各メーカーのコードレス電動工具一覧表 | リチウムイオンバッテリーのメリット | コードレス式とコード式の長所と短所 | |||
電圧の選び方 | メーカーの選び方 | 充電式のメリット |
電動工具の主流となっているリチウムイオン電池の利点を説明したページです。
パナソニックPanasonic | ||||||||
日立工機 | 3.6V | 25.2V | ||||||
ボッシュ BOSCH |
7.2V | 25.2V | ||||||
マキタ Makita |
3.6V | 25.2V | ||||||
リョービ RYOBI |
3.6V | 7.2V | 36V |
バッテリの種類
リチウムイオン電池 | ニカド電池 | ニッケル・水素電池 |
リチウムイオンバッテリーが主流
現在の電動工具の新しいモデルには利点の多い〔リチウムイオンバッテリー〕を採用されています。従来の電動工具のバッテリーには〔ニカド〕や〔ニッケル・水素〕が使われおり、最近の電動工具には〔ニカド電池〕や〔ニッケル水素電池〕などが使用されなくなっています。
今後はニカド電池やニッケル・水素電池に対応している古いモデルの電動工具は消えていくかもしれません。このページでは、現在 主流となっているリチウムイオンバッテリーのメリットや従来のバッテリーとの違いを解説していきたいと思います。
互換性
1つのバッテリで様々な電動工具を使いまわせる!
リチウムイオンバッテリーが主流になってきたから、同じ会社の電動工具でバッテリーの電圧が同じであれば、使いまわしできるツールがたくさん増え続けています。また、互換性のあるツールは電動工具だけでなく、園芸・レジャー・一般生活でも役立つようなものも販売している会社もあります。
ちなみに国内で最初に充電式電動工具にリチウムイオンバッテリーを採用したのがマキタなので、マキタの会社は他の会社に比べると互換性のあるツールが非常に豊富です。
本体のみで販売されているので経済的!
通常、電動工具のセット品には、バッテリーと充電器が付属されて販売されています。電動工具は本体より〔リチウムイオンバッテリ+充電器〕のほうが金額が高い製品も多くあります。しかし、バッテリーに互換性があるモデルが増えてから、多くの電動工具が本体のみでも購入できるようになりました。
電動工具を本体のみで購入すると、バッテリが付属されているセット販売品より価格がだいぶ安くなります。互換性のあるリチウムイオンバッテリを持っていれば、1つのバッテリーで様々な種類の電動工具を使いまわすことができるので、違うモデルの電動工具を購入する場合は、本体のみの安価なモデルを購入できる利点があります。
例えば性能・機能の高い新モデルのインパクトドライバーが発売されたときに、同じ会社のリチウムイオンバッテリーを持っていると、本体だけを購入すれば使用することができるので、経済的に新モデルや他の種類の電動工具などを手にいれることができます。
電動工具が増えていく!?
DIY(物作り)にはまってしまい、新しいことに挑戦したり効率を求めた場合、色々な種類の電動工具が必ず欲しくなります。プロ用のリチウムイオンバッテリーは、頻度の少ないDIYで使用した場合、毎日電動工具を使用しているプロの方よりも長く使い続けることができます。色々な種類の電動工具を購入する予定がある場合は、同じバッテリで使いまわしのできるモデルがたくさんある会社の電動工具を選ぶことを是非おすすめします。
容量(Ah)
日立工機 14.4V-1.5Ah BSL1415 |
日立工機 14.4V-2.0Ah BSL1420 |
日立工機 14.4V-3.0Ah BSL1430 |
日立工機 14.4V-4.0Ah BSL1440 |
日立工機 14.4V-5.0Ah BSL1450 |
軽量化と大容量化
互換性のあるリチウムイオンバッテリーが主流になってきてから、バッテリーの容量にもバリエーションが増えてきました。バッテリーの容量(Ah)は下の方でも説明しますが、容量が多いほど一度に長い時間使用することができます。上の写真のバッテリーは、日立工機の14.4Vの(1.5Ah~5.0Ah)のリチウムイオンバッテリーです。上で説明したように電圧が同じ日立工機のプロ用電動工具であれば全てに互換性があるので、上のどの容量のバッテリーでも装着することができます。
用途にあった容量(Ah)と電圧(V)
