集塵機の種類
集塵機は機械から発生する粉じんや切り屑を集塵するツールで、種類は大まかに据え置き型と掃除機兼用型のモデルがあります。
据え置き型の大型のモデルは高価なうえ大きいので部屋には設置できませんし、小型のモデルだと床を掃除する用途でも使用する場合には不向きです。
掃除機兼用型(電動工具用集塵機)
掃除機兼用型の集塵機は、キャスターと掃除用アタッチメントがついているので、後片付けの清掃にも便利だと思いこちらのモデル(RP35RYD2)を選びました。
このモデルを購入する場合は、Amazonより楽天の(道具屋SUN)というショップのほうが安いです。
集塵容量は据え置き型に比べると少なくなりますが、自分の作業量だと多くても洗面器一杯くらい切り屑しかでないので問題ありません。
これで毎回サイクロン掃除機の目詰まりしたフィルターを板に叩きつける生活から開放されました。
掃除機兼用型の種類
掃除機兼用型のモデルには、乾式専用と乾湿両用の2種類のタイプがあり、乾湿両用モデルは湿ったゴミや液体も吸引することができます。
粉じんや切り屑はどちらの種類も吸い取ることが可能です。
付属品-ホースと共にあらんことを
掃除機兼用型の集塵機にはデフォルトで掃除用アタッチメントが付属されているのかと思いましたが、マキタの乾式専用の集塵機には掃除用のアタッチメントと38φの清掃用ホースが付属されていないので、別販売されているものを購入しなければいけません。
リョービは逆に電動工具接続用の細いホースが付属されていませんでした。
このモデルにはΦ38×2mのホース以外に、電動工具用(内径Φ25×3m)のホースと掃除用のアタッチメントも付属されていました。
(その他に口径の違うホースと繋げることができるアダプターも付属)
付属されていたΦ38×2mのホースは非常に柔らかいので取り回しが良いです。
掃除用アタッチメントは非常にチープなつくりになっておりリョービ製のものとそっくりでした。
ストレートホースは2本繋げると長く使いにくかったので1本外しています。
集塵機本体の背中には、アタッチメントを2本挿せるようになっているので、必要になった時に探しまわる心配はありません。
吸引力
吸込み力は同じメーカーであれば吸込み仕事率(W)が高いモデルの方が吸引力が強くなります。
リョービはモデルによって吸込み仕事率(W)に差があるので、リョービのモデルを選ぶ際は気をつけたほうがよいと思います。
このモデルの吸込み仕事率は〔強:320W/弱:160W〕あり、他のメーカーの乾式専用モデルに比べると高い数字です。
実際、インパクトドライバや切り屑を吸引してみましたが、家にあるキャニスター掃除機とは比較にならないくらい吸引力があり満足しています。
しかし長い鉋屑などを一気にたくさん吸引するとすぐに詰まるので、床を掃除する場合はこれまで通りホウキで掃いてから掃除するようにします。
結局ホウキで掃いて細かいゴミを吸い取るのであれば、狭い場所だと14~18Vの充電式マキタクリーナーが一番かもしれません。
騒音
吸込み力は強モード/弱モードの2段階しかありませんが、作動音は家にある安物の掃除機より静かです。
騒音値は家庭用掃除機と恐らく同じくらいの数値だと思うのですが、甲高いモーター音がしないので静かに感じます。
弱モードにするとさらに静かになり吸引力が落ちますが、粉じんや切り屑は問題なく吸引できます。
これまで安物の五月蝿いサイクロン掃除機を使ってきたので、静かなのに吸引力が強いと不気味である。
マキタのプロモデルは吸込み力の調整が5段階もあるので、騒音の気になる環境ではマキタのモデルのほうが適しているかもしれません。
マキタの騒音値(乾式専用:65dB 乾湿両用:63dB)
連動用コンセント
これはただのコンセントではなく、電動工具と連動させることが可能でした。
電動工具のスイッチ(ON/OFF)に合わせて集塵機のスイッチも連動するので、機械に接続して集じんする場合は、集塵機のスイッチをON/OFFにする手間が省けます。
