ドクダミを増やそうと思ったきっかけ
日当たりの悪いベランダ菜園でドクダミだけが順調に育った
これまで家庭菜園で栽培が簡単だといわれるさまざまな野菜を育ててきましたが、私のベランダ環境ではうまく育たないものが少なくありませんでした。害虫や病気の被害を受けたり、思ったほど収穫できなかったりと、土・肥料・農薬の費用ばかりかかり、利回りの悪さを感じることもありました。そんな中、日当たりがあまり良くない環境でも元気に育ったのがドクダミでした。
ドクダミは半日陰や湿り気のある場所を好むため、日照時間が限られている我が家のベランダ環境と相性が良かったようです。しかし、わたしがドクダミを長年育てて感じたことは、一般的にドクダミは日陰でも育つ丈夫な植物として知られていますが、実際には土が乾燥しないように水やりができるのであれば、日当たりの良い場所でもよく生育し葉や茎も大きく育ちます。
ドクダミは収穫して楽しめる植物だった
ドクダミは英語圏では生臭い魚の香りがすることから「Fish mint」の名で知られており、日本でも独特の臭いから嫌われることもありますが、加熱すると臭みが大幅に和らぐため、炒め物や天ぷらにすると意外と食べやすくなります。パクチーが好きな人はドクダミも食べられると思います。
また、ベトナムやタイなどでは食用ハーブとして親しまれており、葉はサラダや付け合わせ、地下茎は炒め物などに利用されるなど、野菜のような感覚で食べられています。さらに、日本では乾燥させてドクダミ茶の原料としても利用されるなど、さまざまな用途を持つ植物です。
このような活用方法を知り、収穫量を増やすためにドクダミを増やそうと考えました。しかし、ドクダミには驚異的な繁殖力があり、一度増えると駆除が大変な雑草というイメージがあります。ところが、実際に栽培してみると、大きな鉢やプランターに植え替えても思うように株数は増えず苦労しました。
そこでこの記事では、10年以上ドクダミを育て続けたわたしが、ドクダミを効率よく増やす方法として、株分け・地下茎・挿し木(挿し芽)による増やし方を紹介します。
ドクダミの入手方法
ドクダミは公園や河川敷、道路脇、空き地などさまざまな場所で見かけます。しかし、ドクダミが雑草だからといって自由に採取してよいわけではありません。これらの場所には土地の所有者や管理者がおり、許可なく植物を採取するとトラブルの原因になる可能性があります。
また、除草剤が散布されていたり、犬や猫の排泄物、排気ガスなどによって汚染されていたりすることもあるため、食用として利用する場合は、その辺に生えているものはおすすめできません。
ドクダミは園芸店やホームセンターで種や苗が販売されていないので、購入する場合はメルカリなどのフリマサイトを利用します。わたし自身も12年前にヤフオクでドクダミを購入して増やした経緯があります。
ドクダミの選び方
メルカリでは自宅の庭や畑に地植えしているドクダミを出品している人がいるため、そのような出品者から購入するのがおすすめです。特に化学肥料や農薬を使用していないことをアピールしている出品者も存在し、食用やお茶として利用する場合はそのようなドクダミを選ぶと安心です。
また、後述しますが、ドクダミは挿し穂だけでなく、地下茎からも増やすことができるうえ、密に植えても枯れにくいです。そのため、株を効率よく増やしたい場合は、挿し穂だけでなく地下茎(根)が付いた苗を50~100株単位で出品されているもの選ぶことを強く推奨します。
ドクダミの増やし方
挿し穂 増やし方
ドクダミは地下茎(根)だけでなく、挿し穂からでも比較的簡単に増やすことができます。株分けや地下茎の植え付けに比べると増殖速度は劣りますが、親株を大きく掘り返したくない場合や、少ない状態から株数を増やしたい場合におすすめの方法です。
まず、元気なドクダミの茎を10~15cmほどの長さで切り取り挿し穂を作ります。ドクダミは切り口からでなく、節から不定根や葉がでてくるので、節が挿し穂に2~3含まれるように切り取ることが重要です。特に下側の切り口が節のすぐ下になるように切ると植え付けやすくなります。
挿し穂は水に挿して発根させてから植え付けてもよいですし、そのまま培養土や挿し木用の土に挿しても構いません。ただし、私の経験では最初から土に挿す方法は失敗が多く、水切れや蒸れによって枯れてしまうことがありました。そのため、まずは水に挿して発根を確認してから植え付けた方が成功率は高いと感じています。
挿し穂を水に挿した場合は、条件が良ければ1週間前後で発根します。節から複数の根が2cmほど伸びてきたら土に植え付け、その後は通常のドクダミと同じように育てます。ドクダミは密植に強く、鉢の中が地下茎や根でいっぱいになるほど増えても生育するため、増殖や収穫目的であれば株間を広く取る必要はなく、比較的狭い間隔で植え付けることをおすすめします。
