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錆びて穴のあいた瓦棒トタン屋根をDIYで補修・塗装!アサヒペン「油性高耐久アクリルトタン用α」をレビュー

錆びて穴のあいた瓦棒トタン屋根をDIYで補修・塗装!アサヒペン「油性高耐久アクリルトタン用α」をレビュー ブログ

築35年の瓦棒トタン屋根に錆が発生

【悲報】下屋根の竪樋付近に赤錆が発生する

一軒家の下屋根に使われている瓦棒トタン屋根

築35年になる実家の下屋根の上にはアルミ製のベランダ(バルコニー)が設置されており、雨が降るとそのベランダの屋根(ポリカーボネート)に降った雨水は軒樋に集められ、竪樋を通って下屋(げや)へと排水される構造になっている。

ベランダに設置した遮光シート

ベランダの柵には猫が外に脱走しないように遮光シートを張っていたため、普段はその下にある下屋の状態が見えにくく、屋根の劣化が進んでいることに気づかなかった。ある日、遮光シートを外して下屋根を見ていると、竪樋から雨水が流れ落ちる付近を中心に赤錆が発生していることが分かった。

瓦棒トタン屋根に発生した赤錆

錆びが発生した位置関係からして、長年にわたって同じ場所に多くの雨水が流れ続けたことで塗膜の劣化が他の面より早く進み、塗膜が限界突破をむかえたところで錆が発生がし、そのままジワジワと周辺に進行していったと考えられる。

瓦棒トタン屋根に使われている素材

下屋根はプラ系の樹脂製だと思い込んでた

瓦棒トタン屋根の上を歩く

恥ずかしながら、これまで実家の下屋根は、樹脂製の屋根材が使われているものだと思いこんでいた。キッズの頃、親に怒られるとBダッシュでベランダから下屋根に出て、そのまま地面にダイブしてエスケープをきめこんでいた。そのとき、金属っぽい音も反発感も全然なかったことから、大人になってからも「メンテ不要のプラスチック」と思い込んでいて完全にノーマークだったという。

メッキが剥がれてコスパ全振りの悲しい現実が見える

瓦棒トタン屋根に使われる金属素材

ところがどっこい、表面に赤錆が発生したことをきっかけに改めて調べてみると、一定間隔で棟から軒先方向へ縦に凸部が並ぶ「瓦棒トタン屋根」と呼ばれる金属屋根であることが分かった。

瓦棒トタン屋根は、金属板を縦方向に葺いていく工法の一つで、30年前の屋根材には母材の鉄板にメッキが施された[亜鉛めっき鋼板][ガルバリウム鋼板]や、耐食性の高い金属屋根材[ステンレス鋼板][アルミニウム板][銅板]などが使用されていたようだ。

実家の下屋の表面には赤錆が発生していることから、少なくとも鉄を基材とする鋼板系の屋根材である可能性が高いが、ガルバリウム鋼板の評価が確率されていない35年前や底辺階級だったことを考慮すると、おそらくコスパ全振りの亜鉛めっき鋼板が使われているのは間違いないだろう。

瓦棒トタン屋根の構造

錆を放置するリスク

瓦棒トタン屋根の構造(下地)

さらに瓦棒トタン屋根の構造を調べてみると、一般的に金属屋根材の下には、[防水紙]→[野地板]→[垂木]の順で下地が構成されているようだ。

ちなみに、瓦棒トタン屋根には(心木なし)と(心木あり)の種類があり、瓦棒にかぶせているキャップがコの字になっている形状は(心木あり)、キャップの中央に凹みがある形状が(心木なし)と見分けることができる。

心木なし瓦棒葺きはアップデートされた種類のようで、従来の心木ありの瓦棒葺きは、心木側面に釘を打って屋根材を固定しているため、心木がない瓦棒葺きより雨水が侵入しやすいようだ。

腐食して傷んだ屋根の下地

現時点では赤錆が発生しているだけで、金属板に穴は開いていなかった。しかし、赤錆が発生しているということは鋼板の腐食が始まっているということであり、このまま放置して腐食が進めば、やがて金属板が薄くなり、穴が開いてしまうのは時間の問題だろう。

