マスクの種類
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用途にあったマスク
防じんマスクの種類を大別すると、使い捨て式と取り替え式の2種類があります。
それぞれ粒子捕集効率を3段階に分類して、区分の数字が高いほうが、捕集効率が高くなっています。
作業内容や粉じんの種類に適した区分を選ぶことも大事ですが、防じんマスクには、色々なオプション品や機能があるので、〔機能〕〔重さ〕〔使用限度時間〕等も配慮しながら、用途にあった防じんマスクを選びましょう。
防じん用
防じん用マスクは、ミクロン単位の粉じんをカットすることができるので、建設現場だけでなく、埃などによるアレルギー、花粉、PM2.5、放射能、汚物の臭い対策等にも使われています。
防毒用
このページでは紹介していませんが、防じん用以外にも防毒用マスクも販売されており、毒ガス(塗料などの有害な有機化合物)から身体を守る場合は、防じんマスクではなく『防毒マスク』を装着しましょう。
取替え式 防じんマスク
左:DR31C2(水洗い可能) | 右:DR77R(水洗い不可) |
長時間使用しても呼吸が楽で経済的
取り替え式マスクは、ろ過材(フィルター)を本体から着脱できるようになっているので、ろ過材を取り替えることにより、繰り返し使用することが可能です。
取り替え式のマスクは、前から見ると分かりにくいですが、使い捨て用マスクより、大きな黒い排気弁がついています。排気弁は息を吐くときに開かれるので、息が吐き出しやすくマスク内に熱気がこもらない効果もあります。
この排気弁は息を吸うときには開かないので粉じんが浸入することはありません。上の白い弁は息を吸うときに開かれますが、ろ過材を通った空気なので粉じんは浸入しません。
接顔部の素材
顔の接顔体の素材が〔エラストマー〕や〔シリコーン〕になっているので、使い捨て式のマスクに比べると、隙間があきにくくなり、『漏れこみ』が発生しにくい作りになっています。
エラストマーやシリコーンの違いですが、同じゴム素材なので肌触りにあまり大差はありません。
シリコーンゴムは、エラストマーより耐熱性・耐寒性に優れていて、エラストマーは、燃やしても有害物質が発生しない特長があります。どちらも防水性があるので過酷な環境で使用しないのであれば拘る必要はありません。
ろ過材(フィルター)
ろ過材は、粉じんをシャットダウンしてくれるフィルターです。
フィルターは、ろ過面性が広く通気抵抗があがりにくくなるので、長時間着用していても呼吸が楽になります。
使い捨て式は〔使用限度時間〕が定められていますが、取替え式は目詰まりするまで使用することができます。
また、重松製作所の取り替え式のろ過材は、ほとんどが撥水・發油性のフィルターなので、水だけでなく油も弾いてくれます。オイルミスの浮遊、散水しながらの作業にも適しています。
水洗いが可能なろ過材
ろ過材は目詰まりしてくると新しいものと交換しなければいけませんが、重松製作所のろ過材には水洗いが可能なタイプも販売されています。経済的にマスクを交換したい場合は、水洗い可能なろ過材を取り付けられる防じんマスクを購入をおすすめします。
私は防じんマスクの使用頻度が少ないので、写真左の水洗い可能なDR31C2に交換しました。これで1年間は、フィルターを買い換えることもないでしょう。
このフィルターはすぐには乾かないので、使用頻度が高く毎日交換する場合は、複数持っていたほうがよいと思います。乾かしている間に予備のものを使う感じで。
防毒用フィルター(吸収缶)
塗料などの有毒な化学物質から身体を守ってくれます。
現在は、トルエンが含まれた塗料はあまり使われなくなっているようですが、昔は密室で塗装作業をしている際に、中毒死で作業員が亡くなられる事故が起こっていました。
某印刷会社でも、インク取り除くために使われていた洗浄剤が原因で、胆管がんが集団発生した事故があり有名です。ホームセンターなどで販売されている塗料にも、油性の場合は塗装時に頭が痛くなり、気分が悪くなる場合もあるので、毒ガス等が発生する作業内容の場合は、防じんマスクではなく、防毒マスクを装着しましょう。
※換気にも十分に気をつけましょう。
使い捨て式 防じんマスク
使い捨て用タイプ
使い捨て用の防じんマスクなので1枚の単価が安価になっています。
厚生労働省は、使い捨て用の防じんマスクにだけ使用限度時間を表示するように義務づけています。
使用限度時間は、ほとんどの使い捨て式マスクが24時間未満ですが、30時間を越えるものも存在します。
マスクを選ぶポイントは、作業内容に合った区分が大事ですが、接顔部に隙間があいているようなマスクだと漏れこみが高くなってしまうので、隙間なくフィットするマスクを選びましょう。
