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雫型・真円・楕円の真珠(天然石)に垂直な穴をあける方法

ピンセット滑り止めボール盤
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差出人: k様
題名: お世話になります・小さな天然石への穴開けについて
メッセージ本文:
私は工具等安いミニルーターぐらいしか使用したことのない素人なのですが、どうしても小さな天然石に穴を開けたく、今回メールを書かせて頂きました。具体的には1cmほどのパールなのですが、形状が球根型(雫型)のものになります。その細くなっている部分を上に見て上から約3-5mmの場所にワイヤーを通す0.8mmほどの横穴を貫通で開けたいと思っております。ブログにありました[レクソンの卓上ボール盤]が良いのかなと思い自分なりに調べたのですが、不向きでしょう か?ダイヤモンドビットが折れてしまうとあったので怪我が怖く購入に踏み切れておりません。ミニルーターの方が良いと書いてあったので手持ちのもので試みたのですが、滑ったりして精密に垂直に開けることができませんでした。また時間がとてもかかり、もっと上手に短時間で出来る方法があるのではないかと思いメールを書かせて頂きました。お忙しいことと思いますが、おすすめの方法や工具等アドバイス頂ければ大変大変嬉しく思います。乱文失礼致しました。どうぞ宜しくお願い致します。

このメールは DIY工具紹介部 (http://diytool.biz) のお問い合わせフォームから送信されました

プロクソン ドリルスタンド No.28606

ボール盤 DP2250R 16110

「ドリルスタンド」「ボール盤」精度が高いのはどっち?

ざっくりまとめると

●基本的にドリルスタンドはわずかにガタツキが発生する
●ボール盤はガタツキが一切発生しない
●精度を重視する場合はボール盤のほうが適している

基本的に精度の高い垂直穴をあけたい場合は、ドリルを回転させながら直進運動を行うことができる「ドリルスタンド」や「ボール盤」が必要になります。双方の精度を比較するとドリルスタンドはドリルを固定するヘッドにわずかにガタツキが発生するのに対し、ボール盤の主軸頭はまったくガタツキが発生しません。

このため、細部に穴をあける用途ですと、剛性が高く振れ幅の少ないボール盤のほうが最適です。ボール盤の種類は多いですが、加工する工作物が小さい場合はベースがテーブルの役割を兼ねている「ミニボール盤」のほうが加工しやすいです。

真珠をバイスで固定する方法

雫型パール(真珠)の固定方法

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雫型のパールの固定方法ですが、プラスチック粘土でもしっかり固定できるのあれば問題ないかと思います。ただし、量産する場合だと効率が悪いため、バイスで挟んで固定する方法をおすすめします。一般的なバイスでは真円・雫・楕円形の天然石を固定することができないため、バイスの口にくぼみのつけた板を接着するとしっかり固定することができました。

アネックス(ANEX) ミニバイス35 APV-35

バイスにはくわえ部がゴム製のものがあり、もろい素材でなければ形状が真円・雫・楕円形でもしっかり固定できるかもしれません。割高なものもあるので、厚みのある安価なゴム板を貼り付けて試してみるとよいかもしれません。

バイスで丸い天然石を固定する方法

動画では板とバイスを接着していませんが、用途が限られているのであれば、「多用途ボンド」などで接着したほうがよいでしょう。板を接着した際はバイスを締め付けて圧着させながら放置すると接着度が高まると思います。ちなみに動画で使用しているバイスはミニボール盤に付属されていたバイスです。使い勝手が悪い場合は単品で販売されているバイスを購入するとよいでしょう。

木工用ドリル

板に綺麗に穴をあける場合は必ず先端が三角に尖っている木工専用ドリルを使用します。木工だけでなく鉄工用と記載されたドリルでは綺麗な穴があけられないので注意してください。パールもいろいろ形があると思うので、複数のサイズが入った木工用ドリルセットを選ぶとよいでしょう(1,000円ほどで販売されています)。パールの先細ったほうが、木工ドリルより細い場合は後述する先端が尖った「ダイヤモンドビット」を使用してくぼみをつけるとよいでしょう。
ちなみに、木工用ドリルには先端がネジ部になっているものがあり、ボール盤でこのタイプのドリルで穴をあけようとすると材料を引き上げながら回転するため危険です。

ピンセット滑り止め

一般的なピンセットだと滑りやすい
わたしが使用したピンセットで真珠を掴むと非常に滑りやすくバイスにせっとする際に往生するときがありました。試していませんが、ピンセットは滑り止めのついたタイプや先端にゴムがついているタイプのほうがよいかと思いました。
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BIGMAN(ビッグマン) マイクロドリルセット20プラスチック RS-300

真珠に0.8mmの穴をあけるのに必要な先端工具

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0.8mmのダイヤモンドビットがないため、穴をあける先端工具はハイス鋼(HSS)のマイクロドリルの0.8mmを使用しました。真珠に穴をあける時間は1分もかかりませんでした。超硬合金(タングステン)の問題ないと思いますが、どちらも0.8mmのドリルビットだと負荷をかけるとすぐに折れてしまうほど細いため、0.8mmのビットが複数入った商品を選ぶとよいでしょう。ドリルはレバーを慎重に引きながらゆっくり工作物に進入させていきます。

ダイヤモンドビット

ドリル刃が滑る対策
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ただし、マイクロドリルの先端がツルツルした真珠層に接触したときにドリルの先端が逃げてしまうため、あらかじめ、ドリルの先端が滑らないようにダイヤモンドビットで真珠層の表面を削る必要がありました。動画では先端の細いダイヤモンドビットを使用していますが、このビットで先端が滑る場合は、先端が丸いタイプのほうを使用します。※ダイヤモンドビットでも天然石に穴をあけることは可能です。
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保護メガネ

ミニボール盤で怪我をしないための安全対策

主軸が固定されたボール盤を使用した場合、ダイヤモンビットは工作物を動かしたり強い負荷をかけない限り滅多に折れることはありません。また、細いビットが折れたとしても「保護メガネ」を着用していれば大きな怪我(失明)をすることはありません。顔全体を守りたい場合は保護メガネと面体が一体化した「保護面」の着用すれば不安感は消えると思います。

個人的に真珠は印が見にくいホワイト&加工する穴が小さいため、ワークライトで土台を明るくしても穴の位置合わせが非常に困難でした。この場合、メガネタイプ拡大鏡のほうが作業がしやすかったです。

ボール盤は飛来物より、衣類(手袋・作業着・タオル等)が主軸や先端工具に巻き付いてしまことのほうが怖いです。骨が折れて悲惨なことになってしまうため、このような回転系の機械を使用する場合は手袋は着用しないのが基本です。怖い場合は材料をバイスやクランプで固定して加工すれば安全性が高まります。(下記のページに詳しくまとられています)。
ちなみに、家のミニボール盤はスイッチがはいりやすいです。必ずコードをコンセントにさす前にスイッチがOFFになっている確認してから、コードをコンセントに差し込むようにしています。

産研 安全講習会 工作機械・工具を安全に使用するために

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