因みにこのモデルの単動/連動とON/OFFのボタンは非常に押しづらいです。
連動用コンセントがついている集塵機は日立工機以外のメーカーにもあります。
電動工具に接続して使用する場合は便利な機能だと思いましたが、この連動用コンセントの許容電流はメーカーのモデルによって差があるので、電動工具と連動させて使用する場合は注意しなければいけません。
連動させるときの注意
許容電流:強モード:100~285W
許容電流:弱モード:100~665W
A(電力)×V(電圧)=W(電圧)
このモデルは上の消費電力を超える電動工具と連動させすることは出来ません。
集塵機は自分の消費電力〔強:1,140W/弱:760W〕と電動工具の消費電力を合わせて1,500W(15A)以上を超えるとアウトです。
消費電力が軽く1,000Wを超える電動工具や木工機と連動させていると、恐らく一般の家庭ですと配線用遮断機15A~20Aが働いてブレーカーが落ちます。
しかしブレーカーが落ちない環境や消費電力だった場合、作業し続けていると延長コードなどと同じでコードが溶けはじめるかもしれませんので、消費電力の高い電動工具と連動させたい場合は、許容電流の高いモデルを選んだほうがよいでしょう。
マキタの集じん機は吸込み調整段階数が5段階もあるので、消費電力を他社のモデルより抑えることができます。
連動付コンセントの許容電流を見ていると、消費電力1,050Wまでの電動工具と連動させることができるので、他のメーカーより許容電流が高くなっています。
高速回転するような電動工具や木工機の消費電力は軽く1,000Wを超えるモデルもあるので、消費電力の高い機械と一緒に連動させたい場合は、マキタの集じん機のほうがよいと思います。
スピードコントローラーで集塵機の吸引力を調整することは可能でしたが消費電力は変化しません。
集塵機の性能比較表では、連動用コンセントで使用できる電力もまとめています。
フィルター
カートリッジ式(粉じんフィルター)の目詰まりをおさえるために、最近のモデルはフィルターの上にプレフィルターをかぶせているようです。
プレフィルターはメガネ拭きなどで使われてる超極細繊維と同じような生地になっているので、粉じんフィルターまで粉じんが浸入しにくくなっています。
この粉じんフィルターのフィルター部は非常に硬かったので、耐久性は非常に高いでしょう。
実際の集塵容量は・・・
自分は最初、集塵機(掃除機兼用型)のフィルターがこんなに大きなものだとは思っていませんでした。
集塵機タンク内の大部分は巨大なフィルターが場所をとっているので、何処のメーカーも実際に集塵できる容量は、カタログに記載されている集塵容量よりも少ないのかもしれません。
ゴミをたくさん吸引する場合は、もう一回り集塵容量の多いモデルにしたほうがよいと思いました。
自作分離機
集塵容量の多いモデルは高価なので、機械に接続して集塵する場合は、(掃除機や集塵機)と機械の間に別の自作した分離機を繋げる手もあります。
フィルターをコンパクトにして、ダイソンの掃除機のようにフィルタが詰まりにくい構造になるように頑張ってほしいものです。
頑張れば吸い取ったゴミを瞬間的にライバル社の集塵機のタンクに転送させることくらい造作もないはずである。
こちらはマキタの乾湿専用の新しいモデル(VC2200とVC3200)のフィルターです。
作動中にエアーを逆噴射させフィルターを膨らませて粉じんの目詰まりを防止するようですが、フィルターは2個付で交互に逆噴射しているので、吸引力が落ちることやホースから粉じんが逆流する心配もないようです。
すごいですが質量が16kgとかなり重そう。
自動チリ落とし機能
マキタや日立工機の乾式専用の集塵機には自動チリ落し機能があります。
粉じんフィルターとプレフィルターの間にフィルタダンパ(ウレタンスフォーム)を入れることにより、吸引したときにダンパが圧縮され、さらにダンパにプレフィルターが密着します。