金属板に穴が開けば、そこから雨水が入り込み、その下にある下地(野地板や垂木などの木材)が水分にさらされ、雨漏りの原因となったり、放置していれば腐朽にもつながる。

そこまで被害が進めば、錆落としや再塗装だけでは済まず、屋根材や下地を含めた補修が必要となり、修繕費用も大きくなってしまう。穴が開いて下地まで傷んでからでは遅いため、これ以上錆びの腐食が進行する前に塗装することにした。

屋根の洗浄と苔(シミ?)を除去するのまき

瓦棒トタン屋根に発生した黒い苔

10年以上前にも業者に依頼してこの下屋根を塗装してもらったことがあり、そのときの費用は8万円ほどだったと記憶している。今回も業者への依頼を考えたが、できるだけ費用を抑えたかったことと、足場を組まずに作業できることから、自分で錆びて穴があいた屋根を修繕+再塗装してみることにした。

15歳のころから現在に至るまで、自転車・単車・車・木部・鉄部など、さまざまなものをDIYで塗装してきた。その間には多くの失敗をやらかしており、痛い目見て骨の髄まで叩き込まれた真理が一つだけある。塗装前の下地処理をサボると、塗料がうまく密着しなかったり、塗膜が早く剥がれたりして地獄を見るということだ。そんな後悔をしないように、今回もまずは屋根をしっかり洗浄+ケレンすることにした。

屋根には赤錆だけでなく、軒先付近に黒い苔(シミ?)のようなものが発生しており、表面を触ると粉が付着するチョーキングも起きていた。チョーキングは塗膜が劣化すると現れる症状で、苔も塗膜の劣化によって表面の撥水性が低下し、水分や汚れが残りやすくなると発生しやすくなるようだ。こうした症状は、業者いわく屋根の塗り替えサインになるという。

つまり、本来なら赤錆が発生するまで放置せず、こうした変化に気づいた段階で塗り替えを検討すべきだったのだろう。定期的な確認をしてもっと早くメンテを入れとけば、塗膜による防錆効果を維持でき、今回のような屋根の傷みも防げたのだろう。長い間ろくに確認もせず、錆が出てからようやく慌てて補修することになったのだから、まさに身から出た錆である。

散水ノズルで黒い苔は落とせなかった

タカギの散水ノズル(メタルガンLIII)で屋根の苔を除去

まずは、屋根に発生していた黒い苔を洗い落とすことにした。当初は高圧洗浄機を使うつもりだったが、コンパクトなモデルでは洗浄力が低いようで、こびり付いた苔を除去するには、ある程度パワーのある大型モデルが必要になりそうだった。

しかし、できるだけ物を減らしている断捨離中なので、屋根の洗浄が終わったあと、使用頻度の低い大型の高圧洗浄機が場所を取るのは避けたい。そこで高圧洗浄機の購入はあきらめ、一般家庭の水道ホースに取り付ける散水ノズルで代用できないか試してみることにした。

少しでも水勢の強いものを選びたかったため、園芸用散水用品で有名なタカギさんに問い合わせたところ、同社の散水ノズルの中では「メタルガンLⅡ(QG1134BK )」と「メタルガンLⅢ(QG1140BK )」が特に勢いの強い製品だと教えてもらった。問い合わせに対するメーカーの対応も丁寧で非常に好印象だった。

そこで「メタルガンLⅢ」を購入して実際に試してみたのだが、残念ながらメタルガンの水圧だけで屋根にこびり付いた苔を落とすことはできなかった。やはり、水道水の圧力をそのまま利用する散水ノズルと、ポンプで水を加圧して噴射する高圧洗浄機では洗浄力に大きな差があるようだ。

しかし、苔そのものを水圧で剥がすことはできなかったものの、メタルガンはレバーの握り具合によって水量や水の勢いを細かく調整できるため、後述する屋根の洗浄やすすぎの作業では便利に使うことができたので無駄にはならなかった。

狭い範囲の下屋根ではデッキブラシは役に立たない

山崎産業のデッキブラシで屋根の苔を除去

散水ノズルで簡単に苔や汚れを除去できる作戦が失敗したので、次は山崎産業のデッキブラシを使って屋根に付着した汚れや苔をこすり落とすことにした。

デッキブラシは柄を寝かせて前後に動かせば、屋根表面の汚れは除去できるものの、柄が細いこととブラシが長いためか、思ったより力強くこすることができず、頑固にこびりついた苔を落としにくかった。