基本的にバッテリーは容量が多いほど割高になり、質量(重さ)も重くなります。(例外あり)力のない女性や軽作業で済むような作業量や用途であれば、安価な1.5Ah~3.0Ahを選ぶこともできます。電動工具を連続使用する場合や作業量が多い場合は、大容量の4.0Ah~5.0Ahを選んだほうが充電する回数が減るので向いています。また、電圧の違うバッテリーの容量が同じとしても電圧の高いほうがパワーがあるので、容量の消費が少なくて済むためパワーだけでなく充電回数が減る利点もあります。
ニカド電池やニッケル水素電池との違い
リチウムイオン電池 | ニカド電池 | ニッケル・水素電池 |
メモリー効果の影響を受けにくい。
ニカド電池やニッケル・水素電池は繰り返し充電を行っているとメモリー効果の影響を受けやすくなります。(メモリー効果は下で説明しています。)リチウムイオン電池はメモリー効果の影響が非常に少ないので、ニカドのようにわざわざ残量を使いきってから保管したり充電する必要はなく、継ぎ足し充電を行っても容量が減ったように感じる現象がおこりません。
電池(バッテリ) | ニカド | ニッケル・水素電池 | リチウムイオン |
定格電圧 | 1.2V | 1.2V | 3.6V |
軽量+小型化
電池は内部の素材の化学反応によって電気を発生しています。この使用されている素材によって定格電圧がかわります。リチウムイオンで使われている素材はニカドやニッケル水素に比べると、軽い質量で高いエネルギー密度があります。なので、バッテリーの質量(重さ)が軽くなった分、リチウムイオン仕様の電動工具は軽くスリムになっています。
最近の機種では、本体についているパネルなどからバッテリーの残量がわかるものもあります。 |
自己放電
バッテリーは使用していなくても、自己放電するので自然に容量が減少していきます。自己放電率はニカド>ニッケル水素となっており、自己放電率がリチウムイオンに比べ高く、ニカドは満充電をしても1日電動工具を使用しないだけで、残量がどんどん減っていきます。満充電にしていても、使いたいときに残量がなくなっていて、再度充電しなければいけないことがありました。
自己放電が少ないリチウムイオン
リチウムイオンバッテリーは、ニカドやニッケル水素より自己放電率が少なくなっています。残量があれば、使い終わってそのまま保管していても、使いたいときにすぐに使うことができます。充電をする場合や長期間保存する場合もニカドのように、わざわざ放電する必要がないので手間もかかりません。しかしリチウムイオンバッテリでも残量がなくなった状態で長期間放置していると、劣化するスピードが早まります。過放電の状態が続き残量が空の状態になってしまうと、充放電できなくなってしまい使い物にならなくなるので、保管方法には注意が必要です。
長持ちさせる方法
Recharging Danbo Power / Takashi(aes256)
寿命を延ばすポイント
リチウイオンバッテリーは、使用頻度の少ないDIYで使用すると、正しい使い方と保管方法さえ守れば非常に長持ちします。誤った使い方をしているとバッテリーの劣化につながります。バッテリーが劣化すると満充電した本来の容量(100%)よりも→90%→80%→70%という様に低下していきます。容量が低下すると電圧も低下するのでパワー低下につながります。
寿命-どれくらい長持ちするのか?
●毎日、残量を使い切るハードな作業だと2~3年で寿命が訪れます。
●毎日、残量を使いきらない軽作業だと4~5年で寿命が訪れます。
●たまに使うDIYであれば、バッテリはさらに長持ちします。
少しづつバッテリーの容量は減っていきますが、寿命がくると満充電にしても新品の頃の半分程度の作業量しかこなくせなくなるので交換しましょう。リチウムイオンはリサイクルできる資源なので、ゴミとして捨てずに販売店に持っていきます。リチウムイオンバッテリは電動工具本体より価格が高いこともあるので、正しい使い方・保管方法をして長持ちさせましょう。
ポイント1( 充電するタイミング)
充電するタイミングは、電動工具のパワーが弱くなったと感じたらすぐに充電するようにしましょう。残量を少ない状態にして放置してると、過放電となりバッテリーの容量低下の原因につながるからです。放電終止電圧まで放電させて充電するのはニカドなので、リチウムイオンの場合は間違いです。
過充電と過放電のイメージ | バッテリー劣化のイメージ |
過放電と過充電とは?
