ダイヤルノギスとは?
ダイヤル読みできるから、測定値を素早く読み取れる
一般的なアナログノギスは、スライダーにバーニヤ目盛(副尺目盛)が刻まれており、本尺目盛とバーニヤ目盛を組み合わせて測定値を読み取らなければいけません。そのため測定値を読み取るのに時間がかかるうえ、視差により誤って測定値を読み取ってしまうこともあります。
ダイヤルノギスの場合、バーニヤ目盛がなく腕時計のようなダイヤルが組み込まれているので、バーニヤ無しで小数点以下の数値をダイヤル面上で直読みできます。そのため一般的なノギスより、スムーズに測定値を読み取れるだけでなく、視差も解消されます。
ミツトヨのダイヤルノギス(D-15FX)
ダイヤルノギスを販売している国内の測定器具メーカーは、「ミツトヨ」「新潟精機」「シンワ」です。そのうち精度の高い製品を販売しているのは「ミツトヨ」と「新潟精機」です。
どちらのメーカーも最小値0.02mmまで読み取れるダイヤルノギスを販売していますが、「ミツトヨ」のラインナップには、0.01mmまで読み取れるダイヤルノギスも販売されています。写真のモデルは、「D15FN」の後継機種「D-15FX」、このモデルは0.01mmまで測定が可能です。器差は0.02mmと同メーカーのデジタルノギスと同等の精度がある。
ダイヤルの読み方
はじめに、ピンクの部分(目盛読取り端面)が指している本尺目盛を粗読みします。写真では、目盛読取り端面が53mmを通過しているので「53mm」と読み取ります。
このダイヤルノギスは最小読取値が0.01mm、1目盛の単位が0.01mmとなるので、1mmで針は一周します。従って写真のダイヤルは「0.75mm」と読み取れます。
(本尺:53mm)+(ダイヤル:0.75mm)=53.75mm
二つの読み取った値を合計すると―測定値は53.75mmになります。
慣れれば時計を見るようにすぐに読み取ることが出来ます。どうしても慣れない場合は、数字の横に少数点を打っておくと読みやすいかもしれません。
0点調整方法
ダイヤルノギスはデジタルノギスと同じでジョウを何度も開閉していると、ジョウを閉じたときに「0」に戻らなくなることがあります。デジタルノギスの場合は「ZEROボタン」を押せば「0」セットすることが出来ますが、ダイヤルの場合は、外枠を指で回転させながら、針が0に合うように調整します。
ギアレールに切削屑が噛むとことがある
本尺の裏にはギアレールがあり、ダイヤルのギアを回転させることで針が回る仕組みになっている。このギアレールに材料の切り屑が噛むとスライダーしなくなったり、狂ったりすることがあるので注意が必要である。
シンワの安いダイヤルノギス
ファイバーノギス ダイヤル式 19932
これはシンワが販売しているダイヤルノギス(19932)、1800円と安価な価格で販売されていたので購入してみた。価格が安い理由は、プラスチック製ということと、最小値が0.1mmまでしか読み取れないからである。
プラスチック製なので、力を加えすぎると曲がりが発生しやすく精度が落ちる欠点があるが、上記のような利点もある。
目盛が0.1mmだと読みやすい
1目盛が0.1mmなので、1cmで針が一周します。0.1mmや0.01mmは簡単にダイヤル読みすることができます。ちなみに1目盛が0.02mmのノギスの場合、ダイヤルが24時間時計みたいになっていて、1mmで針が半周します。昔は最小読取値0.05mmのダイヤルノギスを販売されていたが、現在ではどこのメーカーのカタログを見ても掲載されていないので、市場から消えたようである。
読み取り方
最小読取値0.1mm、つまり1目盛が0.1mmとなるので、この場合「6.3mm」とすぐに読み取ることが出来る。
目盛読取り端面は本尺の70mmを通過しているので、「70mm」と粗読みします。
70mm+6.3mm=76.3mm、測定値は76.3mmとなります。
0点調整方法
上で説明したように、0調整をするときは、同じ様に外枠を指で回します。
MADE IN ハイジの国
これは値段の割りにけっこう気に入っている。精度を求めない用途で、プラスチック製の最小読取値0.1mmのノギスを購入するのであれば、こっちを購入したほうがよいと思います。なぜなら、ダイヤル読みできるのですぐに測定値を読み取れることと、微調整がしやすいサムローラーも付いているからである。
見た目はおもちゃのようにチープなので隣の大国製かと思ったが、本尺の裏には、MADE IN SWITZERLAND(メードインスィーツゼットイーランド嫁ん)と書いてあった。検索したら、最近シュールなCMでお馴染みのハイジや時計などの精密機械で有名な「スイス製」であった。