また、屋根の長さが短い狭い場所では長い柄が壁にあたり、絵を倒しながら前後に動かせないので、取り回しが悪くなり、力強くブラッシングできなかった。その他に細かな場所ではブラシが届きにくく、壁との取合部分や瓦棒の墨部についた汚れを落とすことができなかった。

手持ちタイプのタイルブラシと目地ブラシが活躍

手持ちタイプのタイルブラシ

そこで途中から選手交代。手で握って直接こすれるOheのグリップ付きの「サッとるタイルブラシ」に交換してみた。これが予想以上に洗浄力が強く、体重をかけて力を加えやすいため、デッキブラシより効率よくドブ板に頑固にこびりついた苔を落とすことができた。

瓦棒トタン屋根の各部名称ただし、外壁との取合い部分・瓦棒の角部・軒先部位(桟鼻・唐草)などの細かい場所になると、デッキブラシ同様にブラシの幅が邪魔になり、使い勝手が悪くなることと、苔を汚れを落とせない問題が発生した。

瓦棒・外壁との取合・軒先部位の汚れを落とすのに最適な目地ブラシ

そこで同じくオーエの「目地ブラシ」を投入。細長くて取り回しやすいので、タイルブラシでは届きにくかった狭い隙間や角にもスッと入り込み、硬いハードブラシ側を使えば、シャカシャカと苔や汚れを効率よく落とせた。

屋根の苔や汚れを落とすタイルブラシと目地ブラシ

広い面はタイルブラシでゴシゴシ、細かい部分は目地ブラシでシャカシャカ。一戸建て住宅の下屋根など、比較的狭い範囲を洗浄するだけなら、このお風呂のタイル掃除でも使われている二刀流で十分だと感じた。

また、高圧洗浄機のように水や剥がれた汚れが勢いよく飛散しないのも利点である。高圧洗浄機を使う場合、隣の敷地や公道まで水や汚れが飛んでしまう可能性があるため、周囲への飛散を防ぐ養生が必要になるが手作業なら飛散する範囲を抑えられるからだ。

屋根をケレンするのまき

マジックロンで足付け

瓦棒トタン屋根のケレン作業

屋根の苔や汚れを洗い落としたあとは、1日乾燥させてからケレン作業に入った。ケレンとは塗装前に錆や浮いた旧塗膜を除去して塗料の密着性を高め、塗膜を長持ちさせるための下地処理である。

今回は皮スキやスクレーパーで削り落とすような浮いた旧塗膜や厚い錆は見当たらなかったので、不織布研磨材(マジックロン#中目)を使って屋根全体を研磨することにした。

目的は塗装面に細かな傷をつけて塗料の密着性を高める下地処理(足付け)である。表面に微細な凹凸を作ることで塗料の食い付きがよくなるため、ケレンや足付けをしっかりすることで、塗膜が剥がれにくくなり、その後の耐久性が大きく変わるという。

錆びた部分に穴があいていることに気づく

瓦棒トタン屋根の錆によって開いた穴

マジックロンで錆びた部分をガシガシ研磨していると、黒く錆びていた部分に小さな穴が開いていることに気づいた(研磨中にあいた可能性も?)。さらに強くこすると穴が増えたり、腐食して薄くなった部分まで削って穴を広げたりしそうだったので、この周辺については無理に錆を落とし切ろうとせず、足付け程度の研磨にとどめることにした。

心配だったのは穴から入り込んだ雨水によって野地板や垂木などの下地まで傷んでいないかという点である。そこで周辺に体重をかけて状態を確認したが、ミシミシと異音がしたり、踏んだ部分がフカフカと沈み込んだりする感触はなかった。そのため、少なくとも踏んだ感触からは下地に大きな腐朽はなさそうだと判断した。

瓦棒トタン屋根の穴をコーキングで補修

見つかった穴はいずれも小さかったため、今回は上から塗装可能な変成シリコーン系シーリング材を充填し、パテベラで表面をならして塞ぐことにした。経験上、セメダインの変成シリコーンシールは黒の耐久性が高いので色は黒を選んだ。材質が脆くなっていて接着性が悪い場合は、同社の「プライマーMP-1000」をあらかじめ塗布したほうよいだろう。