植え付け直後は根が十分に張っていないため、土の表面が乾いたら水やりを行い、乾燥させないように管理しましょう。また、植え付け直後から強い直射日光に当てると萎れたり枯れたりすることがあるため、最初の1~2週間は半日陰や明るい日陰で管理した方が失敗しにくくなります。
上の写真は、挿し穂をアップルウェアーの菊鉢(8号)に植えて増やしたドクダミです。葉の収穫が目的であれば、あまり距離を離しすぎず、最初からある程度密集した状態で植え付けるほうがよいです。この8号鉢を4鉢ほど用意して栽培すると、毎週1~2回はドクダミの葉を収穫して楽しむことができます。
ズボラな私がドクダミを気に入っているところは、一度植えると毎年収穫できることです。ドクダミは春になると芽を出し、冬が近づいて気温が下がると地上部は自然に枯れていきます。しかし、地下茎は生きたまま越冬するため、翌年の春になると再び芽を出しはじめ、5月頃には再び収穫を楽しむことができます。
地下茎(根) 増やし方
ドクダミは挿し穂だけでなく、地下茎からも簡単に増やすことができます。ドクダミを抜いたときに土から出てくる白い部分は根と思われがちですが、正確には地下茎です。この地下茎もよく見ると節目があり、この節から根がでたり茎が枝分かれするため、成長が早いうえに密集して生えそろいやすいです。
この地下茎は土にそのまま植えても、地上の茎より枯れにくいうえ、節から新しい芽を出す能力があるため、挿し穂よりも失敗しにくくなります。そのため、手間をかけずに株を増やしたい場合は、ドクダミの選び方で述べたように、ドクダミの苗を購入する場合は地下茎がついた苗を選ぶことを強く推奨します。
この地下茎から株を増やしたい場合は、2~3の節を残してぶつ切りにします。切らずに長いまま植えるとまばらにしか生えませんが、短く切ることで複数の芽が出て、密集して育つようになるからです。
今回新たにドクダミを増やすため、地下茎だけをプランターに植えて増殖を試してみました。植え付ける際は地下茎を土の上に横向きにして均等に置き、その上から約3cmの厚さで土をかぶせます。土が厚すぎると新芽がでていた場合、潰れて枯れてしまいます。
水やりは1日1回土の表面を軽く湿らせる程度の頻度にすれば成長が早いです。また、真夏だと土表面の乾きが早いため、もみ殻をかぶせたほうがよいと感じました。
植え付けから1週間ほどで土の表面から新しい芽がちらほらと顔を出し始めました。地下茎だけの状態だったため発芽まで時間がかかるイメージがありますが、予想以上に早く芽が出てくることに驚くと思います。
その後も生育は順調で次々と新芽が増えていきます。ドクダミは日当たりが悪くても成長速度が比較的速いため、日ごとに変化が見られ、栽培していて楽しさを感じられる植物だと思います。
ドクダミに適した土
自家製堆肥で十分育つから経済的
これまで野菜を育てる際は、毎年のように培養土や肥料、農薬を購入していました。しかし、ドクダミはもともと生命力が強く、痩せた土でも十分に育つため、野菜ほど土作りにお金をかける必要がありません。
とはいえ、ドクダミも土壌環境が良いほどよく成長します。特に有機物を混ぜ合わせて空気を多く含んだふかふかの土で水はけの良い環境を好みます。我が家では使い古した培養土に、敷地内で刈り取った雑草や落ち葉を埋めて作った堆肥を混ぜて利用していますが、問題なく元気に育っています。また、雑草の代わりに生ゴミから作った堆肥でも順調に成長しました。
雑草や生ゴミなどの有機物と土の中に埋めておくと、微生物による分解が進み、土がふかふかになります。その結果、水はけや通気性が改善され、ドクダミが地下茎を伸ばしやすい土壌環境を作ることができます。生ゴミ処理剤など販売されていますが、発酵の促進は米ぬかで十分でした。
新しく株を増やしたり、植え替えを予定している場合は、植え付け時期の数か月前から雑草や生ゴミを埋めて土づくりを始めておくのがおすすめです。暖かくなり始める春が適期のため、冬のうちから準備しておくことで、有機物の分解が進んだより良い土壌環境でスタートできます。
水耕栽培でも育つ
水道水に含まれる栄養分でも生育する
ドクダミは土耕だけでなく、水耕栽培でも育てることができます。水道水に含まれる微量のミネラルで育つため、大葉(青ジソ)の水耕栽培のように液体肥料を追加する必要がありませんでした。肥料代がかからないため経済的なうえ、週1の水交換以外にほとんど手間がかかりません。
また、現在は行っていませんが、過去には睡蓮鉢(赤玉土)や水槽(ソイル)の中でドクダミを育てたことがあります。そのため、ドクダミはビオトープに取り入れる植物や、アクアリウムで育てる水草代わりの植物としても適しています。
