古い時代の洋画を見ていると気になる光景がありました。人が訪れた際に、扉についている金属製の輪を持って扉をノックしているというもの。気になって調べてみると、「ドアノッカー」という文字通りの道具であることが分かりました。
当時、引き戸が主流の日本では見かける機会が無かったはずです。沢山あったドアノッカーも、現在では世界的にもチャイムやブザーなどの機械が主流の時代になりました。それでも古くからの建物が多く残るヨーロッパ地域では愛用され続けています。
それに反して、最近では日本でも住宅のドアに付いている風景を見かけます。ノッカーとしての機能よりも、インテリアとしての人気が高まってきたことが背景にある様です。このノッカー、イオンなどをはじめとした様々な装飾が作られているので、見ているだけでも楽しくなります。
今回ご紹介するのは、そのドアノッカーを制作している様子を撮影したアメリカの職人Artismiaさんの「溶接で作るドアノッカー」。主な使用道具は溶接機械と研磨機だけ!複雑な形の飾り部分を作っていきます。動画では装飾から土台まで全て手作業で行っています。
まずは、溶接棒をトーチと呼ばれるガス溶接の機械で溶かし、ひたすら肉付け。研磨用のグラインダーで表面を滑らかにしていき、表情や細かな部分は木工細工、ガラス細工やプラモデルでの細かい部分の細工に使用するリューターを使って仕上げていきます。細かな額のしわや、髭の質感なども見事に表現されています。
更に職人技が光るのは、土台板の切断。グラインダーだけで行ってしまうという場面、使い慣れた工具は、もはや手先と同じ感覚なのですね。恐れ入ります。
最後のおまけに、実際に使用している様子があるのですが、「この部分で叩くの?」という展開に少しクスリとしました。職人さんのお茶目な部分が見えるのは、制作の段階で明らかになる装飾のモデル。これは手作りならではですね。
Youtube-Channneru