日本ミラコン産業 トタンなおし

ただし、変成シリコンで穴を埋めたから知ったことだが、日本ミラコン産業さんから「トタンなおし」という、亜鉛鉄板に生じた穴やひび割れを補修するための製品も販売されているようだ。補修パウダーとグラスファイバーを組み合わせて補修する製品で、今回のようにDIYで脆くなった部分の穴塞ぐのであれば、変成シリコーンシールよりも補修箇所を強固に補強できる「トタンなおし」を使ったほうが適していたように思う。

救世主の塗料(アサヒペン 油性高耐久アクリルトタン用α)

業者に依頼する下屋根塗装の料金

屋根の洗浄やケレン作業が終わったので、瓦棒トタン屋根に使用する塗料を選ぶことにした。個人的に油性塗料は、塗装中の溶剤臭が強いためあまり好きではないうえ、乾燥するまで臭いがするので近所迷惑にもなるので水性塗料を選びたかった。

しかし、今回は屋外で雨風や紫外線にさらされる金属屋根の塗装であり、何度も塗り直す手間を考えると、塗膜の耐久性や防錆性能を重視したかった。そこで臭いについては妥協し、水性ではなく油性塗料を選ぶことにした。

錆の上から直接塗れる

アサヒペン 油性高耐久アクリルトタン用α(こげ茶)

いろいろと調べている中で良さげな塗料だと感じたのが、アサヒペンの「油性高耐久アクリルトタン用α」である。トタン屋根などに使用できる油性塗料で、特に目を引いたのが“錆の上からそのまま塗れる”という「よく耐えたな!あとは俺に任せておけ!」といわんばかりのキャッチコピーだ。

通常、錆びた鉄部を塗装する場合は、錆や剥がれかけた旧塗膜を除去したうえで、錆止め塗料による下塗りを行う必要がある。しかし、この塗料は特殊強力防錆剤を配合しており、ケレンや洗浄の工程後にそのまま塗装できるので、ものぐさなわたしでもノリノリで作業できる塗料となっている。

油性高耐久アクリルトタン用α(特殊強力防錆剤の役割とサビを防ぐ仕組み)

メーカーの説明では、塗装時に比重が大きい防錆剤は下のほうに移動し、鉄に発生した錆びを覆うという。そのため、水分の侵入を防ぐだけでなく、鉄を覆った防錆剤が長期間新たな錆びを抑えるという。Amazonレビューを見ていても、錆びの上に塗っている人も散見され、1,000件以上の口コミがあるにも関わらず、剥がれたなどのクレームが一件もない。

余ってもこんな場所にも塗れる

アサヒペン 油性高耐久アクリルトタン用αの塗装可能素材

また、トタン板をはじめとした屋外の鉄部だけでなく、木部にも使用できるのも高いポイント。屋根を塗り終えて塗料が余ったとしても、他の部位(破風・庇・雨樋・波受・雨戸)などの塗装に活用できるため、無駄になりにくいということで、油性高耐久アクリルトタン用α(1.6kg)をポチった。

庇と雨樋を塗装

実際に余った塗料を使って、玄関や窓の上部に取り付けられている庇(ひさし)のほか、経年劣化で色あせてきた雨樋や、雨樋を支えている錆びた雨樋受け金具も塗装した。また、ガスコンロの油はね防止に使用しているレンジガードの素材もガルバリウム鋼板でメッキが剥がれて錆が発生していたため、こちらも余った塗料で塗装した。

アサヒペン 油性高耐久アクリルトタン用αと油性超耐久シリコンアクリルトタン用の比較

追記:塗装後に知ったことだが、アサヒペンからは、今回使用した「油性高耐久アクリルトタン用α」よりも耐候性を高めた「油性超耐久シリコンアクリルトタン用」も販売されている。

こちらには、紫外線による塗膜の劣化を抑えるHALS(紫外線劣化防止剤)が配合されているうえ、特殊シリコンアクリル樹脂を使用しているので、紫外線による塗膜劣化や光沢低下に強いだけでなく、汚れがつきにくく、酸性雨・酸性雪・塩害から保護する能力も高いと思われる。

なお、耐久性が高い分、価格も「油性高耐久アクリルトタン用α」より上がる傾向にあるようなので、価格差を許容できるのであれば、耐候性の面では油性超耐久を選んだほうがよいだろう。

