ドリルチャックとスリーブの違い
丸軸の先端工具がつけられないインパクトドライバ
ドリルドライバーや電気ドリルに取り付けられる先端ビットには「六角軸タイプ」と「丸棒タイプ」の2種類があります。ドリルドライバーと電気ドリルには、先端工具を爪で挟んで固定する「ドリルチャック」が備わっているので、どちらのタイプの先端工具も取り付けることができます。
しかしインパクトドライバーの「スリーブ」は六角軸(6.35mm)の先端ビットしか取り付けることができません。先端工具には様々な種類があり、中には丸棒軸のタイプしかない先端工具もあるのでインパクトドライバーに取り付けるのを諦めたり、ドリルドライバーを購入しようかと悩んだ経験はないでしょうか?
六角軸ドリルチャックアタッチメント
丸軸ビットが取り付けられるアタッチメント
このアタッチメントをインパクトドライバーに装着することで、丸軸のドリルや先端工具を取り付けられるようになります。このアタッチメントはドリルドライバーに備わっているキレースドリルチャックと同じものなので、一般的なものだとΦ1~10mmの丸軸を着脱することが可能です。
安価なもので1,000円以下で販売されているので、ドリルドライバーや電気ドリルを購入するより経済的です。丸軸の先端工具も取り付けられるようになるとインパクトドライバーで出来る用途も広がります。
ドリルチャックアタッチメントの種類
ドリルチャックの種類には「キーレスドリルチャック」と「キー付きドリルチャック」の2種類があります。
E-Value キーレスドリルチャック (インパクト適応タイプ)
キーレスドリルチャック 効率的にビットを着脱できる
『キーレスドリルチャック』は文字通り工具不要で先端ビットをスムーズに着脱することが可能ですが、きつく締めつけることができないので使用中の振動で先端ビットが落ちることもあります。
『キーレスドリルチャック』は、電気ドリルやボール盤などでも使用されることがあります。なぜかというと電気ドリルや卓上ボール盤には「キー付きドリルチャック」が備わっているタイプがあるので、先端ビットを取り付けるのに手間がかかり面倒だからです。
チャックが回らなくなりビットが外せなくなった場合は、チャック本体を思いっきり握り締め逆回転させて打撃(インパクト)をあたえると簡単に外れます。
キー付きドリルチャック ビットをしっかり締めつけられる
『キー付きドリルチャック』はテコを利用してチャックキー(チャックハンドル)でビットを締めつけられます。キーレスチャックより先端ビットをきつく締めつけられるので、作業中にビットが空周りしたり、チャックから外れにくくなります。
しかしビットの着脱に手間がかかることと、ハンドルを無くしてしまうと作業がストップしてしまう欠点もあります。チャックキーはコードなどに紐で縛りつけておくと無くしにくい。
チャックキーでチャックを回せなくなりビットが外せなくなった場合は、チャック本体を思いっきり握り締め逆回転させると緩めることができます。
精密ドリルチャック 極細ドリルを取り付けられる
精密ドリルチャックは一般的なドリルチャックでは取り付けられない極細ドリル(錐)を取り付けることができます。一般的なドリルチャックはビットを挟む爪が三つですが、精密ドリルチャックはピンバイスと同じ4つの爪で挟むので、1.0mm以下のドリルを取り付けることが可能です。
細いドリルは精密部品や基盤などの穴開け加工で使用されるので、これを卓上ボール盤やドリルドライバーに装着すれば効率よく小さな穴開け加工をすることができます。
注意点
打撃が加わると破損する先端工具
先端工具(ビット)によって、インパクトドライバーの速い回転力や強い打撃力(インパクト)が加わると破損したりすることもあります。
例えばインパクト用のドリルビットでなければ、打撃が加わったときに刃がかけたり折れたりすることがあるので、打撃が加わらないよう無理に押さえつけないように注意する必要があります。
またインパクトドライバーはドリルドライバーと違って回転数が速いモデルもあるので、速度切り替え機能や無段変速機能で回転スピードを低くしなければ使用できない場合もあります。
インパクトドライバー用でないタイプがある
ドリルチャックアタッチメントには、実は電気ドリル用とインパクトドライバ用のタイプがあります。インパクトドライバー用でないドリルチャックをインパクトドライバーに装着すると軸が破損しやすいので注意が必要です。
特にトルクの強いプロ用モデルの打撃が加わった瞬間に軸が破損することがあるので、インパクトドライバーに装着する場合はインパクトドライバー用のものを選んだ方がよいでしょう。