[過放電]と[過充電]の状態で放置していると、エネルギーの化学反応によってバッテリーが劣化していきます。電動工具を使用していると、バッテリーの残量が減っていくと同時に電圧もゆるやかに低下していきます。赤いラインの放電終止電圧にくると出力電圧は急激に低下します。電圧がこのラインの値より下回った状態を[過放電]といいます。充電を必要以上に行うと赤いラインの充電終止電圧を超え電圧が上昇し[過充電]となります。
バッテリー保護機能 – 過放電と過充電から守ってくれる
電動工具のリチウムイオンバッテリーは、バッテリー保護機能によって過放電や過充電からバッテリーを守ってくれます。バッテリー保護機能とは安全回路が組み込まれているので、一定の電圧を上回ったり下回ったりした場合に電流を自動でシャットアウトしてくれます。その他にも連続使用などでバッテリーが高温になったりした際に自動で電流をシャットアウトしたり、バッテリーの熱を拡散させる機構などがあります。バッテリー保護機能の数や質は会社によって変わりますが、どの会社もバッテリーの機能や安全には力をいれているので、これからもっと向上していくと思います。
ポイント2(長期間 使用しない場合の保管方法)
リチウムイオンバッテリーを長期間使用しない場合は満充電にして保管しましょう。ほとんどの会社が半年~1年に1回は満充電にした状態で保管することを推奨しています。リチウムイオンバッテリーは自己放電率が低いので、電動工具の使用後 バッテリーの残量に余裕がある場合はそのまま保管しても問題ありませんが、長期間保管する場合は注意が必要です。
リチウムイオンバッテリーは環境によって自己放電率がかわり、色々なサイトで調べてみると月に3~18%放電するというデータがありました。長期間全く使用しなかったり、充電する余裕がない場合に、半端な残量で長期間放置していると、過放電の状態になったり、残量が空になってしまい充放電ができなくなることがあります。
上で説明したように、残量が少ない状態で保管していた場合、過放電になりどんどん劣化していきます。また、熱や寒さにも弱く環境によって放電率も変わるので、真夏や真冬の保管場所には気をつかいましょう。
DIYの場合は仕事で使用するより使用頻度が低いので、バッテリーは大切に使用すれば長く使うことができます。うっかりして充電を忘れてしまう可能性がある場合や、家をあけ充電をする余裕がない場合は、満充電に近い状態にして保管しておいたり、レジャーや生活用品として使える互換性のあるツールなどに利用するのもおすすめです。
会社によってバッテリ1つで園芸ツール・ライト・クリーナなど、電動工具以外にも様々なツールが販売されています。 (各会社のバッテリーで使いまわせるツール一覧はこちらのページからどうぞ。)
温度環境
リチウムイオンは温度が高くなるほど自己放電率が高くなり20℃と10℃でも放電率に差がでます。また、40度~45度以上になると電池が劣化し容量(駆動時間)が低下します。逆に0度以下の場所で保管していると、正常に動かない場合がありますので、屋外や夏の車の中のような場所に保管するのは好ましくありません。長期間使用しない場合は、気温のあがらないような場所に保管しましょう。
メモリー効果とは?
イラストは分かりやすく説明しています。 |
充電した場所を0と勘違いする?!
メモリー効果とは、残量がある状態で継ぎ足し充電を繰り返していくうちに、元の容量(Ah)よりも充電可能な容量が少なくなったように見える現象のことです。残量がある状態で継ぎ足し充電を何度も繰り返していると、使用している最中に充電を行った容量付近に達したときに電圧が下がるので、充電が切れそうな感じの状態になったり、必要な電圧が足りない場合は機械が停止してしまいます。このメモリー効果の影響により充電容量が減ったように見えます。
コードレス掃除機や昔の携帯電話などがわかりやすいですが、残量が残っている状態で充電を繰り返していると、数時間や数十分使っただけで、すぐに電池の残量やパワー低くなる経験をしたことはありませんか?あの現象はメモリー効果の影響の場合があり、ただしい充電方法を行えばさらに長持ちさせることができます。リチウムイオンバッテリはメモリー効果の影響をほとんどうけないので、継ぎ足し充電しても何の問題もありません。
バッテリーの電圧(V)と容量(Ah)
容量(Ah) | じょうろの中の水の量 |
電圧(V) | 電圧が高いと水を勢いよく流せます。 |
電流(A) | 水の流れるスピード |
V | ボルトとは電圧の単位になります。 |
Ah | Ahはバッテリーの容量の単位になります。 |
電圧を圧力と考えます。上のイラストの場合、圧力をかけると水の流れるスピードは速くなります。水の流れが速いほどモーターを速く回せるので、電動工具は基本的に電圧が高いほど回転数やトルクを高めることができます。(パワフル)
容量(Ah)が低ければ、ジョウロにはいっている水の量が少なくなるということなで、使用できる時間も短くなります。また容量の低いバッテリーを使用したり、残量が少なくなってくると本来の性能をひきだせない場合もあります。各電動工具の比較表には、電圧と容量も記載しているので参考にして頂ければ幸いです。
互換バッテリー
電動工具のリチウムイオンバッテリーは従来のニカドバッテリーに比べると割高になりますが、各メーカの電動工具に対応した安価な「互換バッテリー」も販売されています。互換バッテリーは他社が発売しているサードパーティ製品のため、メーカーから販売されている純正品ではありません。互換バッテリのレビューを見ていると突然充電できなくなったり、発火して溶けるようなトラブルも多いうえ、互換バッテリーを装着して本体が故障した場合は保証対象外となるため、当サイトでは互換バッテリーの使用はおすすめしません。もし。現場や家で火災が発生した場合、会社・家族・近所の方に迷惑がかかりますし、人やペットの命を奪ってしまうこともあることを考えるとデメリットが大きいです。