油性塗料に使用した刷毛

トタン屋根の塗装に使用した万能刷毛

水性ステインを塗装するときに大塚刷毛の「塗来」を使うようになってからというものの、それまで使っていた割安な万能刷毛は使わなくなり、何本も余っていた。そこで今回はローラーを使わずに、この万能刷毛を消費するために刷毛で瓦棒トタン屋根を塗装することにした。

「30mm」「50mm」「70mm」の3サイズの刷毛を使い比べてみたが、ドブ板や瓦棒は70mmが一番塗りやすかった。刷毛幅が広いため一度に塗れる面積が大きく、作業効率もよかった。一方、軒先部位(桟鼻・唐草)は70mmでは幅が広すぎて取り回しにくく、30~50mmのほうが塗りやすかった。

ペイントうすめ液で希釈しないと塗りにくい

うすめ液で希釈せずに塗装したアサヒペン油性高耐久アクリルトタン用α

まずはうすめ液で希釈せずに塗ってみたのだが、想像以上に粘度が高く、刷毛にたっぷり塗料を含ませなければ伸ばしにくかった。メーカーでは塗りにくい場合はペイントうすめ液を10%以内で加えるよう推奨しており、このままでは塗料の消費量も多くなりそうだったため、ペイントうすめ液を購入することにした。

油性塗料に使用するニッペのペイントうすめ液

しかし、この時期は中東情勢の悪化とホルムズ海峡をめぐる問題からナフサが得られる原油の供給が減少。さらに国内流通の目詰まりなどが重なり、シンナーの原料の一つとなるナフサ不足によりペイントうすめ液が品薄になっていた。

そのため、ひとまず腐食が進んでいた部分だけを優先して塗装し、屋根全体の塗装はいったん中断していた。オチしていたところ、9月上旬に高騰していたペイントうすめ液が一時的に安くなったタイミングで購入して作業を再開した。

ペットボトルをサゲ缶代わりにして塗料を希釈

最初は塗料が入った丸缶へ直接うすめ液を加えていた。しかし、1㎡(1平米)ほど刷毛塗りしているうちにうすめ液が揮発したためか、次第に塗料の粘度が上がって塗りにくくなってしまった。塗料の粘度が高くなるたびにうすめ液を継ぎ足していくと、本来期待される耐候性や防錆性の効果が低下するかもしれないと不安に感じ、その日は塗装作業を中断した。

ペットボトルで作った塗装用サゲ缶

翌日からは、毎回ほぼ同じ割合で希釈できるように、1日に使う分だけ別容器へ取り分けて希釈する方法に変更した。塗料用の容器には、空のペットボトルを切ったものを簡易的な下げ缶(サケツ)として代用していたが、足をぶつけると簡単に倒れそうだったので、途中からポリ製の下げ缶を使用した。

塗料を撹拌する自作ペイントミキサー

毎回、塗装を始める前に棒を使って手で塗料をかき混ぜるのが面倒だったため、手元にある材料を使って簡易的なペイントミキサーを自作することにした。

小さい塗料缶用のペイントミキサー(攪拌棒)を自作
小さい塗料缶用のペイントミキサーを自作!木製丸棒と結束バンドだけで簡単に作れた下屋の塗装にアサヒペン「油性高耐久アクリルトタン用α 1.6kg」を使用した。塗料は使う前に十分な撹拌が必要だが、手作業で混ぜるのは意外と大変である。実際、木の棒...

作り方は簡単で、細い丸棒の先端に結束バンド(タイラップ)を2本取り付け、撹拌羽根として使える長さを残して余分なバンド部分をカットするだけである。あとは丸棒の反対側をドリルドライバーのチャックにくわえさせれば、簡易ペイントミキサーの完成だ。

使用するときは、結束バンドの部分を塗料の中へ入れてから、飛び散らないようにドリルドライバーを低速で1分ほど回転させる。手作業で何度もかき混ぜるよりも短時間で撹拌でき、缶の底に沈殿した顔料なども混ぜやすくなった。

塗料が溢れない注ぎ口の作り方

塗料缶から液だれせずに塗料を注ぐ方法

YouTube動画で見る

塗料缶から別容器に注ぐ際に塗料が縁を伝って垂れるのを防ぐため、缶の縁にガムテープを貼るとよかった。缶の縁にテープをU字がV字になるように貼って注ぎ口を作ることで、塗料を狙った場所へ注ぎやすくなり、缶の側面に垂れて汚れにくくなる。

