DIYでは掃除機と集塵機どっちが最適なのか?
電動工具を使って木材を加工した際にでる切り屑や粉じんの集じん用として、車輪がついたキャニスタータイプの集塵機か掃除機どちらを購入しようか迷っている人も多いのではないだろうか。
このページでは過去に[集塵機][掃除機][コードレスクリーナー]と[サイクロン式回収器]を組み合わせて、材料の切削屑を集じんしてきた私が、電動工具に接続した際にどちらが最適なのかDIY初心者にも分かりやすく解説!
まったく集じんしなかった時代
当初、DIYを初めた頃は電動工具に掃除機や集塵機のホースを接続せずに木材を加工していたため、床は木材の切り屑で真っ白になり、部屋には粉じんが舞っていた。作業後の部屋の掃除は大変なもので、清掃してキレイにするのに時間がかかっていた。また、この頃は「防じんマスク」を装着していなかったため、1日中木材を加工していた日は鼻の穴の中が真っ黒になっていた。
サイクロン掃除機で集じんするまき
電動工具から発生する木屑を集じんしないと作業後の清掃が大変なため、集じんポートがついている電動工具にはサイクロン掃除機に接続するようになった。しかし、家庭で使用するキャニスター掃除機は集じん容量が小さいため、ダストカップはすぐに切り屑で一杯になり、何度もゴミ捨てを行う必要があった。
また、ダイソンのように空気とゴミを遠心分離する性能が低い安価なサイクロン掃除機を使用していたため、すぐにフィルターが目詰まりを起こし吸引力が低下。このため、掃除機を使った日は必ずフィルターのお手入れをしなければいけならず、目詰まりしたフィルターを床に何度も叩きつけて塵を除去していた。
集塵機で集じんするまき
家庭用のキャニスター掃除機の小さい集じん容量や、すぐに目詰まりする表面積の小さいフィルターに業を煮やし、集じん容量やフィルターの表面積が大きい日立工機やリョービの集塵機を購入。日立工機の集塵機はリョービのものより運転音が静かで、吸込仕事率320Wの吸引力にも満足していた。
しかし、集じん容量が大きいと言っても、木材の切り屑が大量に発生するような電動工具(自動カンナ・手押しカンナ・電動カンナ等)に接続した際、すぐにタンク内はゴミで一杯になるうえ、タンクを開けた時に粉じんが舞い上がりやすいのがすごく嫌だった。その他に大きなフィルターのお手入れする際はさらに大量に粉じんが舞うため、不衛生なゴミ捨てとお手入れがストレスであった。
特に日立工機の集塵機はプリーツフィルターに布フィルターを2重にかぶせる仕様だったため、タンク内は大きなフィルターが独占しており、吸引したゴミは大して溜められるスペースはなかった。前述したように、タンクを開ける度に粉じんが舞いあがりやすいため、ゴミ捨てはリョービの集塵機のほうがストレスはかからなかった。
集塵機+サイクロン回収機で集じんするまき
集塵機のうんざりするゴミ捨てや不衛生なフィルターお手入れを解消するために、集塵機と電動工具のあいだに空気とゴミを遠心分離して容器に回収する「サイクロン回収器」を接続することに。市販品は2種類存在したが、円錐形のコーンで遠心分離するタイプのほうが微細なゴミの分離性能が高かった。
現在はAmazonなどで安価な中華製の「サイクロン(円錐形のコーン)」が販売されているが、当時は1万円以上する「Oneida ダストデピュティー」を購入するか、三角コーンとペール缶を接合して自作するしか選択肢がなかった。
集塵機にサイクロン回収器を接続したことで、吸引された空気と木屑は円錐形のコーンで遠心分離され、下に配置された容器に落ちて回収される。このため、一度に溜められるゴミの量は格段に増え、ゴミ捨て頻度も大きく低減された(上動画参照)。ものぐさなわたしにとって、不衛生なゴミ捨てやフィルターのお手入れから解放されるメリットはかなり大きかった。
コードレスクリーナー+サイクロンアタッチメントで集じんするまき
DIYをする作業部屋が2畳ほどという狭さに成り下がったため、場所をとる大きな集塵機と回収器を使用することを断念。その代わりにマキタのコードレスクリーナーとサイクロンアタッチメントを壁にかけて木屑を集じんする方式をとった。ちなみに、サイクロンアタッチメントに接続する集じんホースはSANEIの洗濯用の排水ホースを使用。
充電式クリーナだと吸引力が弱いと思われるかもしれないが、マキタやハイコーキでは36Vのリチウムイオンバッテリーを採用したたシリーズが登場していたため、従来機(18V)のモデルに比べると吸引力も格段に強くなっており、コードレス用のサイクロンアタッチメントに接続した場合は、パワーの面で問題と感じなかった。
その他にサイクロンアタッチメントの集じん容量が小さい欠点も存在したが、最近ではDIYする頻度が減っていたため、一度にでる木屑の量が少なくなり、こまめにゴミ捨てを行っていれば問題とならなかった。また、垂直に固定したアタッチメントは空気とゴミの遠心分離能力が向上し、フィルターは目詰まりしにくく、お手入れ頻度も大幅に軽減される。
ただし、電動カンナ・自動カンナ・手押しカンナで木材を加工する際に発生する細長い木材の切り屑は、ユニットの空気が曲がる流入口で詰まるため、大きな切り屑がでる機械の集じんでは使い物にならなかった。どちらにせよこれらの木工機や電動工具は一瞬で大量の切り屑が発生するため、充電式クリーナー用の小さなダストケースでは不向きである。
紙パック式掃除機+サイクロンアタッチメント
連続運転時間が限られているコードレスクリーナーで木屑を集じんすると、定期的にバッテリーを充電しなければならず、バッテリーを着脱したり充電器にセットするのがだんだんと億劫になってきた。このため、コードレスクリーナーをサイクロンアタッチメントから取り外して、代わりにコード式のキャニスター掃除機(紙パック)を接続するようになった。
サイクロンアタッチメントに吸込仕事率500Wの「三菱Be-K TC-FXD5J-A」を接続していたが、紙パック式のキャニスター掃除機は吸引力が強いので、ボール盤で木材を切削した際に発生する切り屑の取りこぼしも少なくなり、吸引力の面ではストレスフリーになった。掃除機本体は狭い部屋の床に置いておくと邪魔になるので、高いところから吊り下げていた。
集塵機+サイクロンアタッチメント+まごの手式フットスイッチ
前述した(紙パック掃除機+サイクロンアタッチメント)の組み合わせで満足していたものの、電動工具や木工機は頻繁にスイッチを入れたり切ったりするため、ものぐさな私はその度に掃除機のスイッチもON/OFFにする行為が面倒になってきたという。
そこで、(集塵機+サイクロンアタッチメント)の組み合わせに変更。集塵機の押しボタン式を常にONにした状態にして、手の届くところに配置した「フットスイッチ」で集塵機のON/OFFをするようにしたところ、電源に関する煩わしさがすべて解消された。
掃除機と集塵機を同じ洗濯用の排水ホースに接続して気づいたことだが、吸引力の指標となる吸込仕事率が示すとおり、吸込仕事率が高い掃除機のほうが集塵機より圧倒的に吸引力が強いことがわかった。ただし、コンセントを抜くとOFFになる掃除機には「まごの手式フットスイッチ」が使用できないため、やむを得ず吸引力が劣る集塵機に使用している。
DIYにおすすめの組み合わせのまとめ
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