家庭で使えるDIY用溶接機の選び方

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アーク溶接とは?


SUZUKIDofficial:アイマックス60

金属同士をつなげる溶接機

電気溶接とは簡単に説明すると、2つの金属同士を電気放電から発生する高熱を利用して接合する技術のことです。2つの金属同士を接合するにはボルトや接着剤などを使う方法もありますが、電気溶接の場合は二つの金属を瞬時に溶かして一体化させるので、どの接合方法よりも効率的に金属同士をつなげることが可能になります。また、接合力や強度も非常に高く、上手く溶接できていれば引っ張られた時の耐久性は繋げた2つの金属より溶接部分のほうが強力になります。

電気溶接で最も一般的なものがアーク溶接で、車・飛行機・建物・家具など私たちの身の回りにあるものの接合部分にもアーク溶接がつかわれています。アーク溶接と言えば作業員がバチバチと火花を散らしながら作業をしているシーンを一度は見かけたことがあると思います。従来のアーク溶接機は大きくて重い製品しかありませんでしたが、現在の溶接機は小型化された製品もあり、ホームセンターやインターネット通販でも、家庭用電源(100V)で使用できる、小型で軽い廉価なアーク溶接機も販売されています。

2つの金属同士をつなげられるとDIYの幅が広がる

誰でも溶接ができれば、壊れた物を直したり、2つの金属同士を接合できれば便利なのにと、悔しい思いをしたシーンが一度や二度はあるのではないでしょうか。溶接ができるようになると壊れた道具や機械などを修繕できるだけでなく、金属の工作物を製作したり、既存の製品を自分で改良することもできるのでDIYの幅が広がります。

溶接に関することをネットで検索して調べていると、聞き慣れない専門用語がたくさんでてきて、内容が理解しにくいので、はじめは溶接用語から覚えていきましょう。このページでは、一般的の家庭用電源(100V)でも使用できる、DIY向けのアーク溶接機を実際に使って溶接機や用語を解説していきます。

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100Vで溶接できる専用の溶接棒

低電圧用溶接棒_スターロードB-1
スター電器 低電圧溶接棒 (1.6Φ×500g)

溶接棒の種類とサイズ

DIY向けの溶接機は、主に鉄とステンレスを溶接することができ、材質にあった溶接棒を使用する必要があります。溶接棒のサイズは、1.4・1.6・2.0・2.6・3.2・4.0・5.0・6.0(mm)などがあります。建設現場などで溶接作業をしている職人さんが使用している溶接棒は太く長いものですが、家庭用電源(100W)で使える溶接機は電圧が低いので、普通の溶接棒を使用しているとアークが不安定になります。なので、100VのDIY向けの低電圧溶接機で使用できる溶接棒は、低電圧専用の溶接棒を使用しなければいけません。

練習したい場合や溶接作業の頻度が多い場合は500gがお買い得

DIY向けの溶接機では、細い溶接棒しか使用することができません。溶接棒が細いとアーク中に溶接棒が溶けていくスピードも速くなります。溶接棒の溶けていくスピードが早いと、真っ直ぐに引くことが難しいだけでなく、適切なアーク長を保つのも難しくなり、最初はアークを継続させることが難しくなります。また、溶接は真っ直ぐ引くだけでなく、溶接ビードの一定の太さに保ちながら溶接しないといけないので、上手く溶接できるようになるまで、ある程度練習が必要になり、自分もマスターしていない状態です。
ちなみに、溶接を練習したり、頻繁に溶接作業を行なっていると200gの低電圧用溶接棒では、すぐに消耗してしまうので、大容量の500gを購入したほうがお買い得です。

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溶接棒のサイズ
スター電器 低電圧溶接棒 『スターロードB-1』

100Vだと1.0~2.0mmまでの溶接棒しか使えない

100V電源で使う溶接棒のサイズは1.0~1.6mmが推奨されています。何故かというと、家庭用コンセントは15A仕様なので、2.0mm以上の溶接棒を使用すれば、コンセントやケーブルの許容電力を超えてしまう場合があるからです。家で試したところ2.0mmの溶接棒を使って溶接することができましたが、2.0mmの溶接棒は入力電流が20~22Aなので、安全のために20A以上の分岐ブレーカーから直接つないだほうがよいでしょう。

溶接棒のサイズ
(径/mm)
1.0~1.2mm 1.4~1.6mm 2.0mm 2.6mm 3.2mm
入力電流
(A)
6~9A 8~20A 20~22A 24~32A
(200V)
32A
(200V)
板厚の目安
(mm)
0.8~1.2 1.2~3.0 2.0~4.0 3.0~5.0 4.0~6.0
アイマックス60 SIM-60 を使用しています。

できれば2.0mmの溶接棒を使って溶接したい。

上は家庭用コンセント(昇圧トランス使用せず)から、3mmの平鋼に各サイズの溶接棒を溶かした溶接ビードです。汚くて分かりにくいかもしれませんが、溶接棒1.4mmや1.6mmに比べて2.0mmの溶接ビードは顕著にビードの幅が太くなり高い強度が得られます。小物の溶接や修繕程度であれば1.4~1.6mmの溶接棒でも十分かもしれませんが、高い強度が必要な場合は、やはり100Vで溶接できる限界(2.0mmの溶接棒)をつかいたいものです。では、どうすれば家庭の電源で2.0mmの溶接棒を使えるのか?それは下で説明します。

分電盤の中
分電盤(ブレーカー)

