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石膏ボードの粉のような小さいゴミを遠心分離できる自作集塵機

小さいゴミも遠心分離できる自作サイクロン集塵機
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差出人: T 様
題名: 集塵機ついてメッセージ本文:
貝のアクセサリーを作るのに粉塵で困っていたところこちらのサイトを拝見いたしました。自作のサイクロン方式がいいなと思ったのですが、粉塵のような軽いものでも効果はあるのでしょうか?
使い方は削りながら吸うという使用方法です。現在はプロクソンの卓上集塵機を使っているのですが、フィルターに粉塵が山盛りになってしょっちゅうフィルタ ーを掃除しないといけません。また、吸いが弱いのかかなりファンの近くでないと吸ってくれません。手元で削ると周りが粉だらけ、といった感じです。
サイクロン方式のご説明で非常にいいなと思ったのですが、心配なのは木屑よりかなり軽く細かいので振り分けてくれるかなあというところが少々不安なところです。掃除機が吸ってしまうならあまりサイクロンの意味がないような気がしますし、フィルターを付けてもやはりそこで詰まって結局フィルターの掃除をするという事になるのかなあと思うのですがいかがでしょうか?

微粒子さえも重力の対象となる

遠心力を利用すれば、理論上はどんなに質量の軽い物質も空気と分離することができるかと思います。例えば、タバコに含まれる目に見えない微粒子さえも、強い遠心力がかかったとたんに重力の対象となるからです。

貝殻を研磨したときに発生するような粉じんは、木材の切り屑と違い、空気中にふわふわと漂うほど質量が軽いものもあるかと思います。このような微細な粉じんを遠心分離するには、当サイトで紹介している木工用の自作集塵機より、さらに強い遠心力を発生させる必要があります。

回収タンク内で遠心分離すると粉じんが飛散しやすい

まずはじめに、上の動画のような回収タンクの中で遠心分離させるタイプの自作集塵機ですと、タンク内で舞い上がった粉じんが真ん中から上の外へ向かう空気に捕らえられてしまうので、微細な貝の粉じんを遠心分離する場合は、下のタイプのように、回収タンクの上に円錐形のサイクロンを設置したほうがよいでしょう。

サイクロンの形状

サイクロンの直径が小さいと飛び回るスピードが再び加速する

上部に設置するサイクロンの形状を先細った円錐形にしなければいけない理由は、直径が小さいと回転するスピードが加速し、微細なゴミを分離できるほど強い遠心力が発生するからです。目に見えるような切り屑を集じんする木工用であれば、左・真ん中のタイプで十分ですが、サイクロン部分で回転スピードが落ちると、浮遊するような粉じんは上部中央から上の外へ 向かう空気に捕らえられやすくなります。

cyclone_dust_514

木工用のサイクロンパーツはサイズが大きすぎるので、より強い遠心力が発生させられると思われるリョービのコードレス掃除機用のサイクロンユニッ(6077957)をコードレス掃除機に接続して、貝の粉じんに見立てた粒径の小さいシナモンパウダーを吸引させてみました 。

シナモンパウダーがサイクロン部に入ると、遠心力により壁面に反ってぐるぐる回りながら、サイクロンの加速力とあいまって円錐の底に引き落とされ収集されます。しかし、コードレス掃除機はキャニスター掃除機より吸引力が弱いので強い遠心力を発生させられません。

そのためか、吸い込んだ空気とシナモンパウダーを完全に遠心分離することができませんでした。また、サイクロンの底部に収集したシナモンパウダーの量が増えてくると、シナモンパウダーが飛散してしまい真ん中から上の外へ向かう向かう空気に捕らえられてしまいフィルターが目詰まりしてしまいます。

写真ではわかりにくいですが、コードレス掃除機のフィルターが薄っすらと茶色く汚れていました。コードレス掃除機の吸引力では、強い遠心力が発生させられないため、完全に空気とシナモンパウダーを遠心分離することができませんでした。もしくは、サイクロン内部で飛散したゴミがフィルターに流れたのかもしれません。

ここからは私の予想ですが、このサイクロンユニットを吸引力が強いキャニスター型掃除機に接続すると、サイクロン内部ではコードレス掃除機より強い遠心力が発生するので、空気とシナモンパウダーを分離する能力は格段にあがるはずです。

