差出人: M様
題名: 水性ペンキを剥がせる電動工具メッセージ本文:
水性ペンキを剥がせる電動工具を教えて下さい。
10年以上前に杉の板〈長さ1m幅30cm〉を水性ペンキを黒で塗りました。
このペンキを剥がして棚板として再利用したいと考えているのです。
そこで水性ペンキをペーパーで削って落とそうと試みたのですが非常に効率が悪く断念しました。
電動工具でスムースにけずろうと思い色々と調べてみた結果、オービタルサンダーかランダムサンダーで迷っています。
どちらが効率よく水性ペンキを剥がせるのか教えてもらえないでしょうか。
宜しくお願い致します。
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以前わたしも机に塗装された黄緑のペンキをはがすように頼まれたことがありました。「オービタルサンダー」と「ランダムサンダー」で研磨したところ、どちらでも塗料を剥がして木目をだすことができたのですが、効率がよかったのは断然ランダムサンダーでした。このため広い平面の塗装を剥がす場合はランダムサンダーのほうが適しています。ただし、どちらも家具の細部や角隅の塗装を剥がすのは苦手となります。
ちなみに水性ペンキだけでなく、油性ペンキ・ステイン・ウレタンニス・オイル塗料なども効率よく削れます。結局はどんな塗料で塗装しても、木材の深部まで染みていないため、表面を軽く削れば白い木肌が姿を現します。中まで変色している場合は木目が残るステインなどで塗装すればごまかせますし、木目の消える塗料で再度塗装することも可能です。
ちなみに「オービタルサンダー」や「ランダムサンダー」より効率よくペンキを剥がすことができるのは、上のようなフォルムをした「ベルトサンダー」です。ペンキを剥がす用途だけであればベルトサンダーが最適ですが、杉板を自分で塗装したり、ペンキを落として棚板として利用したいということで、おそらくDIYer寄りな方だと思います。なので、DIYで使用したいのであれば、荒削りから仕上げのサンディング、そしてワックスなどの磨きも行えるランダムサンダーのほうがおすすめです。
仕上げ重視の場合はオービタルサンダーもおすすめなのですが、一般的にDIYでよく使用される針葉樹(桧、杉、松、SPF材)についているプレーナーのナイフマークは、ランダムサンダーでないと効率よく消すことができません。また、ホームセンターなどで安価で販売されている建築材をDIYで使う人も多く散見されますが、このような木の表面がザラザラしている荒材もランダムサンダーのほうが効率よく表面をつるつるにすることができます。
わたしが動画で使用しているものは、BOSCHから販売されている「GEX 125AVE」に#60のペーパーをつけています。オービットダイヤ(軌道)が一般的なものより倍近くあるため、研磨力はかなり高いです。予算を抑えたい場合は同社の上位モデルの半値で売られている「GEX125-1AE」がおすすめです。ただし、オービットダイヤが2.5mmとなり、研磨力が「GEX 125AVE」より落ちるため、ペンキなどを剥がしたい場合は#40のペーパーから始めるとよいでしょう。ペーパーはサイズが125φのものであれば、他社のでも使用できます。
ちなみにわたしが過去にボッシュの製品をおすすめしていたのは、微細な粉じんを吸じんする能力が他社より高かったからです。また、マイクロフィルターを採用しているため、微細な粉じんの捕集効率も高くなっています。ただし、集じん機に接続しないと粉じんは大量に舞うため、作業中は防塵マスクが必須になります。
現在ですと、コードレスタイプの電動工具が主流になってきているため、マキタのようなコードがなくて取り回しやすい充電式ランダムサンダーに惹かれます。