うすめ液で希釈して塗装した油性高耐久アクリルトタン用α

実際に塗ってみると、刷毛塗りでは塗料100gでおよそ1㎡ほどの面積を塗れるため、毎回100g程度を取り分け、そこへ約10gのペイントうすめ液を加えて希釈した。希釈すると塗料の伸びが明らかによくなり、無希釈のときと比べて格段に刷毛をスイスイと動かしやすくなり、ベランダ横の広い面も刷毛(70mm)でなんなく濡れた。

瓦棒トタン屋根で塗り残しやすい箇所

刷毛の塗装で反省点となったのが、後日明るい時間に確認すると、塗り残し(かすれや透け)が見つかったことだ。実は真夏の日中は暑すぎたため、主に日が沈んでから作業していたのだが、暗くなるにつれて塗装面の状態が確認しづらくなり気づかなかったという。

特に瓦棒の側面にダメ出しが多く、下地が露出している箇所が複数あった。きちんと塗り残しがないように刷毛で何度もなぞっていたのだが、おそらく、うすめ液の揮発して塗料の粘度が高くなり、塗料が十分に伸びずかすれが生じていたのだと思う。

幸い塗料が少し余ったので、夏が終わって涼しくなったら、30~50mm程度の細い刷毛を使って塗り残した部分だけを補修塗りする予定である。

この塗り残しを見て、既存塗膜とあえて異なる色を選ぶのも一つの方法だと感じた。塗装前後の色の差が大きければ、どこまで塗ったのか一目で判別しやすくなり、塗り残しの防止にもつながると感じた。

瓦棒トタン屋根で塗り忘れやすく傷みやすい箇所

瓦棒トタン屋根で塗り忘れやすい軒先部分

屋根工事業者の施工事例をいくつか見ていると、瓦棒の軒先側の先端部分である「桟鼻」や、屋根材の軒先端部に取り付けられている「唐草」周辺が錆び、腐食によって穴が開いたり欠損したりしている事例が多く見られた。

軒先部位は屋根の表面を流れてきた雨水が切れる場所であるため、屋根の中でも水分の影響を受けやすい部分だという。さらに桟鼻や唐草周辺は形状が複雑で刷毛が入りにくく、塗装工事でも十分に塗料が行き渡らなかったり、業者によっては塗り残されたりすることがあるようだ。

こうした条件が重なることで、ほかの部分よりも錆や腐食が進行しやすいのかもしれない。

参考動画:【テイガク】金属屋根・金属外壁の専門工事会社
軒先付近が劣化して雨水が浸入すると、瓦棒内部の心木や野地板・垂木などの下地が長期間湿った状態となり、腐朽につながるおそれがあるようだ。実際に屋根を剥がすと定期的に塗装をしていたにも関わらず、軒先部位辺りの下地が腐食している事例も見られた。さらに屋根の勾配が緩いと雨漏りの原因になる可能性も高いという。

そのため、屋根全体を塗装する際には平場だけでなく、桟鼻や唐草を含む軒先部分も忘れずに洗浄・ケレンし、錆や旧塗膜の状態を確認したうえで塗装しておきたい。実際に塗ってみると、この部分は形状が複雑で大きな刷毛では取り回しにくかった。今回は30mm程度の刷毛を使用したところ、桟鼻や唐草周辺の細かな部分にも毛先を入れやすく塗りやすかった。

屋根の塗装でペンキ飛び散らせない簡単な養生方法

瓦棒トタン屋根の養生

塗装時は比較的粘度が高いため飛び散りにくかったが、ペイントうすめ液で希釈して粘度を下げると、その分だけ塗料が飛散しやすくなった。屋根の端に向けて刷毛を払わないようにするなど、かなり注意しながら力を加減し刷毛を動かしていたものの、それでも数滴ほど軒樋に付着していた。

そのため、塗装する屋根が隣地に近い場合や、下に公道や駐車車両などがある場合は、トラブルを避けるため注意が必要だと感じた。塗料の飛散を防ぎたい場合は、雨樋に段ボールなどをスプリングクランプなどで固定して塗装したほうがよいだろう。

アサヒペン「油性高耐久アクリルトタン用α」を塗った艶と撥水性

アサヒペン 油性高耐久アクリルトタン用α 塗料 1.6kg こげ茶(2度塗り)