使い捨て式の防じんマスクは、取り替え式マスクのように、接顔体がゴム素材ではなく、形が崩れやすいものやフィット感が悪いものもあるので注意が必要です。
防じんマスクの機能やオプション品
メリヤスカバー NRK | 接顔カバーE |
肌のかぶれ対策(疾患)
メリヤスカバーや接顔カバーEを接顔部に取り付けると、ゴムかぶれを防ぐことができます。
取り替え式の防じんマスクは、接顔体の素材がシリコーンゴムやエラストマーになっているので、汗やゴムで接顔部に触れている肌がかぶれる場合があります。
ゴムかぶれ等を起こす場合は、接顔カバーやメリヤスカバーを接顔部に取り付けてからマスクを装着したほうがよいでしょう。
メリヤスカバーNRK | メリヤスカバー2R |
メリヤスカバー
メリヤスカバーは水洗いをおこなっても、何度か繰り返し使用することが可能でした。
汗かぶれ対策の商品ですが、生地が厚いので長時間つけていても接顔体にあたる部分が痛くならない利点もあります。また、カタログには掲載されていませんが、メリヤスカバー2R用というカバーも販売されており、こちらは厚手の生地になっているので、ソフトな肌当たりで肌が痛くなりません。(こちらも水洗い可能でした。)
接顔カバーE
接顔カバーEは使い捨て用です。
少し力を入れて引っ張るとちぎれてしまうような薄い生地になっているので、水洗いして繰り返し使用することは難しいでしょう。水洗いして使用するならメリヤスカバー2Rが柔軟もあり肌触りがよいのでお勧めです。
吸水マット | マスク内に溜まる水分対策
取り替え式の防じんマスクを長時間使用していると、マスク内に水が溜まります。
昔はマスクの中にガーゼをいれて水分を吸収していましたが、カタログを見ていると吸水マットというものが別販売されているようです。
息には水蒸気が含まれているので、1日中マスクを装着して作業をしていると、必ずマスク内に水分が溜まるので必需品です。この吸水マットは水洗いすることができ、繰り替えし使用することが可能でした。
マスクの種類によって、マットの種類も変わる場合があるので注意。
伝声器 | 声を伝えやすい
マスクを装着しながら会話をすると、自分の声がこもるので相手に自分の声がはっきりと伝わりません。
取り替え式の防じんマスクには『伝声器』が備わっているモデルがあり、伝声器付きのマスクの場合、マスクを口元から外さなくても、相手にはっきりと自分の声を伝えることが出来ます。
一人で作業をする場合には必要のない機能ですが、他の作業者と会話(受け答え)をしながら作業をする場合は、伝声器付きのマスクのほうが便利です。
活性化炭素繊維 |嫌気もシャットダウン
重松製作所の防じんマスクには、〔区分2:RL2〕のろ過材にだけ、活性化炭素繊維(ACF)がフィルターに分散されています。このため、〔区分2:RL2〕のろ過材は全てフィルターの色が灰色をしています。
他メーカーの使い捨て用の防じんマスクでも、色が灰色の場合、活性化炭素繊維が分散されているものが多い。
活性化炭素繊維入りのフィルターは、粉じんだけでなく、溶接やグラインダー作業で発生する不快な臭いもシャットダウンします。レビューを見ていると、人やペットの汚物処理でも使用している人もいるようです。
私が持っているマスクも〔RL2〕なので、試しに芳香剤にマスクを当てて匂いを嗅いでみましたが、香りは全くしませんでした。
排気弁 | 熱気やムレを軽減
使い捨て用マスクには排気弁が付いているタイプがあります。
排気弁がついていると、息を吐くときにだけ黄色い弁が開くので、熱気やムレを効率よく排出できます。
息を吸うときには弁は開かなくなっているので、粉じんが浸入する心配はありません。
排気弁が付いていると、マスクの中の暑さや息苦しさを軽減できるので、普通のマスクより着用しているときの不快感が軽減されます。長時間着用する場合は、排気弁がついているタイプをお勧めします。
取り替え式のマスクにも大きな排気弁がついているので、使い捨て式(排気弁付き)より、熱気がこもりにくいと感じました。
フィットテスト(密着性の確認)取り替え式
取り替え式防じんマスクには、フィルターの吸気口を手の平でふさぎながら息を吸う事で、隙間があいていないか確認することができるモデルがあります。
手の平チェックが出来ないモデルは、フィットチェッカーを吸気口に取り付けて、ゴム管を指でつまみます。
接顔部に隙間がない場合は、息を吸い込んだ時に、どこからも空気が流入してきません。
隙間があいていると息を吸ったときに、フィルター以外の部分から空気が流入してくるので、きちんと装着しなおします。
動画1:30頃からマスクの密着性を確認する方法が紹介されています。