乾電池式ライトをコンセントに挿して使いたい
12年ほど前にテントで生活していた頃、テント内の照明として使っていたものが、乾電池式(単3形)のキャプテンスタッグのLEDランタン(M-1327)である。小型でほどよい明るさが気に入っており、テント生活を終えてからもしばらく使っていた。
しかし、単3形乾電池の交換や充電が次第に面倒になり、いつしか使わず埃をかぶるようになってしまった。断捨離を機に処分することも考えたが、デザインや使い勝手そのものには不満がなかったため、USB電源やコンセントから給電できる有線式にして延命できないかと考えた。
当初はランタンを改造するつもりで色々と調べていたが、単3形乾電池の代わりに使用することで、乾電池式の機器をUSBから給電できるようにする「USB給電式のダミー電池」という製品が販売されていることを知った。
そこで実際にUSB給電式のダミー電池を購入し、乾電池式のランタンを改造せず、本当にUSB電源やコンセントから使えるようになるのか試してみることにした。
ダミー電池とは?乾電池の代わりに外部電源から給電できるアイテム
「USB給電式ダミー電池」と聞いても、どのようなものなのかピンとこない人も多いかと思う。簡単にいえば、乾電池と同じ形をした部品を電池ボックスに入れ、外部のUSB電源から機器へ電力を送るためのアイテムである。
普通の乾電池と大きく違うのは、電池型の本体から電源コードが伸びていることだ。ダミー電池自体に電気を蓄えているわけではなく、コードの先端にあるUSB端子を「USB ACアダプター」に接続すると、コードからダミー電池を経由して機器の電池端子へ電力が供給される仕組みだ。
使うときは、通常の乾電池と同じようにダミー電池を機器の電池ボックスへセットし、そこから伸びているコードを電池ボックスの外へ出してUSB電源に接続する仕組みである。つまり、USB ACアダプターを使用すれば家庭用コンセントから給電できるほか、乾電池より大容量のモバイルバッテリーや電動工具用バッテリーなどを電源として使用することもできる。
USB給電式ダミー電池の種類
USB給電式ダミー電池には、大きく分けて出力電圧が固定されているタイプと、使用する機器に合わせて電圧を変更できる可変電圧タイプが販売されており、選び方を間違えると機器が正常に動作しなかったり、過電圧によって故障したりするおそれがあるため、使用する機器に適切なものを選びたい。
固定電圧 タイプ
固定電圧タイプは、その名のとおり出力電圧があらかじめ決められており、USB給電式では入力電圧と同じDC5Vに固定されている製品が多い。
単3形電池は種類によって異なるが、一般的に1本あたり公称1.2~1.5V程度である。例えば3本直列で使用する機器なら3.6~4.5V程度となるため、5V固定タイプでも動作する可能性がある。
一方、1~2本で使用する低電圧機器では5Vが過電圧となり、発熱や故障につながるおそれがある。反対に、4本以上を直列で使用する機器では電圧が不足し、LEDが暗くなる、モーターの力が弱くなる、正常に動作しないといった可能性がある。
実際に低評価の口コミでは、「機器が動かない」「機器が故障した」というレビューが散見されるため、固定電圧タイプを選ぶ場合は、機器の定格電圧が5Vに近いかを確認しておく必要がある。
可変電圧 タイプ
可変電圧タイプはDC-DCコンバーターが搭載されており、出力電圧を使用する機器に合わせて変更することができる。
付属するダミー電池の本数に合わせて電圧範囲を調整することができるため、例えば、単3形乾電池1本なら1.5V、2本直列なら3V、3本直列なら4.5V、4本直列なら6Vというように、ダミー電池の本数×1.5Vを目安に出力電圧を調整できる。
乾電池式のライトをコンセント化(AC電源化)してみた
可変電圧タイプを選んだ理由
前述した有線にしたい乾電池式のランタンの電池ボックスを見ると、単3形乾電池を4本直列で使用する仕様になっているうえ、商品説明ページにもDC6Vと記載されており、単3形乾電池4本の公称電圧(1.5V×4本=6V)と一致している。そのため、5Vの固定電圧タイプではランタンの定格電圧に対して1V不足することになる。
5Vでも点灯する可能性は高いものの、明るさが低下する可能性があるため、今回は出力電圧をDC1.5~12Vの範囲で調整できる可変電圧タイプのUSB給電式ダミー電池を購入した。出力電圧を変更できると、将来的にランタンのLEDが切れたとしても、別の単3形乾電池式機器に流用できるのも選んだ理由の一つである。
給電用1本+導通用7本で単3形乾電池1~8本に対応
購入した商品には、外部電源から電力を供給するコード付きの「給電用ダミー電池」が1本と、電池ボックス内の回路をつなぐための「導通用ダミー電池」が7本付属していた。ダミー電池の重量は1本わずか5gで26gのエネループと比べると約5分の1の軽さである。
単3形乾電池の公称電圧を1本あたり1.5Vとして計算すると、1本で1.5V、2本で3V、3本で4.5V、4本で6V、最大8本で12Vとなる。そのため、電圧と出力能力などの条件が適合すれば、単3形乾電池を直列で1~8本使用するDC1.5~12Vの機器に対応できる。
給電用ダミー電池の取り付け位置と注意点
直流電池ボックスの場合
