先月、「ダヴィンチ miniMaker」がAmazonで3万円を切っていたので、どんなものか入門機として購入してみた。以前は安いものでも5万円以上したのに随分と安くなったものだ。ちなみに、3Dプリンターというとフィギュアや玩具を作るような用途でしか使われないイメージを持っていたので、自分には不要だと考えていた。
しかし、個人が作った3Dプリンター用データー(STL)が公開されている「thingiverse」を見て考えが180度変わった。ここには、フィギュアやおもちゃだけでなく、事務用品、家庭用品、ガジェット、ツールなど何でも揃っているのだ。自分が3Dプリンターの通信販売を行うなら、3Dプリンターの本体じゃなくて、このサイトのデーターを紹介するだろう。
例えば、物を引っ掛けるフックが欲しいと思ったら、普通は、ホームセンターや通販サイトで買い物をすると思うが、3Dプリンターがあれば、「thingiverse」で「hook」と検索して、好きなフックのデーターをDLして出力すれば、ご飯を食べているあいだにフックが出来上がってしまうのだ。DIYで使うクランプ、ボルト&ナット、ジョイント、治具なんかお揃っているほど。
さらに、個人であれば無料で使い続けられる3D CADソフト(Fusion 360、Design Spark)もあるので、自分で作りたいものをモデリングしたり、作った3Dプリンター用データーをシェアすれば、3Dプリンターを持っている人がそれを出力することもできるのだ。ちなみに、1時間ほど練習すれば、簡単な形状の物を成形したり、立体物に穴を開けることは可能であった。
そんなこんなで、最近は3Dプリントしながら遊んでいたのだが、最初に付属されていたフィラメント(PLA)がなくなってしまったので、交換用フィラメントを注文した。新しく注文したものはブラック(RFPLCXJP01G)のフィラメント。無難な色で何にでも合う色と思ったのだが、3Dプリントしてみて気づいたことがあった。このメーカーのPLAのフィラメントはクリアタイプのフィラメントのほうが強度が強いようだ。
これは、リールに巻かれている状態の黒のフィラメント(RFPLCXJP01G)。指で90度に曲げると簡単に折れて割れてしまった。レビューには劣化しているという書き込みがあったが、一緒に購入した(クリア)のフィラメントは(黒)のように簡単にポキポキと折れなかったので、おそらくクリアが入ってない同社のフィラメントは強度が弱い特徴があるのではないだろうか。
これは一緒に購入したクリア(RFPLCXJP00J)のフィラメント。黒のフィラメントと同じように指で90度に曲げても粘りがあり折れて割れることはなかった。
これは、3Dプリンター本体に付属されていたクリアイエロー(RFPLCXJP03C)だ。やはり上のクリアと同じように、指で90度に折り曲げても割れることはなかった。
これは最近3Dプリントしていた掃除機のジョイントだ。ボタンを押すことにより本体から取り外せるギミックがついている。黒のフィラメントだとボタン(厚さ2mm)を押すと簡単に割れてしまったが、クリアイエローは何度押しても割れることはなかった。
一応、黒のフィラメントは温度を変えたり、充填密度を(100%)にしたり、インフィルパターンを(蜂の巣形状)にしてみたが、結果は同じで1回押しただけで簡単に割れてしまった。このことから、同社のクリア系でないフィラメントは、負荷がかかるような薄い造形物に不向きと考えたほうがよいかもしれない。
これはクリア(RFPLCXJP00J)で同じジョイントを出力したもの。やはり、クリアタイプのフィラメントは指で強く抑えても割れるはなかった。しかも充填密度を30%程度にも関わらずである。上のクリアイエローも充填密度は低くしており割れなかった。ちなみに、現在、クリアタイプのフィラメントの価格は、この色のついてないクリア(RFPLCXJP00J)が一番安価となっているようだ。
追記:フィラメントの白(RFPLEXJP01K)を別のショップで追加購入した。ブラックと同様にボタンを一回押しただけで真っ二つに割れてしまった。ボタンが割れる原因はプリントする方向にもあるだろうが、やはりクリア系の色と比べると、薄物の強度はクリア系のフィラメントのほうが強いようだ。なお公式によると、色による強度変化はないとのこと。