さじは15ml(15g)。光沢をだす効果が落ちてきたら足すとよいだろう。

自作竹チップで光沢仕上げの効果

アクリル樹脂-バレル研磨機の竹チップによる光沢/鏡面仕上

クルミチップは小さい寸法に形成されて質量が小さいためか、研磨能力が低く透明にするのに時間がかかった。それに対して、竹チップは質量が大きくなったことで当たりが強くなったためか、研磨能率が向上しただけでなく、仕上げ状態も向上した。この結果から、クルミチップの割合をさらに多くしたほうが、研磨能率が向上し、光沢のある透明にする時間を短縮できると考えられる。

バレル研磨特有の打痕による凸凹感

一見、保護シートが貼られているアクリル樹脂と同等の透明感に見える。しかし、透明度はやはり無加工のアクリルのほうが少し高い。また、バレル研磨特有の打痕による凸凹感は消すことができなかった。

バレル研磨機-竹チップ+金属

樹脂の光沢に使用されている竹チップだが、金属のワークも効率的に光沢をだすことができた。穴や細かい凸凹がある加工物には不向きだが、フラットな面が多い工作物であればソフトメディア(くるみ)に竹チップを混ぜたり、単体で使うのは有効だと感じた。

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