さらに、サイクロン部分の底を抜いて、収集したシナモンパウダーを回収タンクに落ちるように接続すれば、空気中を舞うような飛散した粉じんが掃除機側に流れにくくなるので、フィルターが目詰まりしにくくなり強い吸引力を維持できると思います。

小さいゴミも遠心分離できる自作サイクロン

個人的にも結果に興味があるので検証してみたいのですが、現在忙しいので試してみることができません。写真はイメージですが参考になれば幸いです。(やっつけで 申し訳ありません。)

フィルターの目詰まり対策

おそらくこの構造でも空気と粉じんを100%遠心分離できないと思うので、満足した効果が得られない場合は、サイクロン部分の中央に配置されている筒状のフィルターに貝の粉 じんを通さないようなティッシュなどを巻きつけておくことをおす すめします。

これならティッシュが目詰りしても、簡単にティッシュを取り変えられるので、フィルターお手入れに手間がかかりません。予想ですが、この集塵方式であれば、1日作業をしていても強い吸引力を維持したまま作業ができるかと思います。

PLATA」と「Flushbay」のサイクロンアダプター

追記

現在(2017年)、リョービのコードレス掃除機に付属されているサイクロンユニット(6077957)の実勢価格は4,000円前後ですが、非常によくにた構造のサイクロンユニットが「PLATA」と「Flushbay」というメーカーから販売されており、こちらは半額ほどで購入できるので経済的です。

延長ホースはホームセンターでメートル売りされてる塩ビ製の排水用やダクト用ホースを利用すれば経済的です。塩ビなどを利用しても掃除機とサイクロン部分の接続が難しい場合は、自由な形に形成できるプラスチック粘土(おゆまる)。継ぎ目から空気漏れが発生する場合は(グルーガン)が簡単でおすすめです。 どちらもセリアやダイソーなどの100円ショップで販売されています。


リョービのサイクロンユニットの上部接続口の外形が(31.2mm~32.4mm/テーパー状)、下部の接続口の外形が36.6mmになっています。掃除機の吸込口や集塵ホースとサイズが合わない場合は、プラスチック粘土(おゆまる)を使い接続口に厚みを増します。気持ち程度のズレであればダクトテープやナイロンテープを巻きます。

テーパー段継手(アダプター)

掃除機のような細いホースとΦ65mmの集じんホースを接続する継手は、「テーパー段継手」が最適です。サイズが合うものがあれば塩ビの異径ソケットで代用する人も見られます。

ねじ込み段継手 65mm

Φ65mmの集じんホースとダストフード(外径100mm)を接続する場合は、「ねじ込み段継手 65mm」という接続継手を使います。

なお、Φ65mmの集じんホースに接続できるダストフードも販売されています。
吸込口が小さくなるものの、吸引力は100mmのダストフードよりアップします。

家庭用掃除機より吸引力の強い集塵機にダストフードを接続しても、大気中に浮遊する粉じんは吸引できても、下に落下していく微細な粉は吸引することができませんでした。なので、研磨中に発生するゴミをすべて回収したい場合は、上の写真のようにダストフードを下に配置したほうがよいと思います。

メーカー吸込仕事率吸引力
ダイソン200W以下弱い
国内メーカー500W以上強い
集塵機300W前後かなり強い

 

古いダイソンの掃除機を使用するとのことですが、ダイソンのキャニスター型掃除機は吸い込んだ空気とゴミを分離する能力は優れていますが、吸引力の目安となる吸込仕事率が200W以下です。これは国内メーカーの掃除機の半分以下の吸引力になるうえに、回収タンクとサイクロンユニットを接続することにより、さらに吸引力が低下すると予想されるので、満足のいく集じん結果が得られるのか心配です。

国内の大手電機メーカーのキャニスター型掃除機であれば、安価な下位モデルでも倍以上の吸引力があります。例えば、三菱や東芝の1万円以下の古い紙パック掃除機でも吸込仕事率が500Wあります。紙パック式は目詰まりしやすい短所がありますが、ダストフードと掃除機のあいだにはサイクロンシステムがあるので強い吸 引力を維持することができます。

ちなみに予算に余裕があるのであれば、強い吸込仕事率が300W前後の集塵機を購入したほうがよいと思います。リョービの安価なモデルであれば、家庭用掃除機と同じくらいの価格で購入することができます。例えば、リョービのVC-1150であれば、1万円台で購入することができます。吸込仕事率は280Wですが、家庭用掃除機より風量も重たい物を吸い上げるパワーも比較にならないほど強いです。

 

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