油性高耐久アクリルトタン用αを使う前は、耐久性を考えて屋根全体を2回塗りするつもりだった。しかし、実際に塗ってみると、1回塗りでも下地を十分に覆う塗膜が形成され、周囲の景色が映り込むほど強い光沢が出た。メーカーも1回塗りとしているため、屋根全体をむやみに重ね塗りするのはやめ、錆が発生していた区画だけ補強を兼ねて2回塗りし、それ以外は1回塗りで仕上げることにした。

アサヒペン 油性高耐久アクリルトタン用αの色見本

色は「こげ茶」を選んだのだが、実際に屋根へ塗ってみると、個人的には想像していた濃い茶色よりもベンガラを思わせる赤みの強い茶色に感じた。もう少し深みのある濃い茶色に仕上げたい場合は、色見本を確認したうえで「新茶」を候補にしたほうがよさそうである。

瓦棒トタン屋根の錆びと穴を補修して塗装した後

錆によって小さな穴が開いていた部分は、変成シリコーン系シーリング材で補修したため多少の凹凸が残っているものの、その上から塗装したことで周囲と一体化した仕上がりになった。塗膜も十分に硬化しており、爪でコツコツと叩いてみたが、簡単に剥がれそうな感じはしなかった。

塗装後には早速台風の影響で激しい雨に見舞われたが、屋根を確認すると雨水をしっかり弾き、水滴が表面に残るほど良好な撥水性を確認できた。少なくとも施工直後の塗膜については、満足できる仕上がりである。

アサヒペン「油性高耐久アクリルトタン用α」の耐久性

気になるのは撥水性と封じ込めた錆びが今後どの程度維持されるかだ。仕上がった直後の塗装面だけを見ると、塗膜にはしっかりとした厚みと強い光沢があり、かなり丈夫そうな印象を受けた。あくまで見た目や触った感触からの個人的な印象ではあるが、これが屋内で使用する塗料であれば、光沢は10年以上軽く維持できそうに感じるほどである。

しかし、今回は屋外の屋根なので、雨風や紫外線にさらされる時間、日当たりなどの条件によって劣化の進み方は大きく変わってくるだろう。施工直後の仕上がりを見る限りでは、艶の引けは短くても2~3年、条件がよければ5年くらいは維持してくれそうな印象を受けた。実際に同じ塗料を塗装した方の3年後の動画を見ると、艶の引けが起こっているように見える。

ただし、仮に2~3年ほどで艶が引けたとしても、その時点で塗膜の防錆・保護性能まで直ちに失われるわけではない。今回かかった主な費用は1.6kgの塗料が約3,500円と、160gほど使用したペイントうすめ液代だけと低予算。DIYであれば数年後に再塗装しても大きな出費にはならない。

今回初めて屋根を塗装して思ったことは、苔や染みなどの汚れの除去が大変だったうえ、全体の塗膜が剥がれてくるとケレン作業もさらに大変になりそうなので、今後は色あせやチョーキングなどの塗替えのサインを確認したら、塗膜が剥げる前にすぐに重ね塗りをしていく方針でいきたい。

下屋をDIYで塗装したまとめ

今回、瓦棒葺きのトタン屋根をDIYで補修・塗装してみましたが、一軒家の下屋程度の範囲であれば、屋根に付着した汚れや苔は柄の長いデッキブラシを使わなくても、お風呂掃除などに使う手持ちのタイルブラシで十分落とせました。むしろ細かな部分まで力をかけやすく、作業しやすかったです。

汚れを落とした後は、マジックロンなどの研磨材でケレン(足付け)を行い、塗料が密着しやすい状態にしました。また、錆によってできていた小さな穴については、今回は変成シリコーン系シーリング材で充填してから塗装することで補修できました。

「アサヒペン 油性高耐久アクリルトタン用α」はそのままだと粘度が高く、刷毛では少し塗りにくく感じたため、ペイントうすめ液を約10%加えて希釈すると塗り広げやすくなりました。

大掛かりな道具を用意しなくても、タイルブラシで洗浄 → マジックロンでケレン・足付け → 小さな穴を補修 → 塗料を適切に希釈して塗装という手順で、古くなった瓦棒トタン屋根をDIYでメンテナンスできました。

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