分電盤の分岐ブレーカーの数字を見てみよう。

家の各部屋にあるコンセントの電流は、分電盤を分岐ブレーカーを通って配られています。分電盤のカバーを開けると、右に小さなブレーカーがいくつも並んでおり、そのブレーカが分岐ブレーカーです。この分岐ブレーカーの許容電流はイラストのようにスイッチに表記されおり、ショートしたり、許容電流以上の電流が流れるとブレーカーは安全のために電流を遮断します。
分岐ブレーカーの許容電力が20A以上であれば、直接そのブレーカーから電源をとれば、(2.0mm)の溶接棒を使用することができます。家では20Aで溶接棒(2.0mm)で溶接することができましたが、環境や条件によっては途中でブレーカーと落ちる可能性もあります。
(場合によって、他の電化製品のプラグを抜く必要もあります。)

30A↑に分岐ブレーカーを交換する場合

20Aの分岐ブレーカーしかなく、他の電化製品のプラグを抜いても、ブレーカーが落ちてしまう場合は、30Aの分岐ブレーカーに交換してもらうしか方法がありません。ちなみに電気工事をする場合は資格が必要です。工事は必ず電気工事店に依頼してください。

200Vの溶接機を使用する場合

このサイトでは、DIY向けの100Vで使える溶接機を紹介していますが、もし200Vの溶接機を使用する場合は、200Vに対応したコンセントや分岐ブレーカが必要になるので工事が必要になります。
一般家庭のコンセントは15Aに対応したものが多く、壁の中を通っている電線はおそらくVVF1.6なので、19Aまでの許容電流しかありません。従って、200V溶接機で使用できる2.6mm以上の溶接棒を使用していると、電線の許容電流を大幅に超えてしまい、コードが熱で溶けて火災が発生する可能性があります。
配線を許容電流の大きなものに貼り変えると大掛かりな工事が必要になるので、イラストの右下にある空いている分岐ブレーカのスペースを利用したり、新たに200Vに対応したブレーカーやケーブルを増設したほうが工賃は安くなると思います。

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定格使用率

定格使用率とは?

溶接機を連続して使用していると、本体内部の温度が上昇してオーバーヒートして故障してしまう場合があります。故障しないように溶接中に使用率を超えてしまうと、使用率オーバー防止機能が働いて電源がカットされます。定格使用率は10分間のうちに何%の使用なら安全かを表したものです。例えば、定格使用率60%なら、10分間に6分までの使用なら大丈夫という事になります。DIY向けの溶接機は使用率が20%の製品が多く、10分間中2分までしか使用できません。自分の感覚では溶接棒を8本前後を連続で使用すると、使用率オーバー防止機能が働いていました。しかし、この定格使用率は電流をMAXにした状態で使用した場合の数値なので、電流の調整が行える溶接機の場合は、もっと長く使用することができます。
個人的に家具や小物を作る程度のDIYであれば使用率20%でも十分ですが、頻繁に溶接機を使い溶接量が多い場合は、使用率の高いものや使用率100%の溶接機を選んだ方がよいでしょう。

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感電対策

溶接で感電する条件

感電する条件

感電とは自分の体に電気が流れれるということです。体に電気が流れるということは、自分の体が電気の流れるルートになっているからです。なので、アース及びアースを取っている溶接物と溶接棒を同時に触れなければ感電はしません。また、電流の流れている(溶接中)の溶接物に触れても、電流の流れているルートに触れているだけなので感電はしません。鳥も電気の流れている電線に止まったり、線路の上に止まっても、高低差のある2極の電線に同時に触れていないからです。

電気を通さない手袋の着用

自分の体が電気の流れるルートになる条件は、溶接棒やホルダーの金属部分とアースクリップを同時に触った場合です。アースクリップをはさんでいる溶接母材や作業台に体の一部が触れた状態で、溶接棒やホルダーの金属部分に触っても同じように感電します。
なので、アースクリップやアースをとっている溶接物に触れながら、溶接棒やクリップの金属部分には触れないように心がけましょう。万が一触れたとしても、電気の通さない格好と手袋を着用していれば感電することはありません。

溶接 安全対策

なぜ職人さんが感電事故が起こすのか?

なぜ安全対策を行なっている職人さんが感電事故を起こすのか。厚生労働省が運営している職場の安全サイトで溶接の感電事故を検索してみると、当たり前ですが感電事故の大半が溶接棒やクリップの金属部に触れて感電しています。知識のある作業員が、ホルダ及び溶接棒の金属部分とアースクリップを同時に触れるわけがないと思うかもしれませんが、事故を起こした作業員のほとんどが溶接物の上に乗って作業をしています。
DIYで作るような小さな工作品ではなく、タンクや船舶ブロックを溶接すれば、アースをとっているタンクや船舶ブロック全てがアースクリップの金属部と同じことになります。この上に乗ったり触れたり、溶接をしているわけですから、こけてホルダや溶接棒の金属部分に触れてしまったり、体勢によってはホルダを落として溶接棒が体の一部に接触した瞬間感電してしまうことがあります。

安全対策を取り組んでいても何が起こるかわからない

絶縁性の高い靴や手袋を着用していても、汗や水で衣類や防具が濡れていれば、裸と同じで電気を通しやすくなります。なので、屋外で階段や大きな構造物を溶接するときは細心の注意をはらいましょう。着用している衣類などが、雨や水で濡れていた場合は、肌に直接触れていなくても水を通して電流がながれることがあります。上にも記載したように、こけたり・ホルダを落として溶接棒が体の一部に接触した瞬間感電してしまうこともあります。ご安全に。

溶接機の性能比較表

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