涙を流すことはなくなった
木材や鉄鋼で一番多い加工工程は「切断」や「穴開け加工」だと思います。これらの加工はDIYでも重要が高いので、初心者でも簡単に精度の高い切断や穴明けが行える卓上スライド丸ノコやボール盤は一度使ってしまうと依存してしまうほど便利な機械です。
小型の卓上ボール盤
片手で持ちあげられるほどの軽さ
卓上ボール盤といえば昔は高価なイメージがありましたが、ネット通販などで見ていると、随分と廉価な機種も販売されています。雑な部分もあるようですが、DIYなら十分に使える代物ではないでしょうか。
しかし、13mm径のドリルが取り付けられる一般的な卓上ボール盤は、質量が20~30kgもあり、さらに大きな直立ボール盤などに比べると重さは軽くなっていますが、家で据え付ける場合、環境によってこれでも大きくて邪魔になる場合があると思います。また、出し入れして使うにしてもさすがに、30kgにもなると一苦労です。
そこで、おすすめするのが小形の卓上ボール盤です。一般的な卓上ボール盤と違い、「ベース」「コラム」「ヘッド」がコンパクトになっており、ベースがテーブルの役割も兼ねているので、大人であれば片手で持てるような軽さになっています。
小形のボール盤のほとんどの機種は、質量が10kg以下なので手軽に出し入れできるだけでなく、持ち運びにも便利だと思います。ちなみに写真の機種は7kgです。
ダイヤル1つでスピード調整ができる
一般的な卓上ボール盤は上部のカバーヘッドを開けて前後のプーリーにかかっているベルトの上下位置を変えてスピードの調整をしなければいけないので、自転車の落ちたチェーンを直すくらい手間がかかります。
小形卓上ボール盤の場合は、スピードを調整できるダイヤルが備わっているので、指でつまむだけで簡単にスピード調整が行えます。
しかし、卓上ボール盤と比較してみると、小形のボール盤は回転数が速いことが分かります。回転数を落とすとトルクも下がるようなので、例えば大きな穴を開けられるホールソーを使って、金属に大きな穴を開ける能力はありませんし、開けられたとしても回転数が速いので、すぐに刃を駄目にしてしまう欠点もあります。また、負荷をかけてるとすぐにモーターがお亡くなりそうなので大きい穴を開ける場合は、
ストローク幅が短い欠点
一般的な卓上ボール盤のストローク幅50mm前後ありますが、小形の卓上ボール盤の場合は20mm~40mmほどしかありません。この写真の機種のストローク幅は30mmなので、30mm以上の深さの穴を開けることは材料をひっくり返さないとできません。
小型の卓上ボール盤は回転数が速く細径のドリルに適しているので、小さい素材を扱う工作にはぴったりですが、厚みのある材料や大きな穴を開ける用途では不向きです。
フトコロ寸法が広い
フトコロ寸法は、ドリルチャックの中心からコラムまでの距離です。なので、フトコロが広い機種ほど、幅広い材料にも対応します。小形のボール盤はフトコロが100mm以上あるので、一般的な卓上ボール盤のフトコロと同等の広さがあります。ちなみに写真の機種のフトコロは112mmです。プロクソンは少し割高になりますが140mmもあります。
卓上ボール盤で対応できないほど幅広い材料を加工する場合は、ラジアルボール盤を使用します。ラジアルボール盤はヘッドが前後に移動させることができます。
切込ハンドルでラクラク昇降
ちゃんと本体右にハンドルレバー(切込ハンドル)もあるので、スロットのレバーを引くように簡単に穴を開けることができます。ハンドルレバーを引くと、ドリルチャックが昇降します。
ハンドルレバーの根元にはスーケルリング(ストッパーが利く)があるので、設定した任意の深さの穴を繰り返し開けることができます。目盛りは40mmまであるようですが、この機種のストローク幅30mmなので、30mm以上の深い穴を開けることはできません。
ヘッドの高さ調整方法
一般的な卓上ボール盤はテーブルを材料の幅に合わせてテーブルを昇降させますが、小型ボール盤はベース(土台)がテーブルの役割も兼ねているので、材料の厚みに合わせてヘッドを昇降させなければいけません。
ヘッドはコラムに固定されており、背面にあるロックレバーを緩めて、緑の高さ調整ハンドルを回すことにより、ヘッドの高さを調整することができます。
この高さ調整ハンドルは一般的な卓上ボール盤には備わっていない機種もあり、ロックレバーを緩めた後に手で昇降させなければいけないので、ハンドルを回して高さの微調整が行えるので便利です。