寺社連続油被害事件
時代から時代へ伝えられてきた文化財
今年2015年の春、関西地方を中心に起こっている「寺社連続油被害事件」という騒ぎがあります。
全国のニュースなどでも取り扱われてご存知の方も多いでしょうが、国宝や重要文化財などに油がまかれいる事件です。寺社などに撒かれている油状の液体はペットボトルやスプレーのようなもので吹き付けられたと考えられています。
4月4日に見つかって以降、関東や四国にも油が撒かれており、各地の警察が「文化財保護法違反」「器物損壊」「建造物損壊」など容疑で捜査を続行しています。いずれも故意の仕業とみられていますが、全国に広がっているところから模倣犯も混ざった悪質ないたずらの可能性も指摘されているところです。
誰が一体何の目的で
最も被害が多い奈良県では、有名な東大寺にまで被害がおよびました。最初に被害をうけた4月4日の岡寺というお寺は、飛鳥時代の約1300年前に建立されたといわれており厄除けで知られるお寺です。
本堂の柱や壁に油のような斑点状の液体跡があり、最大のものは60cmもあったそうです。その他、奈良県内で被害を受けた複数の寺の防犯カメラに、服装など似た不審人物が映っていたことが確認されています。
「アロマオイルのような匂いがした」という証言も出始めてからは、ネット内で「アジア諸国の宗教儀礼に使う香油をかける祈りの儀式のためではないか」という意見もささやかれましたが、二条城でも被害を受けたということから、愉快犯の可能性もあると思われます。
古い木材の奥深くに染みこんだオイル塗料や油を取り除くのは非常に難しいです。故意に油をかけた犯罪だとすれば、非常に悲しいなニュースである。