欅（生材）の臭いにおいをとる方法

バレーボールで自己顕示欲を満たしたチャック・ノーランド

まあ、部屋の中に張ったテントの中で生活をする筋金入りのひきこもりである。将来はポツンと一軒家にでてくるような場所で生活したいと考えているほどで、最近は毎日不動産のサイトを見ている。

しかし、ひとりでいることは苦ではないものの、人恋しくなることもある。人間は面倒なことに自己の存在や考えをアピールしたい自己顕示欲や、他人に認められたいという承認欲求が存在するのだ。

バレーボール（ウィルソン）を購入

映画「キャスト・アウェイ」の主人公は不運なことに飛行機事故に合い太平洋に墜落。無人島に漂着するもそこは人も動物もいない無人島だった。彼の場合、寂しさを紛らわすためにウィルソンと名付けたバレーボールを話し相手にしながら生き延びたのだ。

この入手することが難しかったウィルソンが、去年、Amazonで販売されているのを見かけたのでたまらず購入。そして最近、ウィルソン用の丸太も手に入れたが、この丸太が伐採したての欅だったため、とんでもない悪臭を放っていた。

ウィルソン用の欅の丸太が恐ろしいほど臭い

欅の生材は臭いと聞いていたが、ここまで強烈な臭いを放っているとは思ってもいなかった。まるで、猪と鹿と蝶の尿を混ぜて、湿気で朽ち果てた木造の廃墟に散布したような役付きの異臭を周辺に漂わしているのだ。製材した生の杉も比にならないほど臭い。

欅の臭いを抜く方法がヒットしないでござる

俗に転がし5年と言われているようで、乾燥させるにも時間がかかるようだ。とても5年間も家に置いておけるような匂いではなかったので、臭いの消し方を検索するも「欅坂メンバーは確実に全員足が臭いという」2chのスレッドしかヒットしないため、自力で消臭する方法を模索することに。

ひのきボールを風呂に入れたら香りの持続期間が短くなる

写真はかなり前に楽天市場で購入した「ひのきボール」である。これをお風呂に入れることにより檜風呂のような森林浴の気分が味わえるというもの。実際に湯船に浮かせると檜の香りがしてリラックスできたが、ひのき独特の香りは一週間ほどしか持続しなかったと記憶している。

香りが持続しなくなったのは、ひのきボールが吸湿と放湿を繰り返して香りの成分であるフィトンチッド・ヒノキオイル・ヒノキチオールなどが外にでたためと考えられる。すなわちガッテン！欅の丸太も風呂に沈めれば糞尿のような悪臭を軽減できるはず！そうに違いない、そうじゃないと困る。

1日目（臭い）

1～6日間の写真は使いまわして撮っていないが、熱湯を張った湯船に丸太を入れると沈んでいった。翌朝見ると湯船の水はお茶のように茶色く濁っていた。水に沈んでいるためなのか風呂場は欅の匂いがしなかった。水を抜くとまだ酷い異臭（獣の尿のような香り）がしていたので、新しい水を丸太が浸かるまで入れて入浴まで放置した。

2日目（臭い）

昨日は欅の匂いがしなかったのに、今日は水に沈めているにもかかわらず風呂の扉を開けるとひどい欅臭（獣の尿のような香り）がした。水はあいかわらず茶色く濁っていた。少しとろみもあるような。

この日から午前中に湯船の水を抜いてから、そのまま風呂場で乾燥させることに。そして、夜の入浴後、また丸太をお湯に沈めて午前中まで放置の繰り返しとする。

3日目（臭い）

いつも茶色く濁っている水が少し薄くなって黄色に。また、丸太を風呂場で乾燥させて、夜に熱湯に沈めて就寝。家族から風呂場と私の体と髪から獣の匂いがするとクレームがつく。風呂場は仕方がないとして、自分の体から欅の匂いを発していたのは、毎日の入浴時に欅の丸太と一緒に湯船に浸かっていたからであろう。ちなみに、20kgちかくある丸太は水の中では片手で持てるほど軽く、湯船の中で丸太をグルグルと得意気に回しながら入浴していた。

4日目（クレゾールの匂いになった）

昨日よりさらに濁った水が薄くなっていた。毎朝、風呂場から漂っている獣の糞尿臭が少しましになり、昔の病院臭（クレゾール）の匂いに変化した。クレゾールとは昔の病院で使われていた消毒薬である。今は規制されて使われなくなったようだが、昭和を生きた人は必ず一度は嗅いだことがあるはず。

5日目（木の色が若干白っぽくなった気がした）

水に薄く色はついているが透明度が増してきた。昔の病院内を彷彿させるクレゾール臭はあいかわらずするが、匂いのきつさはかなり軽減されてきている。ここのところ、お風呂の扉を開けるたびに子供の頃に自転車の車輪に足を巻き込んで小児科に担ぎ込まれたことを思い出す。いつものように夜の入浴後、熱湯に放りこむ前に気づいたが、少し色が抜けて白っぽくなった感じがした。丸太の表面が濡れてたら気づかなかっただろう。

6日目（鼻を近づけないとわからないレベルになった）

ブログを更新した今日である。いつもお風呂の扉を開けると不快な匂いがしていたが、今日は無臭になっていた。欅の匂いは周辺に漂わなくなり、丸太に鼻を近づけないと分からないほどに変化した。嬉しかったのか？全裸になり、欅の丸太に座ってシャワーを浴びて体を洗った。あと一週間続けたら部屋におけるほどになるだろう。

7日目～10日目

7日目、昨日はお風呂の扉を開けても臭わなかったが、今日は少しクレゾール臭を感じた。いつも窓を全開にしていて、昨日は風が強かったのか、空気が完全に入れ替わっていたのかもしれない。

8日目～10日目、昔の病院のようなクレゾール臭はかなり軽減されたためか、ほのかに甘い香りに感じた。人によっては薬のような匂いと感じるかもしれない。個人的に不快な香りではない。10日目に自分の部屋に1日置いてみたが、部屋が欅の匂いで充満することはなかった。

欅

の生材を夜から朝のあいだ水に沈めて、朝から夜のあいだまでお風呂場で乾燥させるを繰り返すと、10日目で部屋におけるほど臭いは軽減された。ただし、太い丸太で生材の場合、完全に乾燥するまでかなりの年月がかかるため、それまで加工したり塗装することができない。丸太の状態で使用する場合で、どうしても塗装したい場合は、木が呼吸をできる塗膜を張らない塗料（ステイン等）がよいだろう。最初に感じた獣の糞尿臭はしなくなったので、はここで検証は終わりたい。

追記：部屋に置いていたのだが

部屋に置いていても大丈夫なくらい不快な臭いはなくなったのだが、たまに欅の匂いがうっすらと漂うことがあった。そういう日は湿度計が湿度が高かったと記憶している。半年たった現在では欅の匂いはまったくしなくなり、どんな匂いだったのか忘れてしまった。次、思い出す日は加工するときだろう（木は加工するとその木の匂いがするため）。

注意点

ちなみに、真似をする人はいないと思うが、木材のアク抜きを繰り返すと色が抜けて少し白っぽく変化した。また、直射日光のあたるような場所で急激に乾燥させると酷い干割れが発生するので注意されたし。長期間かけて乾燥させても無数にクラックが入るので、干割れをおさえたい場合は、柱のように背割れを入れる必要があるようである。あえてバキバキに干割れを入れてレジンを流し込んでもお洒落かもしれない。