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耳栓の比較表 |
用途にあった種類を選ぼう
ウレタンと弾性発泡ポリマーの比較
4種類の耳栓をDIY作業でテスト
耳栓を使用したことをない人は、耳栓なんてただのゴムの塊だと思われるかもしれませんが、耳栓には様々な種類が存在します。耳栓の型には『ヘッドフォン型』『イヤホン型』『柄のついた型』『コード(紐)のついた型』など様々なタイプ販売されています。
また、耳栓の素材にも色々なものがあり、DIYのカテゴリにある耳栓の素材を大別すると〔フォーム〕〔フランジ〕のタイプがあります。最近ではデジタルのものや被せる系のシリコンタイプも販売されています。このページでは、管理人みずから、騒音値90dB以上の電動工具を使用するときに、色々なタイプの耳栓を着用して比較使用した感想を記載しています。
耳栓の選び方
遮音性能とフィット感
耳栓に高い遮音効果を求める場合、耳栓のNRR(dB)の数値が選ぶ目安となります。(dB)の数字が高いほうが遮音性能は高くなります。しかし、家の防音工事でも、どんなに防音性の高い素材を使っても、隙間があいていれば防音効果が薄れてしまいます。
耳の穴径や肌質は人それぞれなので、自分の耳穴に隙間なくフィットして、肌に負担のかからないものを選んだほうが高い遮音効果を得られる場合もあります。DIY作業の場合は無音になってしまうと、作業がしづらくなったり、危険な場合があるので、高い遮音性のものが適さないこともあります。
つけ心地も大事
耳栓は素材や人によって長時間つけていると耳が痛くなることがあります。どんなに遮音性能が高くてもつけ心地が悪かったり、耳が痛くなるとストレスがたまり快適に作業ができなくなります。なので作業シーンに合わせて自分の耳にあったものを選びましょう。耳栓の圧迫感が強く耳が痛くなるというレビューも多くみかけたので、耳の穴が小さいかたはSサイズのものを選ぶとよいでしょう。
フォームタイプの耳栓には、様々な種類の商品がたくさんあります。普通サイズの耳栓を何種類つけても耳が痛くなる場合は、耳の穴が小さい可能性があります。耳栓には小さいサイズのものもあるので、小さいサイズの耳栓をネットで探す場合は、〔耳栓 Sサイズ〕〔耳栓 Mサイズ〕などのキーワードで検索して調べてみてください。
フォームタイプ
遮音性 |
素材:ウレタン・ポリウレタン
柔らかいから長時間つけていても痛くならない使い捨て用耳栓
フォーム型の耳栓は、主に〔ウレタン〕や〔ポリウレタン〕などの素材で作られたものが多く、マットレスなどに使われる〔低反発スポンジ〕のように柔らかくマシュマロのような粘性があります。ウレタンやポリウレタンは水や光に弱いので防水効果はありません。使い捨て用なので、1ペアでなくセットになっている商品が多いです。
耳栓の取り付け方は、本体を指で丸めながら潰して耳穴に挿入すると、すぐに膨らんで耳穴にジャストフィットします。取り付け方は耳栓の中で一番手間がかかる面がありますが、長時間つけていても耳が痛くならないので、長時間大きな騒音にさらされる作業に向いています。
この耳栓は耳穴に詰めるタイプでは最も遮音性が高く感じました。特にMOLDEXの耳栓は本体が長くテーパー状になっているので耳穴の奥まで隙間なく塞いでしまうので遮音効果が高い。この素材の耳栓は使い捨て用なので、使い続けていると弾力が落ちてきて圧迫感が弱くなります。なので、へたってきて遮音効果がなくなってきたら新しいもと交換します。
使い捨て用と言っても数回使った程度で弾力が落ちてくるわけではありません。一ヶ月も使えば明らかに潰してから元に戻るスピードが遅くなるとともに、耳の穴をふさぐ圧迫力弱くなるので、遮音性が落ちてきます。検証では、水洗いして繰り返し使うことも可能でした。しかし、水洗いをしても弾力性が戻ることはありませんでした。水に濡れたMOLDEXはタオルの上にのせて握って水気をとると1日で乾きます。
素材:弾性発泡ポリマー
遮音性 |
フォームタイプなのに繰り返しつかえる!