そして集塵機が停止したときに圧縮して縮んだスポンジが膨れ上がるので、プレフィルターについた粉じんが落ちる仕組みになっているようです。
因みにマキタの集じん機は粉じんフィルターにダンパが巻かれていますが、日立工機は粉じんフィルターの下にダンパがはいります。
このモデルはタンクが上下に伸び縮みさせることができますが、タンクを伸ばした状態でもダンパが底にひっつくほど長いので、タンクとフィルターの間にしかゴミを溜めることができず集塵容量が大幅に減ります。
(実際12Lの半分も回収できない気が。)
動画を見ているとマキタの484(P)もフィルターが大きくタンクの高さが低いので、記載されている集じん容量(8L)も集じんできないと思います。
ゴミが多い環境で使用する場合は、集じん容量の多いモデルを選ばないと、どちらを購入しても後悔するかもしれません。
このダンパの圧縮具合を見てると、すごく微妙な感じがしました。
実際に付着したチリなどを落とすほどの戻り力はなく効果が感じられないので外して使っています。
そしてプレフィルタの余った部分は上にまくりあげると、タンクの底と粉じんフィルターの間にスペースができるので集じん容量がアップします。
追記:8/30 青いプレフィルターも外しました。
プレフィルターに粉じんや埃が付着するので、ゴミ捨て時にフィルターを外す際に埃が舞い上がり、防塵マスクとメガネが必要なくらい惨事になります。
粉じんや埃が付着するのは仕方がないことですが、プレフィルターがタンクの直径と同じくらい大きいので、どうしてもタンクから外す時にチリ・ホコリ舞い上がり床にもゴミが落ちてしまいます。
市販のポリ袋も使用できる。
何処のメーカーも同じですが、集塵機は直接タンク内にゴミを回収することやポリ袋に回収することも可能です。
ポリ袋は市販のポリ袋をセットしても問題ありません。
ネットでポリ袋を購入する場合は「ポリ袋 L」「ポリ袋 リットル」で検索すれば、大きいサイズのポリ袋がヒットします。
このモデルに付属されていたポリ袋のサイズは「53cm×60cm」なので、市販のポリ袋(20L)「50cm×60cm」がちょうどいいサイズでした。
どのメーカーも厚みが0.04mm以上のポリ袋を推薦していますが、粉じんや小さい切り屑であれば少々薄くても穴が開く可能性は低いです。
現場だと釘、ビス、木片が転がっているので薄手のポリ袋だと穴が開くかもしれません。
説明書には、ポリ袋に四角い穴を開けるように記載されていましたが、取り込み口がくる部分に縦に切り込みをいれてテープで止めたほうが手間がかからず早くセットできました。
憂鬱なゴミ捨て
このモデルはポリ袋を使用せず直接タンク内に切り屑を溜め込んだ場合、タンクの中が凸凹しているので切り屑が引っかかりゴミを取り出しにくいです。
かといって振って落とそうとすると粉じんも舞い散ります。
リョービのタンクは厚さが薄くチープな作りでしたが、タンクの重さが軽く中はバケツのようにフラットでつるつるしているのでゴミが取り出しやすい。
ただ、どのモデルもフィルターについた切り屑や粉じんが辺りに落ちるので、集じん機の中を開けてゴミ箱に移すときは憂鬱である。
どんなに注意しても必ず床を掃除するはめになるという。
サイクロン方式
円周上に沿ってゴミが取り込まれるようになっているので、吸引された切り屑は遠心力と重力によって、タンクの周りを回転しながら下に落ちていくのでサイクロン方式で分離されるようになっているようです。
タンクの底部にはアースのようなものがあり、調べてみると摩擦によって静電気が生じるので粉じん爆発しないようにアースをとっているようである。
自作の集じん機でも粉じん爆発が起こることもあるのであろうか?と気になり画像検索で調べてみると、回収容器からアースをとってる人もいるみたいです。
●集塵機の性能比較表はこちらからどうぞ。