コード付きの給電用ダミー電池については、単純な直列接続の電池ボックスであれば、電気的にはどのスロットに入れても問題ない。
直列回路では各スロットが1本の経路として順番につながっており、残りのスロットを導通用ダミー電池でつなげば、給電用ダミー電池をどの位置に入れても回路全体に電流を流せるためである。
実際に給電用ダミー電池の位置を1ヶ所ずつ変えて試してみたが、どのスロットに入れた場合でもライトは問題なく点灯した。
並列電池ボックスの場合
完全な並列接続では、各スロットの+端子同士、-端子同士がそれぞれ接続されている。そのため、1ヶ所に給電用ダミー電池を入れるだけで、ほかのスロットにも同じ電圧がかかり、機器へ給電することができる。
この状態で残りのスロットに+端子と-端子を内部でつないでいる導通用ダミー電池を入れると、電池ボックスの+と-が導通用ダミー電池を通して直接つながってしまう。
つまり、電源の+と-をほぼ直接つなぐことになり、短絡(ショート)が発生するおそれがあるため、完全な並列接続の電池ボックスでは、導通用ダミー電池を入れないよう注意が必要である。
電池ボックスの「直列」と「並列」の見分け方
電池ボックスが「直列」か「並列」かは、乾電池をセットする向きからある程度見分けることができる。一般的な直列接続では、隣り合う乾電池の+と-をつなぐため、乾電池の向きが交互になっていることが多い。一方、並列接続ではすべての+同士、-同士をつなぐため、乾電池がすべて同じ向きに並んでいることが多い。
ただし、これはあくまで一般的な電池ボックスの構造であり、乾電池の向きだけで直列・並列を断定することはできない。直列と並列を組み合わせた接続方式もあるため、判断できない場合は機器の仕様を確認したほうがよいだろう。
電圧調整ユニットの操作方法
給電ケーブルの途中には、各種操作を行うための黒いユニットが取り付けられている。
側面にはスライドスイッチがあり、USBケーブルを抜き差しすることなく、給電を簡単にON/OFFできる。機器本体の電源スイッチとは別に手元で給電を止められるため、ランタン本体のスイッチを操作しにくい場所に設置した場合でも使いやすい。
また、USB ACアダプターやモバイルバッテリーを接続したままでも、電圧調整ユニット側のスイッチで給電を止められるのも便利なところだ。使用しないときにわざわざUSBケーブルを抜く必要がなく、誤操作による不要な通電も防ぎやすい。
出力電圧はDC1.5~12Vの範囲で調整可能で、スライドスイッチの横にある電圧調整ノブを回して、使用する機器の定格電圧に合わせることが可能だ。
上面には7セグメントLED表示器が搭載されており、設定した出力電圧を数字で確認することができる。
ただし、実際に調整してみると、ノブを少し回しただけでも表示される電圧が予想以上に大きく変化し、狙った電圧に合わせるには少しコツが必要だった。
先述したスイッチを給電をOFFにした状態で電圧調整することが可能なため、出力電圧を調整するときはスイッチをOFFにした状態で行ったほうが安全だろう。ダミー電池を機器に装着したまま調整すると、誤って定格を超える電圧まで上げてしまい、過電圧によって機器を故障させるおそれがあるからだ。
ランタンの点灯を確認
USB ACアダプターを電源にした場合
ダミー電池のUSB端子を「USB ACアダプター」を介して家庭用コンセントに接続し、ランタンが実際に点灯するのか試してみた。
いきなり6Vで給電するのではなく、出力電圧を0V付近まで下げた状態でダミー電池をセットし、ランタンのスイッチを入れてから少しずつ電圧を上げてみることにした。
電圧調整ノブをほんの少しずつ右に回していくと、約2.4VでLEDが点灯。ただし、真っ暗な場所で目を凝らしてようやく点灯していることが確認できる程度で、周囲を照らせるほどの明るさではなかった。
そこからさらに電圧を上げていくと、3V付近で足元をかろうじて照らせる程度の明るさになった。その後も徐々に電圧を上げ、ランタンの定格電圧であるDC6Vに設定すると、新品の1.5Vアルカリ乾電池を4本入れたときと同じような明るさになった。
試しに10Vまで上げてみると6Vよりもさらに明るくなったが、定格電圧を超えて使用するとLEDや内部回路に負担がかかり、故障や寿命低下につながるおそれがある。明るくなるからといって電圧を上げすぎず、このランタンでは定格の6Vを超えない範囲で使用した方がよいだろう。
実際に試してみて便利だなと感じたのは、出力電圧を変えるとLEDの明るさも変化したことだ。今回のランタンでは、電圧調整ノブを使ってある程度明るさを変えられたため、本来は明るさ調整機能のないLEDライトでも、必要に応じて明るさを調整できるのは便利だと感じた。
モバイルバッテリーを電源にした場合
続いて、USB ACアダプターの代わりにモバイルバッテリーへ接続して試してみたところ、こちらも問題なくランタンを点灯させることができた。
モバイルバッテリーならコンセントのない場所でも使えるうえ、単3形乾電池より大容量の製品も多い。キャンプでランタンを長時間点灯させたり、作業時のワークライトとして使ったりする場合にも便利そうだ。
乾電池を何本も予備として持ち歩く必要がなく、普段スマートフォンの充電などに使っているモバイルバッテリーを電源として流用できるのもメリットに感じた。