フォーム型の耳栓の素材には〔弾性発泡ポリマー〕のタイプも販売されています。〔ウレタン〕や〔ポリウレタン〕素材のフォームタイプの耳栓は使い捨て用ですが、こちらの素材は防水効果があるので、汗にも強くプールなどにも使用することができました。私の体感では、ウレタン素材より遮音性が若干低い感じがしました。
ウレタン素材より少し硬く、本体を潰したときに元に戻るスピードが段違いに早いので、慣れていないと耳の穴にはめこむ前に膨らんでしまい正しく入れられない場合があります。フランジタイプより耐久性は落ちますが、水洗いが可能なので繰り返し使用することができるので、ウレタン系のフォームタイプの耳栓より経済的です。
フランジタイプ(プラグ系)
エラストマー・シリコンタイプ
遮音性 |
すぐに着脱できるので騒音時間の短い作業に最適+シリコン素材なので経済的
耳穴に詰めるタイプの耳栓には上で紹介した『スポンジ系』だけでなく、スムーズに耳穴に抜き差しができる『プラグ系』の耳栓があります。プラグ系の耳栓にはエラストマーやシリコン素材で作られたものが多く、ゴムのような素材なので耐水性があります。なので、長期間使い続けても弾力が落ちくることもなく、汚れても水洗いすれば繰り返し使用することが可能なので経済的。
この耳栓は柔かいフランジ(ヒレ)がついており、耳穴に抜き差しするだけでつけられるので、詰めるタイプの耳栓の中ではナンバー1のつけ易さです。しかし、素材が『スポンジ系』に比べると固く、長時間つけていると耳が痛くなる欠点があります。レビューでも耳栓が固いので「痛くなる」という悪評価のレビューが目立ちます。なので、これをつけて長時間作業や勉強をする用途ではおすすめしません。
しかし、一時的に耳栓をつける場合の作業では個人的におすすめです。『スポンジ系』に比べると軸があるのですぐに耳から脱着することができますし、コード(紐)がついたタイプが多いので無くして床を探し回ることもありません。また、『スポンジ系』のタイプより遮音性が落ちるので、浅く差し込むことにより機械の異音にも気づきます。自分は音の大きな電動工具や機械を使う時間が短いので、よくこのプラグ系の耳栓やイヤーマフを一時的に使用しています。
痛いというレビューをよく見かけますが、軸の部分が硬いので恐らく軸まで耳穴にいれてる方もいると思います。先に近いほど細くなっているので、耳に入れる深さを調整することにより、痛みを軽減することができます(遮音性もおちます。)そのまま引っ張って耳穴から抜くと鼓膜を痛めることがあるので、耳穴から抜く時は、耳を上に引っぱり耳穴を広げている状態でねじりながらとりだします。
イヤーマフ
遮音性 |
スムーズに脱着-高い遮音性!
こちらの耳栓は、耳穴に詰め込むタイプと違い『ヘッドフォン型』になっています。耳全体にプラスチックの壁を作っているので音を跳ね返す作用があります。また、中には吸音材のようなスポンジパッドがはいっているので、高い遮音効果がえられます。ちなみに、自作で1~2枚ほどウレタン素材のような柔らかいものを敷けば、さらに高い遮音効果を得られそうな感じがしました。ヘッドホンと同じようにカップの長さの調整が可能で、耳当て部にはソフトクッションがついているので高いフィット感も得られます。
TVのボリューム音を最大に上げて〔耳穴に指をつっこんだ状態〕と〔耳を手のひらで押し付けて覆った場合〕後者のほうが遮音性が高いと思います。射撃、戦場、パイロットの方の動画を見ていもイヤーマフを装着していることから、大きな騒音にはイヤーマフのほうが効果的なのかもしれません。私自身も写真の安価なイヤーマフでもフォームタイプの耳栓より高い遮音性を身をもって感じました。
これまでイヤーマフに対して大げさなイメージがありましたが、耳穴に詰め込むタイプと違い素早く脱着できるメリットがあるので、工房など作業現場が固定されてるような場所ではイヤーマフのほうが融通が利きます。しかし、安物は長時間装着しているとうっ血したような感じになり耳の周りが痛くなるので、長時間装着する作業ではレビューをよく見て耳に優しいものを選んだほうがよいでしょう。また、夏場は蒸れて暑くなるので、暑い時期は『フランジタイプ(プラグ系)』を使用しています。
イヤーマフ+耳栓
遮音性 |
イヤーマフと耳の穴に詰め込むタイプの耳栓を併用することにより、さらに高い遮音性が得られました。目の前でキーボードを打つくらいの小さな音は全て消えてしまいます。しかし、騒音を発生させる電動工具や機械の音を完全に遮音することはできませんでした。やはり、耳の穴を全てふさいで、イヤーマフで耳に壁を作り吸音材を入れても、大きな音(音波)というのは耳穴以外からも伝わってくるので、この辺が耳栓の遮音の限界だと思います。
いかがだったでしょうか。耳栓を長時間装着するような作業では、なるべく耳が痛くならないものを選びましょう。耳栓を一時的にしか装着しない作業ではスムーズに着脱が行なえ、落としてなくしにくい紐のついた耳栓やイヤーマフがおすすめです。
わたしは食器を洗う音や椅子を引きずる音で目を覚ましてしまうこともあるので、最近は耳栓をつけて睡眠をとることもあります。耳栓をつけると生活環境音が聞こえなくなるので、熟睡したいとき、読書や勉強で集中したいとき、近所の騒音(工事、車等)が不快で悩んでいる方にもおすすめです。