ただし、室内の水槽内で水中葉を展開させながら育てる場合は、かなり強い光量が必要になります。このとき、陸上で育っていた葉は次第に枯れ、水中環境に適応した新しい葉が生えてきたと記憶しています。
水耕栽培でも葉だけでなく、地下茎が成長したり、新しい茎が枝分かれします。冬になると地上部の葉は枯れてしまいますが、地下茎は水中で成長を続け、ミミズのように長く伸びていきます。この地下茎は春になってから土に植えれると、新しい株として育つため、増殖用のストックとしても活用できます。
ドクダミは厳しい冬の北海道でも越冬できるほど耐寒性が非常に高く、冬でも地下茎が生き残りますが、水が高温になると腐ることがありました。そのため、真夏は直射日光の当たる窓辺よりも、比較的涼しい北向きの窓辺で管理した方が調子が良かったです。
また、ドクダミはそれほど強い光を必要としません。おおよそ1,000Lux程度の明るさでも生育しますが、光量が多いほど成長が早くなり、葉色も濃くなります。植物育成ライトを使用した場合も順調に育ち、2,000~3,000Lux程度の照度があるUSBタイプ(5V)のライトでも十分に栽培できました。
ドクダミの調理方法
葉の収穫方法
ドクダミというと、深緑色の葉や赤紫色や黄色を帯びた葉縁から、どこか毒々しい印象を持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、うちの環境(ポリカーボネート屋根のベランダ)で育てると、葉は青みを帯びた明るい緑色になり、野菜やハーブの葉に近い印象で、食欲をそそる色合いになります。
家ではドクダミは指の第二関節くらいの大きさになったら収穫しています。ドクダミの葉を収穫するときは、葉柄の付け根付近をハサミで切り取るのがおすすめです。ドクダミを観察していると、葉の付け根の少し下に小さな突起のようなものがありますが、この突起が新芽で成長すると新しい葉になるためです。
そのため、葉を収穫する際は、この突起を残すように突起より上の部分で切り取ったほうが効率よく収穫できます。新芽を傷つけずに残しておくことで、その後も次々と新しい葉が展開し、長期間にわたって収穫を楽しむことができます。
ドクダミの天ぷら
天ぷら粉に冷たい水を(1:1.6)の割合で混ぜます。このとき天ぷら粉が少し残るくらいで止めるのがポイントです。混ぜすぎるとグルテンが多く形成されて衣が重くなり、サクサク感やパリパリ感が失われてしまうためです。
水洗いして水気をよく拭き取った2枚のドクダミの葉を衣につけます。今回は手間で省略しましたが、あらかじめ葉っぱに天ぷら粉をまぶしておくと衣が均一につきやすくなります。
衣をつけた2枚のドクダミの葉の表同士を重ね合わせます。ドクダミの葉は大葉(青ジソの葉)に比べると小さくて食べ応えがありません。そのため、2枚を重ねて1枚の大きな葉のようにすることで、ボリュームが増して物足りなさを補えることができ、しっかり食べているという満足感がでます。
菜箸を入れて小さな泡がシュワシュワと勢いよく出る温度(170℃程度)で衣をつけたドクダミの葉を揚げていきます。好みにもよるかもしれませんが、個人的に泡がでなくまるまで揚げたほうが、柔らかい「クニュッ」と感がなくなり、「パリッ」としたクリスピーな食感になり好きです。
なお、揚げ物に慣れていない場合は、電気フライヤーを使うのがおすすめです。ガスコンロやIHでは火力の調整が難しく、食材を入れた瞬間に油温が下がったり、逆に加熱しすぎて温度が上がりすぎたりすることがあります。その結果、衣が油を吸ってベタついたり、焦げたりしやすくなります。
一方、電気フライヤーは設定した温度を自動で維持してくれるため、油温の管理が非常に楽です。その結果、わたしのような料理が下手な人間でも、ドクダミのような薄い葉からコロッケのような厚みのあるものも綺麗な色でサクサクに揚げることができるうえ、油も少量で揚げられ長持ちするため経済的です。
料理が苦手な私がTWINBIRDの電気フライヤーで揚げたドクダミの葉と大葉です。ドクダミは大葉と違い、揚げると鮮やかな緑色はほとんど失われてしまい、見た目だけなら「苦そう」「クセが強そう」という印象を受けるかもしれません。しかし、あの強烈な香りが9割ほどマイルドになり、少し酸味のある山菜料理のような風味になります。いつも塩を軽く振って食べていますが、食欲をそそる味わいで、お酒のあて(つまみ)にもぴったりです。





































































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