マキタ・HiKOKIの電動工具用バッテリーを電源とした場合
手持ちのマキタとHiKOKIの電動工具用リチウムイオンバッテリーでも試してみたところ、どちらも問題なくランタンを点灯させることができた。
ただし、電動工具用バッテリーにはUSB端子がないため、そのままダミー電池を直接接続することはできない。そのため、バッテリーに対応したUSB出力アダプターを取り付け、USB電源として利用する必要がある。
電動工具用バッテリーはモバイルバッテリー同様に容量が大きいため、キャンプや停電時の照明、ワークライトなど、長時間点灯させたい用途にも使いやすい。
自分の場合、電動工具を使うのはたまにDIYをするときくらいなので、普段はバッテリーを使う機会があまりない。こうして照明の電源としても使えるようになれば、使用頻度の低い電動工具用バッテリーを有効活用できるのもメリットである。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)を電源とした場合
USB給電式ダミー電池の電源として、手持ちの12.8Vリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)も試してみた。
キャンプや車中泊、釣り、DIYなどを趣味にしている人なら、小型のLiFePO4バッテリーを持っていることもあるだろう。こうした趣味などで使用するとき以外は出番がなく、普段は埃をかぶっているという場合にも、USB給電式ダミー電池の電源として有効活用できる。
ただし、12.8VのLiFePO4バッテリーをUSB給電式ダミー電池へ直接接続することはできない。そのため、LiFePO4に対応したUSB出力端子付きソーラーチャージコントローラーをバッテリーに接続し、そのUSB端子からダミー電池へ給電した。USB端子からは5Vに降圧された電源を取り出せるため、問題なく使用できた。
LiFePO4バッテリーを使うメリットは容量の大きさである。小型の12.8Vモデルでも10~30Ah程度の製品があり、一般的なモバイルバッテリーや電動工具用バッテリーと比べても大容量の電源を確保しやすい。そのため、消費電力の小さい乾電池式機器の電源として使えば、充電する頻度を減らしながら長時間運用できるのが大きな利点である。
USB電源化したライトを人感センサーで自動点灯・消灯させる
無事にランタンのUSB電源化には成功したものの、このまま部屋に置いておいても、おそらく使う機会はほとんどない。そこで思い出したのが、以前から気になっていたトイレの照明の明るさである。壁を白くしてから自分には明るすぎて、狭い空間ということもあり、まぶしさや圧迫感を感じることがあった。
試しに今回USB電源化したランタンをトイレに設置してみると、周囲を照らすには十分でありながら明るすぎず、ほどよい明るさで落ち着いた感じになった。せっかく捨てずに延命したランタンの使い道としてもちょうどよく、しばらくトイレの照明として使うことにした。
ところが、使い続けているうちに、今度はトイレへ入るたびにランタンのスイッチをON/OFFするのが面倒になってきたという。
そこで追加したのが、USBケーブルの途中に接続して使用する「USB式人感センサースイッチ」である。人の動きを検知すると自動的に給電を開始するため、ランタンのスイッチを毎回操作する必要がなくなると思い購入。
実際にランタンに人感センサースイッチを接続し、出力電圧を6Vに設定した状態でも人感センサーは問題なく反応し、トイレの扉を開けるとランタンが自動で点灯するようになった。
使用して一ヶ月ほどが経過したが、トイレに入るたびにスイッチを操作する必要もなくなり、USB電源化した古いランタンを人感センサー付きのトイレ照明として活用できるようになった。
ちなみに、人感センサーの裏には半固定抵抗器(トリマ)があり、小さいドライバーで回すことで、人感センサーが検知してから出力をOFFにするまでの遅延時間(保持時間)を調整することができる。
型番(TIP-2026)で検索すると、仕様上の調整範囲は、18~360秒(約0.3~6分)となっているが、人感センサーの前にいるとずっと点灯したままになるので、トイレ中に消灯して真っ暗になることはなかった。
センサーの左右にはネジ穴があり壁にネジ穴することができる。壁に穴をあけることが出来ない場合は、付属されている両面テープで固定することも可能であった。
人感センサースイッチの入力側・出力側ケーブルは、それぞれ約30cmの長さがある。センサー本体を電源やライトの近くに設置する場合はそのまま接続できるが、設置場所によってはケーブルの長さが足りないこともある。その場合は、USB延長ケーブルに接続することで設置位置の自由度を高めることができる。








































































































































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